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タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


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74話 港町メルキューレ

 エトナの恥ずかしいハプニングがありつつも。


 昨日にシャオメイが言っていたが、農作物や畜産品の補充は出来なかったらしい。

 アンドリューさんが村長に話を伺ってみたところ、ここ最近の風土悪化のせいで、農作物や家畜にも悪影響が出ているらしく、とてもではないが物々交換が出来るほどの量は見込めない、とののと。

 つまりは食料不足になる可能性が高いと言うことだ。

 冬を越す際に飢饉が起きなければいいんだが……俺達ではどうすることも出来ない。


 朝食の後はすぐに片付けて出発。

 今日の昼頃には、港町メルキューレに到着する予定だ。

 これまでと同じく、俺とシャルルが先頭、アイリスとリーゼさんが後方、他の冒険者達が左右を守る形で、メルキューレへ向かう。




 珍しく道中で魔物や野盗と出会すことなく、スムーズに進むことが出来たおかげで、予定よりも少し早め――昼前頃にメルキューレに到着した。


 ここが、港町メルキューレか。


 港町と言うだけあって、何隻もの船が出入りする大きな町だ。領域の広さだけなら王都に次ぐくらいだろう。


 商隊長のアンドリューさんが門番に身分証明書や商隊の認定書などを見せて、その後で冒険者達はギルドカードを提示して、ようやくメルキューレ入りだ。


 馬車を指定の位置に停留させ、馬は厩舎に預けられてから、さぁ町の散策だ。


 ……だが、町の様子を見る限り、あまり活気があるとは言えない。


「むぅ……ここも活気がないな」


 アンドリューさんは、バザーの活気の無さを見て唸った。


「そうですね……ネオライトと同じように、町の人々の顔が暗いように見えます」


 アイリスも同感らしい。


「ここも、グリードみたいなのが幅を利かせているんだっての?」


 シャルルが率直過ぎる意見を挙げる。約束の先延ばしを繰り返し、屋敷に幽閉されるような生活をさせられていた身として、悪徳領主の存在は許せないのは分かるけどな。


「そうだね……アンドリューさん、今からの予定はどうなっていますか?」


 リーゼさんが、アンドリューさんに今からの予定を訊ねる。


「うむ、冒険者はギルドの方に所属登録を済ませた後は、自由行動にするつもりだったが……すまんが、所属登録を済ませたら、情報収集を頼みたい。ここ最近で港町周辺で何が起きているか、それ以前でも何か変わったことは無かったか、些細なことでも構わん、とにかく情報が欲しい」


 刻限は、夕飯準備前――夕方頃。

 昼食は各自で自由にと言う形で、アンドリューさんは早速露店へ聞き込みに向かった。




 俺、アイリス、リーゼさん、シャルルの冒険者四人は、この港町のギルドの出張機関である集会所へ向かう。


 大きな港町だけあって、ギルドの規模もそれなりに大きく、歓楽街のネオライトと違って、昼間から盛況――大盛況とまではいかないのは、町のどことなく暗い雰囲気に引き摺られているからか?

 ともかくまずは所属登録だ。


「冒険者ギルド・メルキューレ支部へようこそ。ご用件を御伺い致します」


 順番にギルドカードを提示して、所属登録をしたところで、リーゼさんが受付嬢に話し掛ける。


「ここ最近、メルキューレ周辺で何か変わったことは無かったかな?」


「変わったこと、ですか」


 そうですねぇ、と間を置いてから。


「ここ一ヶ月くらいから、急に海水温が上がったり、頻繁に霧が出るようになったり、あとは……領域内の植生物の数が減ったり。普通では起こり得ないことばかり起きていますね」


「……ここも、ネオライトと同じだね」


 加えて、メルキューレはネオライトと違って海に面した土地だ、海水温の急上昇や霧の発生も起きるとなれば、船の出入りにも影響が出るだろう。


「それと……海水温が上がったせいなのか、水棲の魔物も気が立っていて、現在メルキューレでは港を閉鎖しております」


 港が閉鎖されているだって?


「ちょっと待ってくれ、俺達はこれから帝都に船で向かう予定なんだ。船が出せないのは困る」


 思わず口を挟んでしまったが、これは聞き逃せない。


「困ると申されましても、周辺海域に危険がある以上、船は出せないとお達しがあります。……既に、魔物によって何隻も船が沈められ、人的被害も甚大なのです。どうか、ご理解をお願い致します」


「マジかよ……」


 なんてこった、それは困る。


「あの、魔物が被害の元凶なら、その討伐依頼は出ておりませんか?」


 アイリスが挙手する。

 魔物が相手なら、そいつを討伐すりゃいいのかもしれないが、そんな簡単なことでは無いから一ヶ月近くも悩まされているんだろう。


「討伐依頼は出ておりますが……討伐目標は、『シーサーペント』、推奨階級は金級以上です」


 シーサーペント!

 海上で出会ったら生きては帰れない『海の悪魔』とさえ恐れられる、海の生態系の中でも上位に位置する水棲の魔物だ。


「シーサーペント……金級の中でも特段危険なのが暴れちゃってるわけかぁ」

 

 リーゼさんは苦笑しているが……金級の中でも特段危険って、実質的に白銀級レベルじゃないか。


「推奨階級が金級なら、リーゼさんなら討伐出来るんじゃないすか?」


 シャルルはそう言うが、


「相手は海中にいるからね、船の上で戦うことになるんだけど。さすがに船を守りながらだと、私一人で戦うのはかなりキツいかな……一人でも討伐出来なくはないけど、確実に討伐まで運ぶなら、最低でも銀級の冒険者が、もう二人は欲しいところかも」


 現白銀級であるリーゼさんがこう言うくらいだ、一筋縄じゃいかないどころじゃない。

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― 新着の感想 ―
う~む。 こいつは厄介ですねぇ。 船にアイススケートの靴のようなブレードをつけて、そんでリーゼさんが海を、氷の高さを気にしつつ凍らせて行くとかの手段ならシーサーペント以上のスピードを……出ないかぁ。
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