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金目の召喚術師 ~猫狂いは二塔に挑む~  作者: 鼻血魔人
召喚術師は挑戦者へと至る
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「召喚術師は呑まれる」

 「よ…よろしくお願いします、コウゴウさん。」


 「くはぁ……今をときめく『金目』様と組めるとは…光栄の至りだよ…くく」


 アルは気圧されている。目の前の貴公子然とした男に気圧されている。彼の身分にではない、彼から放たれるシーガから濃密な腐敗の匂いがしたからだ。以前会った時はこのような腐敗臭をさせる男ではなく、ただの嫌味な男でしかなかったのだ。しかし、今の彼は一目で分かるほどに危うい。ひび割れて崩れ落ちそうな、極限のバランスの中で立つ巨大な塔のような危うさである。そして恐らくこの塔が崩れ落ちる時は、周りにいる全てを巻き込んで崩れ落ちるのだろう。


 「ご主人様、気持ちを引き締めてください。試験が始まりますよ。」


 クロが注意を促す。試験に注意するようにという内容ではあるが、彼の目はコウゴウを見つめている。注意をすべき対象は試験ではなく彼だという思いを言葉の外に載せたのだ。


 『…ふぅ……ありがとう、クロ。』


 『試験にわたくしは付いていけません。どうかお気をつけください。』


 クロは召喚獣である。この試験は生徒自身の力を見るものであるため、他の力をかりることは当然許されない。召喚術師が召喚獣を使うことも同じ理由から伝統的に許されていないのだ。


 「この試験は、ここから潜り反対側の出口から出る。その途中にある課題を五つ達成しなければ出口の扉は開かない。」


 ワーオンが全員に向けて課題を細かく伝える。ゲガンの塔に潜る際には、躯結晶の回収や鉱石の採取、多くの罠や仕掛けを越えていく必要がある。このような課題達成形式の試験は実情に合っているといえなくも無い。が、アルとクロはそこにきな臭さを感じていた。


 「なお、洞窟内部はシーガを用いて監視している。課題を達成できずに力技で最後の扉を突破しようとした場合は不合格となる。課題を見つけることもまた1つの課題となる。細心の注意と大胆な行動が君らの道を開くだろう。」


 そこからは生徒達が順番に名前を呼ばれ、洞窟へと潜っていく。前の組が試験を達成するか失敗するまでは呼ばれないため、かなり時間がかかる。その間、アルとクロは強く緊張した面持ちで待機していた。転入の挨拶やガゴウとの模擬戦、ユーリとの決闘ですら緊張のかけらも無かった、あのアルマーオがである。その様子を見た、クレナとユーリも話しかけることを止める。何か、ただならぬことへの準備をしているような緊張感が合ったからだ。そうこうしている内に、クロがアルマーオから離れる。


 「ご主人様、この試験でわたくしが出来ることは何も無いようなので、アイクウ様のお店を手伝ってきてもよろしいでしょうか?」


 「えぇ!クロがいないと寂しいよ!この毛皮の柔らかさと肉球の感触だけが僕の緊張感を―ぶべゃ!?……もちろん良いよ、クロ。お母様をよろしくね。」


 旋風雷で自分の主人をお仕置きしたクロは、その足でユーリとクレナのところへ向かう。暇の挨拶をするためだ。


 「クレナバーラ様、ユーリッシュ様、ご主人様をよろしくお願いします。わたくしはここにいても役に立たなそうでございますので、アイクウ様のお店を手伝いに行こうと思います。」


 その挨拶を受けて、ユーリとクレナは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに微笑んで言葉を交わす。


