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タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


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148/149

148話 第三皇女の狙いとは?

 それから、身体を綺麗にしてきたアイリスが宿屋から戻ってきて、用意していた手荷物と、ショーンさん宛のアンドリューさんの紹介状を渡し、商隊の栗毛の馬車馬を手懐けさせてもらって。


「それでは皆さん、行って参ります」


 アイリスは会釈をして、馬の手綱を引いて内門を潜っていく。

 門番も特に怪しむようなこともなく、「お気をつけて」と一礼して彼女を見送ってくれる。




 アイリスを見送ってから、馬車の停留地に戻ってくると、図書館で情報収集をしていたリーゼさんが戻ってきていた。


「お疲れ様です、リーゼさん」


「リオくんもお疲れ様、そっちはどうかな?」


「実は……」


 フリーダさんの事と、そのためにアイリスが一時商隊を離脱していることを話すと。


「第三皇女が、フリーダさんをねぇ……」


「何か、思い当たることが?」


 エトナは、リーゼさんが何か知っているのではないかと訊ねるが、


「んー……考えられるとしたら、第二皇女であるフリーダさんと、第一皇女を排除して、王位継承権を自分だけのものにする、とかかな。フリーダさんは騎士団長としての武力もあるから、一人にさせたところを……と言う、安直な考えで申し訳ないけど」


 それもそうだ。

 第一、第二皇女を物理的に排除してしまえば、王位継承は自動的に第三皇女であるリリナに決定する。

 しかしそれが露見すれば一転、"国家反逆罪”として認定され、逆にリリナ第三皇女が追われる立場になるだろう、諸刃の剣だ。

 だからこそフリーダさんを逃がしたリリナ第三皇女は、何としてでもフリーダさんを始末しての"証拠隠滅”を謀るだろう。

 やはりいち早くフリーダさんを国境線へ向かわせて正解だったかもしれない。後手に回っていたら国境線までリリナ第三皇女の手にかかっていたかもしれないのだから。


「ふむ……いやしかし、妙だな」


 ふと、アンドリューさんが腕組みした体勢のまま、そう呟いた。

 何が妙なのかと言うと。


「今、帝国と王国は一触即発の状態だ。いつ開戦するか分からない、不安定な情勢下だ。そんな中で下剋上のような真似をしてみろ、王位継承権は独占出来るかもしれんが、民意など絶対に得られん。そこを王国……いや、闇ギルドの連中に付け込まれたりしたら、どうなる?」


「……闇ギルドと言う犯罪組織が、リリナ第三皇女を神輿にして祭り上げて、帝国を裏から牛耳ると」


 エトナが考えたくもない未来を予想した。

 犯罪組織上がりの連中が国の運営を担うのか、市民からは連日デモや暴動のオンパレード、それの鎮圧と言う名の虐殺のマッチポンプを繰り返して、国を滅亡させるのが目に見えるな……


「だとしたら、リリナ第三皇女は最初から闇ギルドの連中とグルになってるってわけですか」


 大方、支持してやる代わりに国家予算を横領してもらうとか、そんな感じの"口”約束でもしているのかもしれないな。


「そう、だねぇ……より悪いように考えるなら、リリナ第三皇女は、闇ギルド経由でゼリウス伯爵とも繋がっているかも」


 そうか、ゼリウス伯爵とリリナ第三皇女の間を闇ギルドが繋げている可能性もあるのか。


 王位継承者と有力貴族が、闇ギルドの連中と一緒になって世界征服?冗談でも笑えねぇわ。「真実の愛を見つけた」とかなんとか言って婚約破棄でもしとけよ。


 フリーダさんの安全と、ショーンさんへの依頼はアイリスを信じて任せて、こっちはこっちで出来ることをやるしかないか。




 一方アイリスは、馬を走らせて――林の中に入るなりすぐに馬を止めた。


「お待たせしました、フリーダ姉様」


 馬を降りたアイリスが声をかけると、木々の隙間に身を潜めていたフリーダが顔を出した。


「ありがとう、アイリス」


「いえいえ。さぁ、急いで帝都から離れましょう。日が暮れる前に国境線に着くことは出来ないので、今晩は野宿になりますが……」


「構わないわ。むしろ、ここまで手を尽くしてくれて申し訳ないくらい」


 手綱をフリーダに譲り、アイリスはその後ろに乗る。乗馬経験はアイリスにもあるが、実戦的な騎乗技術はフリーダの方が遥かに上だからだ。


「ハァッ!」


 手綱を振るって鞭を打つと、馬は力強く嘶いて駆け出す。アイリスが同じことをしようとしても、こうはならない。


 バカララッ、バカララッ、バカララッと馬の蹄が街道を打ち鳴らす中。


「フリーダ姉様」


「なに?」


「私達は今、帝国と王国の戦争阻止と、ゼリウス伯爵の野望……邪龍ダンケルハイトの復活阻止のために動いてます」


「邪龍ダンケルハイトの、復活……ゼリウス伯爵はそんなことを?」


 フリーダもゼリウスのことを怪しいと踏んでいたが、今一つ尻尾を掴めないでいた。


「実はムイちゃん……商隊のお手伝いちゃんが昨夜、伯爵邸に忍び込んで、そこで聞いたようなのです。邪龍を復活、洗脳して利用し、王国の聖女と、聖龍アウラオーレを滅ぼすと」


「聖女と、聖龍アウラオーレを滅ぼす!?」


 そんなバカな、とフリーダは驚く。


「杞憂で済めば笑い話ですが、万が一そのようなことが実現したら、世界はめちゃくちゃになってしまいます。……フリーダ姉様、私達に協力してください」


「そうね……どのみち、私は帝都には戻れない。なら、あなた達のために力を尽くすと約束するわ」


「ありがとうございます、姉様」

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― 新着の感想 ―
もしホントにそういう陰謀だったら、なんて浅はかな。 その後の事を何にも考えてないね……それなりに、いろんな意味でえぐい末路を迎えそう。
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