こんな人生ありですか?
寒さも本格的となり岩手山に積雪が見られます。
皆様も、風邪などひかない様に、お体ご自愛ください。
では、続きをどうぞ~
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さて、次はこちらの番である。
先程、彼女とも打ち合わせをしたが、通常は救急車を要請(要救護者
の搬送)し、怪我人(被害者)がいる以上、怪我を負わせた(容疑者)
が周囲にいるのでは、と思い警察への通報の順でいいが、先にも述べた
ように、ここは圏外である。
それは、彼女の携帯も同様である。
それの意味するところは、通信圏内に移動するか、固定電話からの
通信しか方法がないことは明白であり、要は二人の内どちらかが、
走って通報しなければならない。
なら、走ったら、と思うでしょうがそこはそれ。彼女は神奈川県出身
で東京本社からの転勤組(まぁ島流しともいうが)。
じゃぁ、お前がと思われるでしょうが、結婚を今、まさに申し込もう
としている彼女を、イケメン西洋フェイスの騎士様のもとに置いていく
のは、あまりにも面白くない。
気分の問題である。
なので、彼女に地図アプリで行き先だけを指定し、喫茶店に走らせ
その後ろ姿をに送りながら、「俺の車、無事に帰って来いよ」と心で
念じた。
この喫茶店は、この地域(別荘地)で数少ないオアシスである。
なにせ田舎も田舎。市内から国道四十五号線を西に走り約三〇分。
繋交差点を右折し、小岩〇農場方面に約十五分、更に網張温泉方面に
一〇分でT字路を右折するという高原地帯の別荘地ですから。
関東圏の行政区分で、この距離走れば、完全に越境し他県なのだが
ここでは、そうならないのです。
「 三日月の 丸くなるまで 南部領 」
なんせ四国四県合わせた面積より、岩手一県の県土が大きく、無駄に
広いんですから。
本当は、三日月ではなく「新月の 丸くなるまで 南部領」が正しい
表現(自説)だと、私は思っています。
(新月の意味は、あなたの目の前の箱を叩き、確認してください。)
何故、「新月」、とならなかったかと言うと、いつの時代かは記憶に
ないが、伊達の殿様と、南部の殿様で領土の境界を決める方法の一つと
して、それぞれの城から、牛?(牛車)に乗って決めた日に出発し、
奥羽街道(現 国道四号線)を、互いの城に向かい、「出会ったところ
を境界としましょう」との約束のもと、それぞれ出発したそうです。
その日が来て、それぞれに出発した。
南部の使者は約束通り「 牛 」に乗り、伊達は「 馬 」に乗り。
そして、伊達の物見(偵察隊)が、南部の使者を早めに探知し、牛に
乗り換え、何食わぬ顔で岩手県北上市の南方の地で出会い、境界を決め、
去って行ったことから、この地名が「相」手と合って、そして去った、
という意味で「相去」となったそうです。
本来はもっと南が(現在の宮城県金成近辺)が境界に成っていた、と
すれば更に広さだけは増す。(軍事上も別に意味はあるがここでは省く)
そうすれは更に、南部領横断日程は増える訳なので、三日月が新月との
読みもあったのではないか、今更ながら、無知蒙昧な作者としては思う
訳です。
この頃から、「南部の痴れ者、伊達の切れ者」と言われている。
(愚か者)、(賢い、卑怯)
このような話、諸説において枚挙に、いとま無く南部領内の者は人が
良く、伊達者を商売・政治(藩政の頃の話)において、いまだに信用し
ていない。
特に、我が地域全般に。
他県で岩手県人の評価は、「寡黙で真面目、仕事熱心だ」と、何度も
知り合いの社長連中に言われ、就職推薦があるなら受けるよ、とも
言っていただいた。ありがたいことである。
「宮城の伊達者は格好(伊達者)と、口ばっかりで」と聞くたびに、
郷土愛もさることながら、見てる人は見ているのだな、と自分自身に
現在でも、教訓足らしめるよう心掛けている。
見ている人がいると言えば、ここにも俺を見ている人が、一人いたこ
とに気が付く。
騎士のオッサンが、去りゆく俺の車を見送っていた俺に、視線を向け
ていた。
いや、正確に言うと馬がいないのに、馬車の箱部分が勝手に走り去っ
ていく姿を、口をぽか~んと開けてみているオッサンがいた。
何か聞かれても意思疎通できないので、オッサンを無視して、馬の
ほうに近づいた。
俺達から100mぐらい離れて、ブルブル言いながら草を食んでいる。
馬には相変わらず、矢が刺さったままだが、体表には血がほとんど
流れてはいない。
特段、急いで治療を、と言う状態ではないように見えたので、これを
機会に触ってみたくなった。
騎士のオッサンと無言で並びながら座っているのは、俺にはハードル
が高かった。
まだ言葉が通じないオッサンといるなら、普段、触れ合うことがない
大型動物と、時間を過ごすほうが有意義に思えた。
怯えられないように正面からゆっくり近づき、鼻の上あたりを触って
みた。
しっとりと湿っており、犬猫知識では鼻が湿っていれば健康状態
良好と聞いたことがあったので、同じなのかは不明だが、俺はよかった
と根拠もなく安心していた。
馬にこんなに近づくこともなかったので改めて思うが、馬デカッ!
