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第20話 暗殺者達との戦い(後半)

 そう。誓ったからには生きないといけない。それがお父さんや俺の意地だと思うから。


 それにしても今の俺にはこれ以上の魔法が使えないでいた。なぜなら空に監視者がいるからだ。


 監視者。早い話が四天王の一角。名は知らないがかなりのオーラを感じる。流石といったところか。


「まさかな。本当に魔族がいたとはな。おい! お前ら! ここは魔族と協力するぞ! やれ!」


 この感じからして魔族とは初対面らしい。だとしたらここに魔族が現れたのは偶然か。それとも必然か。


 だが一つだけ言えるのは魔族の後ろには更なる魔族がいるということだ。そもそも四天王だからな。他にもいるだろう。


「これでも! 喰らえ!」


 うん? お? さっき俺に対して後ろ蹴りをしてきた奴が殴りかかってきたぞ。俺はすかさず避けた。


 困ったな。殺さずに気を失わせなければならないなんて難しいぞ。ここは……どうするべきか。


「ぐぅ。避けるなぁ!」


 いや。避けるか。防御するかのどっちかだろ。この場面は。なにが変って敵の攻撃を喰らう方が変だろうに。


 それにお前はどうなんだ。ええ。俺が避けるなと言ったら拒否することなくやられてくれるのか。ないだろうに。


「こうなったら」


 ほう。なにかの魔法を使うようだ。だがこいつの実力が分からない。こいつらのフードには魔力感知させにくい魔細工が施されているのか。それすらも分からない。


「させない!」


 セシリーの声がした。気付けばセシリーは精霊と一心同体になっていた。どうやら出し惜しみはしないらしいな。


 ならばこの数分の間に決着をつけたいところだな。できるか。……いや。してみせる。


 セシリーが魔素操作をしながら二つの筒状を遠隔で動かしていた。宙に浮いたりしているところから推測するとあらゆる角度からの噴射が可能だろう。


「ぐ!」


 セシリーの妨害を逸早く喰らった敵は魔法を諦めて防御した。うーむ。どうやらセシリーは手を抜いているらしい。


 だがまぁそれくらいが丁度いいだろうな。とここで俺は一気に敵に近付いてさっきのお返しだと言わんばかりに行動に移すことになる。


 素手魔法【アイアンナックル】を瞬時に発動した。そして一気に敵の懐に入ると腹に目掛けて一回だけ殴った。


「ぐほへぇ!?」


 敵はセシリーの攻撃に警戒しすぎて俺からの攻撃を警戒していなかった。だからすんなりと腹に当てることが出来た。


 痛そうな声をあげると敵は腹を抱えながらその場に崩れ去った。そして遂には動かなくなった。どうやら気絶したらしい。


「よし! まずは一人だ! セシリー! 有難う!」


 そう思い俺がセシリーの方を見るとまだセシリーは油断していなかった。ふぅ。本当は満面の笑みが見たかったな。


「なにをしている? ええーい! 仕方ない!」


 魔族がなにかを仕出かすつもりだ。ぐ。宙に浮かれてはなにも出来ない。だが諦めるな。きっと打開策がある筈だ。一体。どうすれば――


「させるか!」


 急にセルフィの声がした。気付くとセルフィは宙に浮いておりいつの間にか秘奥義【イカロスの翼】を発動していた。


 と次の瞬間。セルフィから生えた両翼が羽ばたき始めた。つまりこれは翼技【ウイングブラスト】だ。


 両翼が羽ばたくことによって大きな風を生み魔族に襲い掛かった。魔族は満足に喋ることが出来ぬままに流されまいと抵抗していた。


「今の内だ! アレス! 後は頼んだぞ!」


 セルフィ。ああ。お前こそ任したぞ。俺はすかさず身技【身体強化】+風技【追い風の加護】を発動した。よし。これで一気に片を付ける。


「任したから。アレス」


 ああ。セシリーも有難うな。今はゆっくりと休んでくれ。精霊と共にな。


「アレス! こっちは任せて! あと……四人だよ!」


 アスティはマフティ様と協力し合っている。もう既に二人を気絶に追い込んでいた。そうか。ここはマフティ様に任せよう。だから俺は――


「馬鹿な!? ぐ!?」


 リーダー的な奴が苦しそうな声を出している。あそこまで到達するには俺の目の前にいる一人を気絶までおいやるしかない。さていくか。


「フハハ! 俺様を忘れるなよ!」


 ぐは。ギードの声だ。一体。なにを仕出かすつもりだ。と俺が一人目掛けて爆速していると空から急に雷が落ちてきた。これは――


