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第20話 暗殺者達との戦い(前半)

 どうやら戦いが始まったようだ。暗殺者達はジワジワと歩きながら俺の元にきていた。


 それにしても上等生か。下等生かは分からないがここはさっさと終わらせよう。


 秘奥義【英雄光の加護】+魔法技【魔素変換】+罠技【自動反撃】を仕掛けておこう。


 よし。これでいい。


「おい! ここは肉弾戦で挑め!」


 な!? 馬鹿な!? 肉弾戦だと!? く! 魔法じゃないのか! 魔法じゃ!


 俺の誤算だった。まさかな。敵のリーダー的な奴がそんなことを言うとはな。ぐ。ならば――


 近付いてくる前に潰す!


 そう思った俺はすかさず無詠唱魔法を使おうとした。だがこの時の俺は魔法に集中し過ぎていて空を見ていなかった。


「させるか!」


 どこからか。声が聞こえてきた。それにしてもこの声、どこかで聞いたような――


 え? 細い光線が俺の足寸前に当たった。これはわざと外したようだ。それにしてもこの雰囲気は間違いない。こいつは――


「魔族か!」


 ふと顔を上げると四天王の一人が宙に浮いていた。しかもそいつはこの前襲撃してきた魔族だった。声からして。


「フフハハ! どうだ? 暗殺される気分は?」


 あー。気分が悪い。折角な気分が台無しだ。そうこうしている内にどんどん敵が近付いてきていた。


 だがな。この前もそうだがすぐにパトロール隊がやってくるぞ。ってここは早く片付けないと不味いな。


 こうなったら一か八かだ。こいつらが歩いて近付いてきている間に宙に浮いている魔族を倒す。


 俺は全力を出す為に空気を握るようにしながら前に突き出した。もう一つの左手は右手首に添えた。


 狙いはもちろん魔族だ。狙いを絞り込んだ俺はどんどん右手の平に魔力を溜め込んでいく。


「今度こそ! 晴らしてやる! 我が負けるなど許されん!」


 そう魔族が言うと左手を突き出してきた。前と違うのは右手の平が開いていたことくらいだ。


 だがこっちの方が先手を打てた。ということは相当な力の差があると俺は負けるのか。


 と、とにかく最大にまで溜め込んだらさっさと撃とう。だがこれでもし負けたりしたら――


 いや。待てよ。確か今の俺は英雄光の加護が付いている筈だ。あの細い光線くらいなら魔素変換出来そうだ。


 いやいや。待てよ。もし相手が俺と同じことを仕出かしていたとしたらどうなるんだ?


 うん。やはりここは溜め込み次第撃つ方向で行こう。そうでないと負けそうな気がする。


「おっと。やはり止めておくかな」


 な、なに!? 魔族が戦いを放棄した!? いや! 違う! こ、これは避けることにしただけだ!


 く! これじゃあ当たらないのも同然だ。だが仕方がない。ここは予定どおりに撃とう。


 と思いきや魔族が宙を浮きながら左右に動き始めた。その瞬間だった。短く細い光線が飛んできたのは。


「無駄! 無駄! 深読みに溺れるがいい! 英雄風情が!」


 魔族が俺を嘲笑うように言ってきた。不味い。今度の短く細い光線は確実に俺に当たる。だからここは――


 仕方がなかったんだ。俺はそう言い聞かせて最大出力前の細い光線を放った。


 無論。俺の放った細い光線は魔族のいい加減な短く細い光線を呑み込んだ。だが魔族から狙いがずれていた。


 だから俺の放った細い光線が魔族に当たることはなかった。あらぬ方向に飛んでいったのは屈辱だった。


「フン。浅知恵ご苦労。ではここからは見物と行こうか。なぁ? 英雄風情君?」


 くぅ。どんどん近付いてきている。俺が気付いた頃には一人の暗殺者が走ってきた。そしてそのまま格闘戦が始まった。


 困ったな。俺は魔法は得意でも格闘戦は不得意なんだ。というか。こいつら学習しやがったな。くぅ。


「これでも喰らえ!」


 俺目掛けて突っ込んできた暗殺者の一人が後ろ蹴りをしてきた。その前に殴られそうになったから避けていた。


「ぐ」


 俺は流石に後ろ蹴りは避けられないと思い両腕で防御した。その時の衝撃で俺は声を出した。思わず後ろに仰け反る。


「クク。防戦一方か。フハハ。我が力を出すまでもないか。なぁ? 英雄風情君?」


 ぐぅ。魔法に頼りすぎていたな。これは。肉弾戦がこうもきついとはな。不味いぞ。これは。俺は……負けるかも知れない。


「どうして! どうして君はいつも一人で戦おうとするんだい?」


 え? この声は!? マフティ様!?


「そうよ。アレス。マフティ様の言うとおり。もうか弱いだなんて言わせないんだから」


 あ、アスティ?


「やれやれ。君がいなくなると競争相手がいなくなるじゃないか」


 セルフィ?


「おいおい。俺様を忘れるなよな。このギード様がきたからには好きにはさせないぜ」


 ギード!


「もう……見捨てない。だれも。栄光を取り戻そう。ね? アレス」


 セシリー。皆。俺。


「ふん! 小賢しい! 増えたところでなんの意味もない! おい! お前達! やってしまえ!」


 やられる訳にはいかない。こんなにも応援してくれる仲間がいるんだ。俺は……生きたい。仲間と共に。

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