第13話 放課後の決闘
四対三か。三対三か。
答えは四対四だった。俺達のチームに新たに加わったのはなんとセルフィだった。
だがこれでは分が悪くないか。こっちには上等生が二人。いや。それを言ったら俺がいる時点でもう既に均衡は崩れているか。
そうこうしている内に俺達こと。俺。セシリー。マフティ様。セルフィが揃いも揃って放課後の決闘場にまでやってきた。
「ここだ。ここが決闘場だよ。さてと早速お出ましのようだね」
マフティ様の声が地味に響く。なんとも決闘場でなければ歌唱劇でもできそうだな。ここは。
「どうやら逃げずにきたようね! 四人共!」
アリルは気が強いな。何気にオーラは赤ですか。だが発光力はたかが知れているな。今後はどうなるのやら。
「ふん。そうでないと困る。でなければこの覇権が腐ってしまう」
なんだと? ダーディ達はそんなものの為に俺達をここに呼び出したのか。全く。信じられん奴らだ。
「覇権? なんだ? それは? そんなことよりも俺はただ一つ! 烙印光に復讐するのだ!」
はは。覇権よりもどうでもいいわ。ってそれよりもそろそろあいつの口を塞がないと大変なことになるかもな。やばいことに。
「うん? 烙印光? って! あの!」
アビィの表情が急に強張っていった。しかも言い終った後に凄まじくオドオドし始めた。ほう。こいつは他とは違うかもな。
「なによ? 烙印光くらい今時たかが知れているでしょう? なにをびびる必要があるのよ?」
アリルの言葉が俺の心に突き刺さる。悪いがたかが知れているのはお前達の魔力感知だよ。間違いなくな。
「そうだぞ。今時英雄並みになったら処罰の対象になって殺されるかも知れないんだぞ」
お母さんが言っていたことは本当なのか。だとしたら信用ができない奴の前では気をつけた方がよさそうだな。
「そうよ。そんな奴がいてご覧なさいよう。瞬く間にこの世界はその力を手に入れようと悪巧みをするわよ」
それもそうか。だが大丈夫な筈だ。なぜなら発光力を全て感知できるのはせいぜいマフティ様くらいだろうからな。油断は禁物だがな。
「そ、そうだよね? はぁ。無駄に疲れた」
なんだろうな。アビィはそこまで悪い奴ではなさそうだ。だが今は敵であることに変わりはない。見たところ平凡な氷使いのようだ。
「あのね! 戦う前から疲れないでよね? アビィ?」
ごもっともだ。こんなことで決闘が台無しになったら俺は拍子抜けするぞ。それにしてもここでギードとも戦えるとはな。なんとも幸運だ。
「おほん! ところで決闘場のルールは知っているな? お前達!」
お? 黄色いオーラを発しているギードが急に言い始めた。ちなみにギードは雷使いのようだ。ううむ。雷か。俺は無属性に近い聖だから関係がない。
「ああ。決闘場では場内で気絶した者や場外に出た者を失格とする。また仲間への攻撃は許可されていない。した者は退学と思え」
す、凄いな。そんなルールがあるのか。マフティ様。特に後半はきびしいな。って当たり前か。仲間に当てるほどに落ち零れた奴を俺は見たことがない。はは。
「それで? これは四対四のサドンデスバトルでいい訳?」
アリルがもういいと言わんばかりの態度だ。うーむ。もちろんだが勝ったらそれなりの対応に変わるんだろうな。この決闘が不毛なものにならなければいいが。
「ああ。それでいいだろう」
俺には分かる。マフティ様の発光力が。マフティ様はなんと虹色という珍しい色をしていた。しかもほとんどの属性が平均以上だということだ。なんとも恐ろしい。
「よし! 話が終わったな! それじゃあそろそろ開始するぜ? ……始め!」
始まったか。遂に。ちなみに始めと言ったのはダーディだ。ダーディのオーラは茶色だ。つまり魔法属性は土だ。うーむ。発光力はたかが知れている感じだな。
「なにしてるの?」
おっと。アリルの言葉で我に返った。アリルは速攻で俺を狙った。うむ。この攻撃は……火魔法【ファイヤーアロー】か。うむ。これは避けれそうにない。
「させない」
うん? おっと。今度はセシリーが水魔法【水竜王の加護】を俺に発動してくれた。よし。これならアリルの火はほとんど防げる筈だ。
「ふはは。馬鹿め。この俺様ことギード様の前で水魔法だと。ふん。これでも喰らえ!」
うげ。こいつの存在を忘れていた。ギードはそう言うとすかさず雷魔法【サンダーストーム】を俺に付与させた。ま、不味いぞ。これは。どんどん迫ってきている。
「解除する」
は、早くしてくれ! セシリー!
「させるかよ!」
なんということだ。俺が油断したばかりにこんなにも差が付いてしまった。ダーディがそう言うと土魔法【サンドミスト】を発動した。みるみる内に視界が悪くなる。
「これでどうだ!」
ダーディの姿が見えない。くそ。これじゃ解除しようがない。だれか早くしてくれ。これでは俺の身動きが取れない。
「悪いな。吹き飛ばさせて貰おう!」
うん? どこからか。セルフィの声がした。……お!? サンドミストが一気に吹き飛んだ? こ、これは間違いない。セルフィは風魔法【ウィンドバースト】を使ったっぽい。
「馬鹿な! 俺の魔法が!」
ダーディは知らないよな。セルフィは上等生の中でも上だと言うことが。しかも何度も言うがセルフィは精霊に愛されても可笑しくないくらいの実力の持ち主だ。
「皆! ここは一斉攻撃よ!」
アリルが指示を出した。それはもう的確だった。不味いな。このままだと一向に解除ができないぞ。ぐ。まず最初に狙ってきたところは褒めてやる。く。一斉攻撃がくる。
「させないよ」
え? あ! マフティ様が遂に動いた。敵の一斉攻撃後に虹魔法【レインボーベール】を発動した。瞬く間に俺達を覆う虹色のベール。すると全ての一斉攻撃を防いだ。
「今だ! 今すぐに解除するんだ!」
マフティ様の的確な動きのお陰で俺に掛かっていた呪いはなんとか解除された。ふぅ。一時はどうなるかと思った。さてさて今度は俺から行こうかな。さぁ。反撃の時だ。