 「まさか、クロがアルから離れるなんてね。まぁ、試験じゃ仕方ないかもねぇ。」


 「うむ、一瞬驚いたが理性的な判断だな。…そうだ、ロアンも一緒にいくと良い。」


 「お言葉ですが、わたくしは子守の必要なか弱い存在ではございませんよ。」


 「まあ、そう言うな。このロアンは見かけによらずに色々と役に立つ。私も良く助けられている。それに、ロアンもクロと同じでこの試験では役に立たないからな。」


 「そういうことでございましたら。ロアン、よろしくお願いしますよ。」


 「ふん 暇つぶしにはなるか」


 クロとロアンは、時々言い合いながら息の合った様子で出口へと向かう。その様子を六つの瞳が見つめていた。そこで、コウゴウがアルに話しかける。当然、シーガからは濃厚な腐敗の気配をさせ、口調には毒をたっぷりと載せている。


 「いやはや…まさか召喚獣がご主人様を見捨てるとはな…くはぁ…躾をしっかりとしなかったんじゃないかい?アルマーオくぅん?……くひひひ。」


 「本当ですよね!全くクロのわがままにも困ったもんです。」


 その毒をまともに受け止めず軽く笑うような感じで受け流すアルマーオ。そんな彼を、コウゴウはどこか哀れむかのように、絶対的な優越感を感じさせる表情で嘲笑する。


 時間は過ぎ去り、残されたのはクレナとユーリ、アルとコウゴウのみである。ワーオンが、出口側の教師から連絡を受け取り名前を読み上げる。


 「ユーリッシュさん、クレナバーラさん。次は君達だ。入り口の前に立ちたまえ。」 


 「ぃよーやくかい!待ちくたびれて体が固まっちまったじゃないかい。なあ、ユーリ。」

 

 「問題ない。準備は出来ている。」


 「二人ともがんばってねぇー。」


 長い時間の中ですっかりと自身の緊張感と折り合いをつけた美少女二人を、アルマーオはゆるい感じで手を振り激励する。彼もまた、最初の頃のような緊張感を発してはいない。だが、緩みきっているようでありながら彼のシーガは研ぎ澄まされている。髪の毛ほどの油断もしていないようだ。二人は一度振り返ってアルを見つめた後、勢い良く洞窟の入り口から中へと入っていった。残されたのはアルとコウゴウの二人だけ。アルにしてみれば気まずいだけだろう。コウゴウはといえば、不気味に笑っているだけだ。いや、手元に小さな紙がありそれを何度か見ている。気まずさに耐えかねたアルマーオが、意を決して話しかける。


 「コウゴウさん、その紙は何ですか?」


 「んぅ?今をときめく『金目』様の気を散らしてしまったかなぁ?申し訳ないねぇ…くくくっ。」


 「いや、その『金目』って言われても、自分では分からないのでちょっと困るんですよね。で、その紙はいったい?」


 「ふん、君の目は確かに不気味に光っていたよ、自分では分からないとは白々しい…この紙はね、私にとって、そう、いわば福音だよ。道行を保証してくれる光さ…君の目よりもよっぽど美しい光だよ…くはぁ…」


 「…福音……ですか…。」


 コウゴウが息を吐くように笑う時、明らかにシーガが澱む。アルは、アイクウのように完璧に見分けられるわけでは無いが、動きが不自然になるのは感知できる。今のコウゴウはやはり危険だ、とそう判断するアルマーオは集中の段階を一段階上げる。


 「では、コウゴウ君、アルマーオ君、君達が最後だ。」


 ワーオンが出口にいる教師からの連絡を受けて告げる。彼の眉はずっとひそめられている。コウゴウの様子に危険なものを感じているからだ。彼の経験上、こういう状態になった生徒は、必ず何かをやらかす。それが自身の破滅だけであれば良いが、たいていの場合はほかの何かも傷つけて暴発するのだ。教師として警戒をするのも当然だろう。


 「…繰り返しになるが、洞窟内部の様子は試験官によって監視されている。何かあれば壁に向かって叫べば、必ず返答があるはずだ。いいね、二人とも。」


 言葉は案じているようでいながら、彼の目つきがその印象を裏切る。これは警告、何かをやれば必ず察せられるぞ、という意味だ。しかし、その言葉をかけられたコウゴウは全く消沈せず、むしろ一層見下す気配を強くする。