「幾千の雷に! 打たれるがいい!」


 と急に雷が落ちてきたのか。敵に直撃した。だがギードも手加減をしているのか。気を失う程の威力だった。本来ならば吹っ飛ぶ可能性もある。


 とまぁなんとも大袈裟な雷落としのお陰で一人は気を失った。残りは二人だ。ちなみに三人目はマフティ様とアスティが相手をしている。


 だから実質残ったのは雑魚のリーダー的存在と魔族だ。魔族はセルフィが相手をしている。未だに魔族はセルフィに苦戦しているようだ。


 俺はその隙を突いてリーダー的な存在の元へと爆速で移動した。仲間のお陰で形勢は逆転した。後は二人を懲らしめるだけだ。行こう。


「ひぃ!? く、くるなぁ!? くるなぁ!? ば、化け物集団がぁ!?」


 やれやれ。最後の最後でうるさい奴だな。こんな夜中に暗殺を仕出かしてきたくせに。だがな。確かに俺達は化け物だ。それも並外れた友情のな。


「いっけぇ! アレス!」


 これは推測だがマフティ様とアスティの共闘は終わったのだろう。だってアスティの応援が聞こえる。ああ。これで終わりにしてやるよ。


「やめろぉ! やめるんだぁ! おい! おいぃ!」


 リーダー的な奴はびびり過ぎて最早冷静な判断が出来ていない。さっきから奇声を出している。んじゃ訊くがお前は俺がやめろと言ったら聴いたのかよ。


 それが……出来なかったくせに……偉そうなことを言うなぁあ! そう思い。俺は一気にリーダー的な男の懐に入り込み素手魔法【アイアンナックル】を発動した。


「ぐほぉへ」


 見事に俺の一発は腹に直撃した。俺がそれ以上の動きをやめて硬直するとリーダー的な奴は気を失ったのか。その場に崩れ去って行った。


「やったか! ならば――」


 俺がやっつけた余韻に浸っているとセルフィの声がした。どうやら身動きをとらせないでいた魔族に止めをさすつもりらしい。出来るのか。


「これで……終わりだ!」


 またしてもセルフィの声がした。俺は冷静に戻るとセルフィのいる空に目線をやった。するとセルフィは羽技【フェザーレイン】を発動した。


 それも翼技【ウイングブラスト】と合わさって強力な攻撃となっていた。凄まじいフェザーがレインの如く魔族を襲い掛かった。


 この瞬間。俺達は勝利を確信した。その証拠に本当にギリギリのところまで追い詰めた。だがこの時の俺は魔族にも仲間がいることを痛感させられた。


「させないよ」


 と急にどこからか少年のような声がした。よくよく見ると魔族の他に別の魔族が宙に浮いていた。暗くてよく見えないが確かにいる。


 いることをばらした結果だがセルフィの全てのフェザーを吸収し六つの光線が反射の如く飛び出た。どうやらもう一人の魔族の仕業らしい。


「ぐぅ!? 不味い!」


 セルフィが焦るのも分かる。まさか。俺と同じ魔法を使ってくるとは。セルフィは頑張って羽ばたきながら逃げようとするが誘導式らしかった。


 セルフィは魔力剣を出現させ誘導光線を目掛けて振り下ろすが斬撃波はことごとく弾かれていた。不味いな。このままだとやられるぞ。


 一方的においやられたセルフィは意を決したのか。苦肉にも全ての誘導光線を喰らうようだ。多分だが最後の最後に暴風竜の加護を発動する気だろう。


 暴風竜の加護は竜巻を身に纏わり付かせることである程度の攻撃を防ぐことが出来る筈だ。きっとだが覚悟を決めたのだろう。セルフィは。


「ぐぅ。うおおおおおお!」


 セルフィの雄叫びが聞こえてきた。全ての誘導光線がセルフィに直撃した。一体。どうなったんだ? 手加減なしの攻撃だろうな。これは。


 と爆発し終わると爆煙の中からセルフィの姿が現れた。だがセルフィは気を失っているのか。堕天使のように地面へと一直線だった。


 これは不味いと思った。いくらなんでもあの高さから落ちて地面に直撃すればセルフィの命はない。だから俺はセルフィに魔法が掛けられるギリギリの高さで魔法を掛けた。


 それは当然重力技【フェザーフォール】を落ちてくるセルフィに掛けた。すると勢いは衰えゆっくりと地面に付いた。その姿はまるで聖者のようだった。


 それにしても俺がふと空を見上げると魔族の姿はなくなっていた。逃げたのか。だがこれで分かったな。奴らは本気でくる。次は必ずな。だが俺は負けない。だってそう誓ったのだから。

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