出会い1-4
ちょっとだけ(五百字程度)短いですが
切れの関係ですみません。
文法も人称も全く無視して思うままに書いております。
かなり感情に左右されやすい性格なので。
誰か読んでいてくれるかな?などと思っています。
では、どうぞ~
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二〇一二年の春
いま俺は、盛岡城址公園下の映画館通りに来ている。
その日は、目覚めた時から天気がよく、お日様を見上げると
「今日は外に出なさい」と言われているような陽気だった。
そんなお告げに従い、ならばとここに来ていた。
そして今、小野田さんが目の前にいる。
この日の出会いは、ちょっと驚きであったことは先にも述べて
いる。
小野田さんを見つけ、俺の最初にかけた言葉は、締まらない
と思いつつも「よっ、元気?」だと。(ダサっ)
まぁ、ボギャブラリーの少ない俺ではこんなもんだ。
気の利いた挨拶も出来ず、春陽気の雰囲気に似合っている
彼女を見つめて不覚にも、かわいいなと思った。
彼女は少し裾が広いフレアの黒いパンツに白いブラウスを合わせ
薄いグリーンのカーディガンを羽織っていた。
いつも紺のパンツスーツしか目にしていなかったので、思わず
馬子にも衣裳ってか、と心の中で呟いた。
俺の気の利かない挨拶に「ふふふ、地元民みたいね」と手を
口元にあて、静かに笑う。
「いやいや、地元民だから」と返す俺。
彼女が「今日はどうしたんですか」言うので、「なんか面白そうな
映画でもないかとウロウロしてたんだけど、小野田さんはどうしたの」
と聞き返す。
「夏物を物色に来たの。家にいても一人だしね。・・・それに
お日様が外に出なさいっていうもんだから、ね。」と俺を見た。
ほう、俺と同じことを感じたのか。いや、この陽気なら万人が
そう思うか?とも思いながらも、俺が「次の上映時間まで時間が
あるから、連れがいないなら、そこらでコーヒーでもどう」と
聞くと、笑顔で「急ぐこともないから、ごちそうさまです。」ですと。
女性と単独でプライベートな時間を過ごせる奴を俺は【勇者】と
呼ぶ。
確かに俺にだって大学時代、浮かれてサークル活動などに勤しんだ。
出会いの一つぐらい生まれるのではないかと、淡い希望を持った事も
あった。夢もあった、あの頃が懐かしい。(涙)
仕事中や、おばちゃん相手の会話なら気後れもなく、冗談を交えて
しゃべれるんだが、いかんせん同年代の女性が、となると、傍から
見てて非常に落ち着きがなく、怪しい素振りや、仕草になり、
不審者となっていく様が、よくわかるとのこと。(友人談)
それが小野田さんだと、冷静に話が出来ているらしい。
(会社先輩談)
なので、コーヒーショップでの雰囲気は、普通のカップルと同じよう
に違和感を振りまかずに、成立しているようだ。(アセッ)
(周囲の感情安定度を測る、俺の特殊センサーが安定を示している。
よかった、よかった♪)
このことは、小野田さんも以前に気が付いていたらしいが、取り立て
て指摘もせず、それなりにフォローしていてくれたらしい。
(ありがとう)
研修期間に、ばれていたようだ。
しかし、と彼女をちらりと見て、俺の心の中でもう一人の俺が言う。
(俺のDNAは、小野田さんをおばちゃんと認識している故の反応か?
なんであれ、こんなことは冗談でも悟られてはいけない、と警告を
している。)
「ねぇ、児玉さ~ん。いま非常に失礼な考えをしていなかった~?」
との、お言葉を発した。
俺は努めて冷静に、悟られてはいけないと思い、思わず言った。
「小野田さんて、よく食べるよね。」と言ってしまった。
その時ね、ピシッて音がしたのね。うん、多分、俺だけに聞こえた
幻聴だと思うんだけどね。
目を細めた般若がね、目の前に、おわしまして、こちらに怒気を含んだ
視線を放出しております。
思わず「あっ、俺上映時間だ。行かなきゃ」と般若の視線を躱すべく
店外に飛び出たのであった。
二時間ほどの映画で、すっかり先ほどの失態を忘れ、館外に出て
正面のコンビニを見ると、小野田さんが、おいでおいでと手招きをして
わたくしを黄泉の世界に導くのでした。
それに誘われるように道路を渡り、コンビニの店内でで彼女と合流。
その第一声は、「おなかすいたなぁ~おいしいお寿司でも食べたい
なぁ~」ときたもんだ。
「ああっ、そうなんだ~。もう夕方だし、俺も家帰って飯だなぁ。
今夜はなんだろな~」と、話を逸らすも、「たまには、一人じゃない
夕食が食べたいなぁ」と言うものだから、俺も必死の抵抗を試みた。
なぜか?
この店の一本裏に「横綱寿司」という名も無き庶民に、決して入れ
ない寿司屋がある。(名前からの想像です。入ったこともない)
しかし、押されて、引っ張られて傍から見ると、ぼったくりバーの
キャッチに捕まり、引き込まれる素人との、やり取りのようだ。
攻める彼女、守る俺。
この繰り返しを何度しただろうか。
彼女の手が店の引き戸にかかり開け放たれる。
店内から威勢のいい女の子の声で、いらっしゃいませ~のご挨拶。
俺の脳内では、「ゲ~ムセッ~ト」と野球の主審よろしく腕を頭上で
交差させる場面がありありと浮かぶ。いい試合だったと。
食べる。 食べる。 そして喰らう。
彼女のオーダーが止まらない。
俺の湯呑みを持つ手が震える。
飲む、 飲む、 更に飲む。
この店いつから食い放題の店になったのかなぁと
周囲を伺うが、それらしき文字はない。・・・何度見てもない。
ふわ~っ、食った食ったと、腹をさする。
彼女の「お会計~」の声と共に、針のむしろタイムが終了を知らせる。
カウンター横のレジが、がっしゃんがっしゃん景気よく叩かれる。
ち~ん、「はい、お会計一八五〇〇円になりま~す。」と俺に請求書を
持ってくる店員の女の子。
いやいや、見てたでしょ?ね?食ったの彼女だよね?
俺、お茶と干瓢巻きとイカしか食べてないよね?との思いを
視線に乗せたが速やかに却下された。(げせぬ)
まいどあり~、の声に、店外へと放り投げられた感のある俺は、彼女に
「これはいずれ、体で返してもらわんとな~」と、お約束のネタを振ると
そんなことは分からない彼女は、「いいよ、今なら時間的に部屋空いてる
よね」と、おっしゃられ、俺は引っ張られてネオンに消えていった。
俺の「えっ私、心の準備が~」と言う事を言ったとか言わなかったとか。
次話から異世界が少し絡んできます。
少しね。
読んでいただければありがたいです。