 「そのようなこと、繰り返されずとも知っていますよ。無意味な心配をしないでくれませんかね、センセイ?っくくく……くはぁ。」


 「忠告ありがとうございます。何かあれば必ず呼びますよ、先生。では、コウゴウさん、行きましょう。」


 「あぁ…行こうか…僕達の運命を決める場所にさ…くくくっ…くはぁ」

 

 二人が潜り込んだことを確かめたワーオンは、すぐさま監視室に向かう。不安の種は、芽になる前に摘むのが最善だ。二人の行動を自分の目で確かめることで、危険に対処しようと考えたのだ。しかし、結論から言えば、彼の行動は、コウゴウにとって何の障害ともならなかったのだ。


 


 彼らが入り込んだゲガンの塔演習用洞窟。普段は奥までいかず。入り口や途中の部屋での石造りの床での行動訓練が主である。時折、ゲガンの塔でよく見られる罠の解説などがあったりもした。そんな演習室の奥に向かって二人は歩いている。ゲガンの塔には明かりが無いが、この演習室には10m感覚で爪光灯が設置されている。そのため、真っ暗闇ではなくほの暗い感じとなっている。


 「ここまで入るのは初めてですね。少し緊張します。」


 「くはぁ…『金目』様が緊張とは…笑えない上段だねぇ…くくく」


 アルマーオが緊張しているのは嘘ではない。だが、原因は石造りの洞窟ではなく、潜るほどに腐敗の気配を増す相方を警戒しているからである。隣に立つコウゴウは、逆に全く緊張を見せず笑みを深めていくだけだ。やがて、彼らは最初の課題へとたどり着く。彼らの歩む廊下の中央に石碑が立っている。


 「これは、何でしょうね。」


 「君に分からないものが、私に分かるわけが…くひっ…ないじゃないかぁ。」


 「……字が書いてありますね。これは…古語か…。」


 石碑には今は使われていない文字『古語』で何かが記してある。『古語』自体は、貴族学の中で学ぶ。宣誓の書類などにはいまだに『古語』が使われているからだ。両者共にしっかりと学んでいるため、解読に手間取ることは無かった。


 「『東西の壁の聖印 祈るは騎士 双剣が揃いし時 鍵は現れる』ですね…聖印…。」

 

 「あぁ、あそことそこの壁に聖鍵王の紋がある。あの前に立てということじゃないかなぁ?いやいや、金目様ならすぐにお見通しでしたねぇ。わざわざ言い立てて申し訳ありませんなぁ…くはぁ。」


 「コウゴウさん、見つけてくださって助かります。恐らく騎士の礼をその前でせよ、ということでしょうね。」


 「…ちっ。…さすがは金目様!素晴らしい発想ですねぇ。」


 コウゴウの嫌味は完全に無視することにアルマーオは決めたらしい。意識したことは徹底できるのが、アルマーオである。何の反応も見せ無いアルマーオに苛立ちを隠さないコウゴウであったが、おとなしく聖印の前に立つ。騎士の祈りとは、騎士が行う王に対する礼のことであろうと看破したアルマーオは聖印の前で、片膝をつき、右手で左肩を掴み、左手は軽く握って額に当てる。手を腰から離す事ですぐには武器を使えない状態を作り出すことが目的の姿勢である。つまり、礼を向けた相手に対して敵意が無いことを示すための姿勢なのだ。コウゴウが動き出した気配を感じ取り、アルマーオは何か動きが無いかを集中して探る。すると突然、アルマーオの目の間の聖印から石の槍がものすごい勢いで飛び出してくる。先は丸まっているものの、これがまともに直撃すれば、しばらくの間は起き上がれないであろう。つまり、試験が終了してしまうということだ。


 「っ!?……………ふぅ、危なかったぁ。」


 集中していたアルマーオは咄嗟のことにも即座に反応し、シーガの盾を形成して槍を防ぐことに成功する。すぐに後ろを振り向きコウゴウを確認する。すると、石の槍を避けながらもゆがんだ笑みを浮かべてアルマーオを見つめるコウゴウと目が合ってしまった。


