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ハッチ王子暗殺指令!

ラクエラの夜。

「開けて! 」

任務を終えバニラが戻ってきた。

現在令嬢たちは再開まで会場で待つか部屋に戻るかの二択。

王子もおらずほとんどの令嬢は部屋に籠っている。


「どうだったバニラ? 」

「それが…… トルドの爺さんは意外にしぶとくて逆に取っ捕まってさ。

そこでタイミングよくバカ王子が飛び込んできた。

はっきり言ってわざとかと思えるぐらいの間抜けっぷり。

そのどさくさで逃げたところをこの手で始末した。どうにか間に合ったみたい」

見えないところで暗殺者と王子たちの戦いが繰り広げられている。

安全なところで呑気に王子だの何だのと騒いでるのが滑稽に思えるぐらい。


「妹の方は? 」

「それはハンターたちに譲ったよ。奴らは血も涙もないね。

そこまでするかってところまで撃ち尽くすんだからさ。

動かなくなったのを見届け任務完了。今ようやく戻って来たところ。報告は後で。

把握してるだろうからどうでもいい気も。それよりそっちはどうスレーブ? 」

「だからセレーブだって! 今のところ動きなし。間もなく舞踏会が再開される。

トルドの爺さんもピンピンしてたね。ご主人様の命令とは言えなぜ私たちが? 」

ついバニラに愚痴ってしまう。


「セレーブは元が元だからそれでいい。でも私はただのメイドだよ?

巻き込まれたこっちの身にもなってよ」

バニラは不満があるらしい。でもきっとふざけて大げさに言ってるだけ。

もっと自由に動き回りたいと思ってるはず。

いくらメイドの役割があっても退屈で変化の乏しいお屋敷での生活は飽きたと。

だからホイホイついて来た。本来なら断るべき。それでも来たのは刺激を求めて。

退屈な生活を捨て刺激的な毎日に憧れていた。それは一緒にいてよく分かる。


「メイドが嫌になったからついて来たんだろう? 嫌なら今すぐ戻りな! 」

「遠慮するわ。この生活も悪くないしね。ただ命令に従うのが窮屈なだけ」

結局ご主人様の命令でラクエラに行き暗殺者として訓練を受けた。

他の者と違って招待状は手にせずご主人様の紹介でやって来た。

だから本来いつでも脱出できる。裏切っても咎められる心配はない。

処分されるとしたらそれはミスした時ではない。ご主人様が不要と判断した時。

私たちは奴らの命令で動いてるのでなくあくまでご主人様に従ってるに過ぎない。

ご主人様は決して裏切れない。


「では急いで着替えな! 」

さすがにその地味な格好で王子の前は恥ずかしい。汗だらけで警戒されてしまう。

「その前に血を洗いながさないと」

バニラが裸になったところで急いで浴びさせる。

「もう一人でできるって! 」

「いいから文句言わない! 一人だと遅くなる」

「でもドレスが濡れるよ」

そうだった。これは借り物。王子側が用意したもの。

仕方ない。一緒に浴びるとしましょう。王子の前で恥は掻きたくない。

「ほらバニラはしっかり洗いな! あんたはいつも雑だから。

そんなんだからあのイカレタ暴力野郎にも相手されないんだよ」

つい前の屋敷の記憶を思い出す。


「セレーブは心配しないの? 私たちがラクエラに来て大丈夫? 」

「もうお終いでしょうね。ご主人様によってすべて奪われる。

恐らく隠し場所も見当がついてる。でもそんなことはどうでもいい。

終わったこと。私はご主人様の命令にただ従うだけ。だからこれだって」


浴び終えてドレスを着て髪を整え紅を差し匂いを纏ったら準備完了。

と同時にノックがし再開を知らされる。

こうして暗殺者たちは再び動き出した。

もちろん王子側もただやられるつもりはないだろう。

密かに作戦が動き始める。


キング・某所。

ついにストップしていた最終命令が下される。

「おいどうした報告が遅れてるぞ。うんもうトルドの爺さんをやったか? 

あいつだけは喰えないからな。奴さえ倒してしまえばもはやこちらのもの」

「いえ…… まだはっきりとしていないようで。混乱しております」

「ほう。よくやっているなハッチも。しかしもうそろそろ死んでもらうかな」

「まさかハッチ様を? 」

「おいおい? 何をこの程度のことで驚いておる? いいではないか。

ハッチには退場してもらって。その方が何かとやり易い」


「ほお…… 答えられんか? どうやら躊躇いがあるようだな。

まあ気持ちも分からんではない。しかしあの面汚しにはほとほと嫌気が差したわ。

簡単に言えば邪魔だしうっとうしいのだ。なあそうは思わんか? 」

「確かに…… ですがハッチ様をですか? それはいくらなんでも早過ぎます」

「いや遅いぐらいだ。トルドに手間取っているならハッチをやればいい。

もうつまらない情けは不要だ。さあハッチをやってこい。それが命令だ! 」

「はは! 命令とあらば従う所存です」

「うむ。それでいい。それでこそだ。次のターゲットはハッチだ!

もう遠慮はいらない。あんな奴はいらない。我々の為にはならない。

国王様だってそれは同じ考えでありましょう」

「仰せの通りに! 」


ついに命令が下る。お付きのトルドを諦めついにハッチ王子暗殺に動き出す。

それが痺れを切らしたことによる変節か予定通りかにもよる。

こうしてハッチ王子はターゲットとなってしまった。


                  続く

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