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盗み聞き

秘密の共有はとても大事なこと。信頼関係を築くにはまずはそこから。

ビアンカも分かっているから譲らない。しかしお付きは決して応じない。

そこまで頑なに隠すのはなぜか? 秘密とは結局のところ何か?

こうしてモヤモヤを残し舞踏会へ。


舞踏会が思いがけないトラブルによって一時間遅れる。由々しき事態。

これでは参加する名家の御令嬢たちを不安な気持ちにさせてしまう。

果たして舞踏会は何のトラブルもなく平穏無事に終えられるのか?

暗殺者側でも何一つ聞かされてないから不安で仕方ない。

舞踏会では襲撃側にしろ王子側にしろ令嬢さえとんでもない緊張感の中にいる。

仮にうまく行っても結局王子のお相手が決まらなければ失敗。

さあ後は王子次第。頑張って下さいね。すべてはあなた様に懸かっていますよ。


「そろそろ会場に」

二階のダンスホールでハッチ王子が待っている。

まだ三十分あると言うのに急かすビアンカ。もうせっかちなんだから。

あの爺さんの影響でも受けたの? 困るのよね。


「まだ支度が…… 」

毒殺事件を調べてみるも大した手掛かりはない。

先程まで検視していた王子専属医に話を聞くことができた。

どこで毒殺されたかは定かではないそう。

王子のいる立ち入り禁止区域をざっと調べたがその様な痕跡は見当たらないそう。

もしこの屋敷での犯行だとすれば昨夜の晩餐会で盛られたか?

しかしいくら遅効性の毒でもそこまでの持続性もないと否定。

専門家の言葉を信じるならば毒殺は招待客エリアで行われた可能性が高い。

朝からビッグ隊長は行方不明だったことから盛られたのはその間と見るのが自然。


奴らはハッチ王子ではなくビッグ隊長を毒殺した。

これが間違いや失敗によるものではないのは明白。暗殺の邪魔になる者を先に。

そうに違いない。ですがどうやって? ううん。今は考えるのはよそう。

情報不足の中で無理に組み立てても逆効果。せっかくの真実が隠れてしまう。


「ちょっとマリオネッタ! 」

着替えもせずに耳を壁に当てる姿を咎められる。

「またいつもの趣味? 」

どうやら勘違いしてるらしい。私は純粋に情報収集に努めてるだけ。

それ以上でもそれ以下でもありません。ただのかわいらしいお嬢様なのよ。

涎なんか垂らしてない! 勘違いしないでよね。あれ…… この水滴は?


「いいからいいから」

ついにやける。どうせまた勘違いするんでしょう? いいですよ。勝手にどうぞ。

「マリオネッタ! 何と言うはしたない真似を! それでも淑女ですか? 」

本当はお嬢様と言いたいのでしょうがビアンカとはお嬢様とメイドの関係にない。

仲のいい姉妹なだけ。これも敵を欺くため。ただ奴らには知られてしまっている。

ただそのことをライバルたちに知らせてるかと言うと違うだろうな。


私たちもライバルの情報をほとんど知らない。

二人一組で任務をこなしてる。だから無警戒で経験も浅ければボロも出やすい。

でも気をつけないといけないのはあの地下室での惨劇に彼女たちはいた。

こちらが覚えてなくてもあちらの記憶に残ることも充分考えられる。

自分たちの基準で考えれば痛い目に遭う。


「もう静かに! 聞こえるでしょう? 」

隣の部屋は薄い壁で大声を出せば届くほど。喧嘩などすればすべて筒抜け。

だからビアンカの指摘も分かりますがここは大人しくしてもらいたい。

私だって好きで盗み聞きなどしてるはずがないでしょう?

大体令嬢でそのようないかがわしいことが行われるはずがない。

どうしてビアンカってこう早とちりなの? 誤解されるこっちの身にもなってよ。

とは言えお隣さんを盗み聞くのはどうも罪悪感が。

背徳感とでも言うのでしょうか?


ビアンカを説得。ちょうどお隣は喧嘩の真っ最中。

しかも面白いことに声の主はとっても幼い。

それに該当するのは昨夜の晩餐会に市長の代理を務めた姉妹ぐらいなもの。

ここは子供向けではないし小さなお子さんを抱えるような子も見かけない。

「聞こえる。まだ子供ね。でも残念だけど彼女たちも私たちの仲間。ライバル。

暗殺に関することで揉めている。最低だ。


「どれどれ」

ちゃかり耳を当てて盗み聞きしているビアンカ。はしたないですよ。

次はお付きの者がターゲットだそう。まだ私たちの番は回って来ないらしい。

実行役は彼女たちだとして監視役は誰になるのか?

一部始終を報告するのは誰か? 当然そこまでは知らされてない。

一人が怒り出して部屋を出て行く。追いかけるようにもう一人。

バタンとお嬢様には似つかわしくない行動。これは注意しなければ。


ビッグ毒殺によって部屋を変更した関係で隣が変わった。

今までは隣は空き部屋。だから隣の騒音など気にしてなかった。

でもここに移ると両隣から音が漏れて落ち着かない。

しかも絶対によろしくない計画を立てている。嫌でも企てが耳に入って来る。

お隣さんたちはお隣さんで今まで通りだからつい気が緩むのだろう。

しかしそれこそが盲点。こちらからは筒抜け。

特に市長の娘たちは喧嘩しているからコントロールが難しい。


                続く

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