 「いやぁ…申し訳ない…てっきり『騎士の拝礼』かと思ってしまってねぇ?…いやはや、しかし流石は金目様だねぇ、まさかシーガの盾で防ぐとは…私などは無様に避けることしかできなかったですよ…くはははぁ。」


 拝礼とは頭を下げて行う礼のことであり、この世界では神に祈るときに使われる。片膝をつき、右手を地面に置いて左手で右膝をつかむ、そこに額を載せて拝むのが、『騎士の拝礼』である。コウゴウの拝礼は、普通のものよりも深く頭を下げている。そのおかげで石の槍が頭上を通過したようだ。無様に避けたといいつつも、彼の体勢は全く崩れていない、つまり慌てて避けたりなどはしていないということだ。


 「………お互い運が良かったですね。さ、早く騎士の礼をしてください。」


 「くはぁ………そうだな……くくっ。」


 二人が正しい礼をすると、廊下の中央の床であった石がせり上がってくる。


 「また『古語』……『巌の騎士』なんですかね、これ。」


 「ふん…ただの合言葉だろうさ……くくくっそんなことより次に行こうじゃないかぁ…くはぁ。」


 次の試練は、部屋の床が全て落ちている空間であった。問いに対する正確な答えを、壁にある文字列から1人が1文字ずつ押す。すると、文字に対応した床がせり上がってくるという仕掛けである。正解の場合のみ、中央に浮かぶ制御盤にたどり着くことが出来る、移動と文字列を押すタイミングを合わせる必要があるため、相方との呼吸を合わせることが最重要となる試練だ。コウゴウの強引な決定により、移動役をアルマーオ、文字列選択をコウゴウが行うこととなった。始めは順調だったが、後2枚という所で、コウゴウが押す文字を間違え、アルマーオが飛べないところに床がせり出し、立っていた床が落ちる。しかし、予想していたアルマーオはシーガを固定した床を慌てず騒がず作り上げ、コウゴウが正しい文字を押すのを待つ。それを見たコウゴウは唾を吐き捨てたそうな顔をした後に正解の文字を選ぶ。


 「お疲れ様です、コウゴウさん。えぇと、でてきたのは『華の杖』…さっぱり分かりませんね。」


 「…ふん……次にいくぞ。」


 三つ目の試練は、二つの細い橋であった。橋の下は暗闇で良く見えない。落ちれば間違いなく試験失格であろう奈落である。細い橋の横の壁からは、丸太が一定のリズムで飛び出す仕掛けが作動している。二人でそれぞれの橋を行き、最後の床を同時に踏むことが試験の達成条件だ。この時、アルマーオは既に悟ったことがある。


 (コウゴウさんの負の気配からいって、この試験中に僕を貶めることが狙いだろう。それも良いわけが聞く状態で、だ。ということは試練を受けている最中が望ましいはず…この試練は危険性が高い。気をつけなくちゃ。)


 アルマーオが洞察したコウゴウの狙いは正鵠を射ている。試練の最中を狙っているのも保身のためだ。この橋の試練などは、仕掛ける機会が多いため非常に危険だといえる。ところが、予想に反してこの試練の最中、コウゴウは全く何も仕掛けてこず普通に試練を達成することが出来たのだ。


 「…………あ、お疲れ様ですコウゴウさん。えぇとでて来た答えは『旋風の槍』なんだかどこかで聞いたような…うぅん。」


 コウゴウが仕掛けてこなかったことで調子を崩されたアルマーオが、首をひねりながらも前へと進む。そこには分かれ道があった。


 「んー。どっちが良いのかな。どう思いますか?コウゴウさ…ん……。」


 振り返って問いかけたアルマーオを無視して、コウゴウは進む。右の道の入り口までくると、唐突に振り返り、これまでで一番の笑顔、腐りきって吐き気を催すほどの悪意を満面に浮かべた笑顔を向ける。