馬体もデカいが、頭もデカい。口のデカさにも驚くよ。
俺の頭カッぶりいかれちゃうよ!
今度は、首筋を撫でてみた。(おっ、つやつやだなぁ。
もう少し獣っぽいごわごわ?した感じかと思った。(犬と変わらない
手触りかな。)馬もいい感じだったのか、わからないがブルブル嘶いて
いた。(愛い奴めフハハハハハ)などと楽しんでいたら、遠くから
二種類のサイレンの音が聞こえてきた。
サイレンの音が聞こえてきたので俺は、馬から離れ道路に向かい歩き、
路上で進行方向を見ていた。
すると、俺の水色の車(現在彼女が運転中)を先頭にパトカーと
救急車が続いてきた。
それをじっと見ていると、ふと思うことがあった。
高原の一本道は意外に、道の上下の落差が大きいなと。
そう思っているともう一つ。
先頭を俺の車、それに続くパトカーが丘の陰に消える。
消えたパトカーの後ろに救急車の赤灯が出てくる。
次いで俺の車が、丘の陰に消えると、パトカーの赤灯が丘の陰から
出てくる。
するとその後ろの救急車の赤灯が丘の陰に消えていく。
ん?なんだこのデジャヴ感は?
おおっ、これは「ル〇ン三世」における、ルパ〇を追いかける
銭〇警部のリアル追跡シーンでは?などと妄想しているうちに、
ほぼ目の前まで来て正気に戻った俺でした。
救急車からは隊員が二名、パトカーからは三名?んっ何、その恰好
は?
まるで機動隊の装備に見えるんだけど?
あぁ~被害者に矢が刺さっていたと通報すれば、すわっ、どこぞの
武装集団の襲撃かと思い、機動隊仕様で三名も来たわけか。
なるほど、緊張感ある仕事してるじゃね~か、県警、と思い今度は
救急隊員に目を向けた。
こちらは、担架片手にオッサンの前で機能停止していた。何してん
だ、おまえらは?
理由は簡単でした。
言葉が通じずどうしたものかと考えていたそうだ。が、確かに田舎の
隊員が外人遭遇率を考えると怯むが、なんだその「ナイスチューミー
チュー」ってのは。
矢を撃たれている奴が、ご機嫌いいわけねぇだろ。
とりあえず、オッサンとの遭遇時の状況と、経過を報告。
オッサンにはとりあえず、ジェスチャーにて意思疎通は可能の旨を
伝えたが、こちらから問題を提起するとみんな顔をしかめた。
それは、オッサンが乗ってきたお馬さんをどうするかだ。
この話の担当は警察だ。間違っても俺や救急の話じゃね~ぞっと。
一応武装集団云々の通り、頭には防護ヘルメットを着用し、ジェラル
ミン盾を手にして円陣を組み、話しているのが聞こえてくる。
「動物と言えば、保健所だろう」と主張する警官。「いやいや、
飼い主本人が目の前にいるのに保健所はないだろう」と主張する警官。
「拾得物として警察で預かるっていうんですか?あんなデカいの。
どうやって?」と言う警官。
俺はそれを横目に、その話いつ決着がつくのかな~と、馬の轡を取り
撫で繰り回していた。そうそうこんな大型動物と、まじかに触れ合える
機会などある訳もないので、瑞樹と写真を撮ったりして、ぶち壊された
デートの穴埋めをしていた。
で、結局年嵩の警官がここでは決められないので、上司にお伺いを
立てたらという事で、所属の警察署に無線で報告しようと決めたとき
それは起こった。
俺が、そろそろ決着が付きそうだと思い、最後に記念で写メでもと
携帯を向け
「さよならだな、お馬さん」と、心で語り掛けると、馬も分かった
のか首を上下に大きく振り、嘶ぎながら俺の方をじっと見据えてきた。
携帯画面越しに馬の周囲に光る粒がぽつぽつと飛んでいるのが確認
できた。
不思議に思い、直接馬を見たら、かなりの光量を発し、まるで馬
自体が光っているように見えるほどだった。
俺だけの幻覚かと思い、周囲に目線を向けると、警官は盾を前にし
構え、ひとりの救急隊員はポカーンとし、もう一人の担架を持って
いた隊員は、手の力が抜けたのか、担架から手が離れ、倒れたのが、
騎士のオッサンの頭に当たり、瑞樹は馬を指さし、口をパクパクさせ
ていた。
俺は(こいつら、おもしぇ(面白いの意)と思いながらも、スマホ
の動画を起動し、馬に向けてスタートを押した。
すると、程無くその光の束は、俺の方に飛んで来た。
すでに、馬の原型が半分もなく、光となり飛んで来たのが、今
動画を起動したばかりのスマホを、包むように光の束が集まり、
やがて収束した。




