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第18話 共同対決(後半)

 相手はかのマフティ様だ。


 今はお互いに鍔迫り合いをし拮抗していた。


 譲れない思いがあるのだろう。マフティ様も。


 俺もそれ以上の思いでぶつかっていた。


 だが俺とマフティ様は本気を出せないでいた。


 だって間違いなく本気を出せば危害が及ぶかもしれない。


 そんな状況はいくらなんでも回避したくもなるだろう。


 それにしても未だに俺はマフティ様と鍔迫り合いをしていた。


「こないか。なら」


 マフティ様が先手を打つようだ。と急に俺の魔力剣が宙に浮いた。


 正確にいえば弾かれた。そのことで俺は一瞬だけあれ? になった。


 まるで浮かれたかのような雰囲気だった。だが俺はすぐさまに気が付いた。


 マフティ様は多分だが魔力剣に魔細工強化を施しているな。きっと発動したに違いない。


 ここからは拮抗が嘘のようにマフティ様の連続切りが俺をどんどん後ろに追い詰めていく。


「どうした? 君とあろう者が魔細工強化を知らない筈があるまい!」


 やはりか。マフティ様はまだ本気を出していないがそれでもこれは本気寄りだ。


 ちなみに俺の魔力剣はあれから魔細工強化を施してあった。だが使う当てがなかった。


 それも今や使わなければならない程に追い詰められていた。ちょっとずつだ。


 ちょっとずつ慣れていけばいいのだ。だから俺はちょっとずつ本気を出す為に魔細工強化を発動した。


「うん? その感じ。君も発動したか」


 発動した途端に鍔迫り合いが起きた。やはりほんの少しでも違えば弾かれて後ろに追い詰められるようだ。


「く。また振り出しかい」


 マフティ様。いや。それは違う。ここから俺は本気を出す為に更なる飛躍をする。それが……俺だ。


 つまりここからが本番だ。俺はすかさず剣技【速攻斬り】を発動した。するとマフティ様の魔力剣を弾いた。


 俺はこの一瞬の隙を突いて更なる強力な一打を加えようとした。それが身技【ジャイアントスイング】だ。


「うむ? は! う、動きが!? ぐ」


 それもそうだろうな。ジャイアントスイングはまるで巨人がハンマーを振り下ろしてきたかのような感じだ。


 これによってマフティ様の体勢が大きく崩れた。今が最大の好機と思い。俺はすかさず突きの構えをした。


 魔力剣の柄を右手だけで持ち後ろに引いた。後は魔力剣をそのまま前に突き出すだけだった。だが俺はここでひとつだけ失態をしていた。それは――


「甘い!」


 俺はこれで勝てると思い油断していた。つまり俺はなにもしないままただの突きをしてしまったのだ。どうやらマフティ様は見切る自信があるようだ。


 と次の瞬間。なんとマフティ様が風技【追い風の加護】を発動した。すなわち俺にとっては凄まじい逆風になっていた。ぐふ。こ、これがマフティ様の技か。


 このままでは間に合わない。俺は仕方がないので風技【追い風の加護】を再度発動した。すると風と風がぶつかり合い拮抗した。だがこれで不利はなくなった。


 それでも一瞬の隙で体勢を戻せたのか。マフティ様はなにやら今にも魔力剣を振り下ろしそうだった。不味い。このままでは互角だ。果たしてどうなる?


「うおおおおおお!」


 気付いた時にはお互いが吠えていた。お互いに譲れぬ思いが木霊となった。そして遂にお互いの魔力剣がほぼ同時に動いた。


「はぁ。はぁ。はぁ。……どうやら引き分けのようだね。これは」


 無我夢中に叫び魔力剣を動かした結果は引き分けだった。マフティ様は俺のおでこをギリギリで寸止めしていた。一方の俺はマフティ様の喉元に突き立てていた。


 危ない。本気以上になれば間違いなくお互いが傷付けあっていた。だがここまで接戦したのは人間で初めてだ。まさしくマフティ様は本物だ。流石は虹色の賢者だ。


 だが次は本気を出さない。ちょっとずつだ。ちょっとずつ慣れていくんだ。そうしないと不器用になって仲間に危害が及んでしまう。こうして切磋琢磨出来るのはいいことだ。


 俺達はこうして来るべき日の為に戦い続ける。ちょっとでも魔族に立ち向かえるだけの力を得る為に。もしかしたら死者が出るかも知れない。それでも俺達は覚悟を決めて立ち向かうことにした。全ては真の正義を貫く為に。

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