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難攻不落

暗殺計画。

こうしてみると就寝中にお命を狙うのは難しい。そう判断した結果なのだろう?

それにしてはあまりに用意周到。決して突破できないようなところではない。

例えば外から侵入することも。窓を使う手もあるでしょう。

古い暖炉を使えば侵入可能。

別に衆人環視で暗殺する理由が見当らない。

仮にあからさまに殺人がまずくてもいくらでも事故死に偽装可能。

なぜここまで完璧な暗殺計画を実行しようとするの?


すべての可能性を捨てて自然に接することのできる舞踏会を選んだ。

だがその計画もどこまでかはっきりしない。まだ本気じゃない王子暗殺計画。

なぜかそんな風に見える。まだフィナーレには遠すぎる。

もしかしたらここでは王子は狙わずに手下のみを標的にしてるのでは?

だから防衛計画を立てた男が狙われた?

裏切ったにしろ始末されたにしろ捕まったにしろ彼が第一のターゲット。

まずそう見て間違いないでしょう。確証はありませんが。

あの船の一件はやはり偶然や失敗ではなく予定通り。

王子を狙ったのではなく元から彼を狙っていた。

そのことをもう一度ビアンカに。


「もちろんそれもあり得ますが…… 突発的な異常事態の恐れも。

決めつけてはいけませんよマリオネッタ」

「そうですが…… 」

「私たちには確認する方法が。奴らに直接聞けばいい。でもそれでは悟られる。

できるならその方は殺されていることを祈りましょう」

非情なビアンカ。失敗がなければ仲間も処分されることはない。

それだけでなく捕まったり裏切っていたら王子たちの命は風前の灯。

とんでもない危機的状況になる。だから願いたくなくても願わざるを得ない。


「次に昨夜の晩餐会ですが…… ビアンカ? 」

「だからもう少し考えて。恐らく王子たちを狙ったが不発に終わった。

その理由は定かではないですが異変を察知した王子たちが大胆な行動に。

こうして昨夜は何事もなく平穏無事だった。そして…… 」

思い出させたくないとそこで止まるが今は気にしてる段階ではない。


「そして恐らく失敗したであろう二人が目の前で処分された」

ラクエラは多くの者が集まる都会ではあるが危険な街でもある。

そこでは簡単に人の命が奪われる。それが現実。

治安部隊が駆け付けた頃にはもうきれいに片づけられていて撤収されている。

残ったのは二体の骸のみ。ポケットには恐らく血塗られた招待状が。

はっきりしない紙切れに誰も興味を示さず遺体は埋葬されるでしょう。

こうしてラクエラの町は再び活気を取り戻す。


「あの男の言う通り暗殺者なら四人減って八組十六名となったはず」

徐々に減って行く暗殺者。そこから私たちを除外すれば七組十四名が未だに命を。

作戦を実行してる最中。

「うーん。それ以上の手掛かりはないかな…… 」

どうやらビアンカは誰かを庇っているよう。

「もういいでしょう? 仲良くなった目つきの悪いあの方は恐らくお仲間よ」

その彼女を頻りに見ていた令嬢も恐らくはそう。言い逃れできない。

暗殺者にはただの招待客の令嬢とは違う臭いや雰囲気がある。

それを自然と察知することもできるが本物のプロならそれさえ完璧に消せる。


「マリオネッタ…… 私って見る目がないのかしら?

今回の旅だっていつだって止められたのここまで来てしまった」

そう言って後悔してるがそれって私がまるで悪いみたいじゃない。

信じられない! 馬鹿なお嬢様に唆されたとでも言うの?

それはいくらなんでもない。

私は皆から尊敬されるマリオネッタお嬢様なのですよ?


「はいはい。それで他に怪しいのは? 」

「同じタイプの二人でしょうかマリオネッタ? 」

「同じタイプ? どう言うこと? 」

どうやらビアンカは新たな敵を発見したらしい。ライバルであり暗殺仲間。

「それがどうも二人はその…… お嬢様とメイドのようなんです」


どうしても直らない癖のようなもの。

警戒が薄れた時につい相手を求めたり行動を共にしてしまう。

それはあの血塗られた招待状で集められた者に共通すること。

この晩餐会に潜入するため多少の訓練を受けイメージトレーニングも重ねて来た。

ただ数日では満足にできる者は僅か。そもそもそんな能力があるなら受けない。

私たちのように本物の招待状と思ってノコノコ来たような特殊な事情がない限り。


「その方の名前は? お嬢様なのでしょう? 」

「はい。年は私たちよりも上で自然な振る舞い。ですが恐らくこちら側の人間。

名前は…… 尋ねても遠慮気味に断っていました。

それだけでも充分怪しいですがその後ろについていた方は一歩下がったところに。

後ろに引き連れるタイプの令嬢」


ビアンカの知り合った令嬢もどき。私たちとはまったく違うタイプ。

私は上品でビアンカを自由にさせる。いつの間にか姉妹ごっこまで。

どちらかと言うとビアンカの後ろに隠れて行動しているのがこの私。

特に初対面の方には。故郷ではまったくそんなことなかったのですが。

やはり見知らぬラクエラに来て緊張してるんでしょうね。

信じられないトラブルに巻き込まれた訳ですから。


               続く

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