↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

221/228

221話 エイルブルー家へご挨拶

 退院した (と言っても骨折複数箇所はあるが)日は身体の調子を整えるのに費やした、そのさらに翌日。

 顔の腫れもほとんど収まったのをみんなに確かめてもらってから、今日は俺とアイリスにとって大事な一日になる。


 それは――アイリスのご両親へのご挨拶だ。


 両親が息災かどうかは、俺がギルドの医務室でぐうたらしてる間に、彼女が自身の邸宅の方に直接出向いて確かめに行き――半年ぶりに両親と再会したと言う。

 両親はアイリスが王都から追放された時を同じくして (やはり根拠の無い濡れ衣によって)爵位を剥奪されたそうなので、日の目を見ることのない半ば幽閉生活を強いられていたが、生きるには過不足無い程度の暮らしはしていたようだ。


 アイリスは両親に、今の自分がどこで何をしているか――アンドリューさんの商隊の専属冒険者になっていることを話し、大変驚かれたようだ。そりゃそうだろうよ。


 俺のことや二人の関係も触りだけ話し、明日明後日には食事も兼ねて紹介したいと言っていたようなので、


 今日の昼前に至る。


 これからエイルブルー家の邸宅に向かうのは、俺とアイリス、それと商隊責任者としてアイリスを雇用しているアンドリューさんも同行する。


「緊張するなぁ……」


 いや、だって俺、どこの馬の骨とも知らんスラム上がりの孤児、それも (悪く言うならば)野蛮な冒険者だぞ?

 対するアイリスも今は俺と同じ冒険者とはいえ、親御さんからきちんと育てられた一人娘だ。

 彼女が俺のことをどう伝えたかは知らないが、まぁ多分きっと恐らく、色々脚色しているだろう。


「おぅどうしたリオ、ダンケルハイトにもアウラオーレにも怯まずに立ち向かっていた時の、勇ましいお前さんはどこに行ったんだ」


 アンドリューさんはいつも通り威風堂々としてるなぁ……


「さぁ、どこに行っちまったんですかね……いや、そりゃ緊張もしますよ」


 ある意味、ダンケルハイト (寝惚け)やアウラオーレと対峙する以上に緊張する。

 けれどこの戦い (?)は、武器も【タイム連打】もいらない、気持ちと言葉を誠心誠意ぶつけるのみだ。


「大丈夫ですよ」


 ドレスではなく、いつもの自分の旅服姿のアイリスは、大丈夫ですと声をかけてくれる。


「お父様もお母様も、リオさんにお会いするの、楽しみにしているそうなので」


「その、"楽しみにしている“って、額面通りの意味で合ってるよな……?」


 なんか怖い、すっげぇ怖い。

 だがいつまでも怖がっているわけにもいかない、俺も男だ、腹を据える覚悟は出来ている。


「では、行きましょうか」




 アイリスの案内で、王都の郊外辺りにある、年季の入った屋敷にたどり着く。

 ここがアイリスの自宅か。


 門番の兵士はアイリスの姿を見るなり、「お嬢様、お待ちしておりました」と一礼し、門を開けてくれる。

 俺は緊張して会釈しか出来なかったが、アイリスは慣れたように「ありがとうございます」と、アンドリューさんは機嫌良さげに「ご苦労さん」と言葉で労っている。


 ダメだ、ちょっと落ち着こう。深呼吸。


「すーーーーー……ふぅ……」


「リオさん、緊張し過ぎですよ。もっと顔の力を抜いてください」


「そうだぞ、せっかくのイケメンも仏頂面で台無しだ!」


 アイリスとアンドリューさんに笑われてしまった……仕方ないだろ、しょうがないだろ、俺だって緊張したくて緊張してるんじゃないんだ。


 玄関口を潜り、無駄に長い廊下を歩かされると、応接室らしい部屋の前まで来る。

 アイリスはドアをノックして、


「失礼いたします、アイリスです。リオさんと、商隊長さんをお連れしました」


 そう告げてから、きっかり二秒後にドアを開けると。


「おぉ、よく来てくれた」


「おかえりなさい、アイリス」


 貫禄ある男性と、ご夫人であろうアイリスに似た女性が、笑顔で出迎えてくれた。


「お父様、お母様、ただいま戻りました」


 アイリスも一礼を返してから、それぞれアンドリューさんと俺を指して。


「こちらが、私がお世話になっている商隊のリーダーのアンドリューさん。それと、こちらの方が……その、私の……こ、恋人の、リオさんです」


 アンドリューさんを紹介するのは流暢だったのに、俺のことを紹介すると恥ずかしがるアイリスがかわいい……


「お初にお目にかかります。私はアンドリュー、しがない商人です。ご息女様のことは、専属の冒険者として雇用させていただいております」


 アンドリューさんはさすがと言うべきか、よそ向きの声と言葉遣いで応じている。

 俺も……せめて、これだけはカッコつけないと。

 もう一度、深呼吸をして。


「初めまして、アイリスとお付き合いさせていただいております、銀級冒険者のリオです」


 厳密に言うと、俺とアイリスはまだ"付き合ってない“段階だが、もう実質付き合っているも同然なので、下手な言い回しはせずに真っ直ぐ答える。


「ご丁寧にどうも。アイリスの父の『ベルナルド・エイルブルー』です」


「同じく、母の『リコリス・エイルブルー』です」


 双方の挨拶を終えると、お母様のリコリスさんがテーブルを指して。


「積もるお話もあるでしょうけど、まずはお食事にしましょうか」


 テーブルに並ぶのは、貴族らしい小綺麗なランチ。

 テーブルマナーとかあまりよく知らないが……アイリスの真似をすればなんとかなるか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
勇ましいリオはどこに行ったかって? そりゃアンドリューさん、ダンケルハイトが遠慮なしで戦ったせいで空の彼方に吹っ飛びましたよ(ォィ そんで……いよいよ最終決戦その3(;゜Д゜) 乗りきれよ、リオ( …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。