 「くひひひひひははははははは!!!!!! くはぁ…『金目』様よ………ここでお別れだ……。」


 「……何をするつもりですか?」


 アルマーオが、何があっても対応できるようにと重心を落とし、シーガを練る。


 「何を?……くはははは!!!何もしないさ!!………私はね?」


 最後の一言を放った瞬間、コウゴウは強く地面を蹴る。後ろにだ。


 「くっ…え?」


 予想外の行動にアルマーオの緊張が緩む、もちろんその状態でもコウゴウが何かをすれば防げただろう。彼は、試験中ずっとコウゴウのことを警戒していたのだから。だが、だからこそ思い至らなかった。コウゴウ以外の誰かが、何かを仕掛けてくる可能性をだ。


 「な、なにを……くっ!?」


 鈍く激しい音が、炎と共に舞い上がる。爆発音だ。コウゴウが飛びのいた場所の壁が突如として大爆発したのだ。咄嗟にシーガの盾を生成し、爆風などを直接浴びることは防げたが、コウゴウを追うことは出来なかった。そして、その結果、コウゴウを追うことは不可能になった。なぜならば、爆発のあった壁は大きく崩れ落ちて道をふさいでいたからだ。


 「くひひひひ…くははははは!!これで終わりだ『金目』様よぉ!?いやあ?薄汚い三流貴族のコネカットがぁ!!!」


 崩れた壁の向こう側から、コウゴウの調子の外れた笑い声が響く。最高に良い気分の中にいるようだ。


 「左の道は開いています……終りではないと思いますが?」


 アルマーオが、相手の言葉から整理した情報を伝えると。さっき以上に爆発した笑いが響く。


 「くひひぃははっははあっぁはははは!!!! いぃや?終わりなんだよアルマーオ…くひひ……出口の扉を開ける鍵は5つ。私達は三つを手にした。だがな……左の道の試練はな、必ず二人で協力しなければ取れないんだ!!くはああ!!!」


 告げられたのは衝撃の事実。その言葉が本当であるならば、アルマーオが進級することは不可能となる。


 「きひひひゃひゃぁ。今をときめく金目様が留年にでもなってみろ…周りの奴の目も覚めるに違いない。そうすれば、愚民どもも私の偉大さを思い出す!私がこの学年で最も優れた男なのだと思い出す!!私の栄光を盗んだ男は留年となり地べたを這いずることとなる。くひゃああ!!!愉快、愉快だぁあああ!!くはははははははぁあはははは!!」


 狂ったような笑い声を上げながら、コウゴウはゆっくりと歩いているのだろう。彼の目には、既に取り返した栄光と地に落ちた有名人の姿が浮かんでいるのだろう。笑いを止めるものは既に存在しない。彼はもう我慢せずに行動することにしたのだ。そのまま立ち去るかと思えた足音が突然止まる。言うべきことは何かを思い出したようだ。

 「そうだ…1つ言い忘れたよ……君はいざとなれば監視している試験官に言えば良いなどと考えているかもしれないがねぇ。……それも無駄だよ……くひ………くひひひゃ………くひゃひゃひゃひゃ!!今、ここの様子は彼らには全く見えていないはずだ。もちろん、それはこの後も続く。……くはははは!!!」


 そして、今度こそコウゴウは立ち去ったようだ。悪意の塊がいなくなったことで、多少気持ちに余裕の出てきたアルマーオではあったが、何をすれば良いかは結局すぐには思いつかず、ただ立ち尽くすのみだった。



 こうして召喚術師は呑まれた。深き嫉妬と悪意の心に、そして彼を貶める何者かの策謀に。彼がそれに打ち勝つことが出来るのか、それまだ誰にも分からない―

 今回はここまでです。いかがだったでしょうか?

 評価や感想、ブックマークなどいただけると、とても嬉しいです。

 よろしくお願いします。


 

 

 遅くなって申し訳ありません。ストックが1つ出来たら1つ投稿するようにしているのですが、ストックの話で少し行き詰っていたので遅くなってしまいました。お待たせした分、楽しんでいただけるといいのですが、コウゴウ君、これからもっと嫌な奴になる予定です。

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