表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイム連打ってなんだよ(困惑)  作者: こすもすさんど


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

132/149

132話 帝都キャピターレ

 アンドリューさんとエトナ、怪盗ハートクイーンの三人がいる馬車から、何だか怪しい空気を感じるな……多分アンドリューさんが、上手いこと言いくるめているんだろうが。


「……あっ。ねぇリオ、あれが帝都じゃない?」


 ふと、俺と並んで前方の護衛に就いているシャルルが遥か先を指差した。

 肉眼でギリギリ見えるかどうかだが……町らしきものが見えた。


「ようやく帝都か、ここまで長かったなぁ」


 ここまで来るのに色々と……いや、本当に色々あったが、ようやく帝都に到着だ。

 着いたらここまでの旅の疲れを癒しながらのんびり過ごそう。鍛冶屋にロングソードも預けるついでにと思えばちょうどいい。




 帝都の外門に着く少し前に、アンドリューさんはこう言った。


「もし怪盗ハートクイーンのことを訊かれても、知らぬ存ぜぬを貫いてくれ」と。


 口振りから察するに、どうやら……怪盗ハートクイーンを積荷の中に紛れ込ませ、密行させるつもりらしい。怪我人に無茶なことさせるなぁ。

 

 それはさておいて、いよいよ帝都入りだ。

 外から見るだけでも、王都ほどの規模はないが、それでもカイツールやメルキューレと比べても大きな都だ。


 門番兵に各々身分証やギルドカードを提示して、通してもらう。

 ……積荷に関して問われなくて良かった。仮に問われたとしても、アンドリューさんが舌先三寸で切り抜けるつもりなんだろうけど。


 ともかく何も問題なく帝都入りし、所定の場所に馬車と馬を預けて。


「それで、"彼女“をどうするつもりですか?」


 リーゼさんは、怪盗ハートクイーンのことを暗に指しながら、アンドリューさんに問い掛けた。


「ちょいと待ってくれ、状況を整理して、言葉を選びたい……」


 アンドリューさんは腕組みしつつ――然り気無く、周囲に聞き耳を立てている者がいないかを確かめながら――思考に更ける。

 ややあって。


「………………まずは勃発寸前の、帝国と王国との戦争を何とか阻止しなければならんな」


 自然と、商隊員全員の目がアンドリューさんに集まり、次の言葉を待つ。


「戦争勃発の原因となっているのは闇ギルド……その裏では、帝国のゼリウス・マーリド伯爵が糸を引いている可能性が高い」


 怪盗ハートクイーンや、フリーダさんが懸念していた通り、そのゼリウスとか言う伯爵が怪しいらしい。

 だが、確固たる証拠――尻尾を中々見せないようで、今糾弾したところでのらりくらり躱されるだけ、と怪盗ハートクイーンが言っていた。


「で、そのゼリウス伯爵の怪しい点だが……」


 アンドリューさんがそいつの怪しい点を指差し数えして見せる。


 ・奴隷の大量購入


 ・聖女伝説の関連資料の買い占め


 ・不審な男を自宅に招き入れている


 これらはフリーダさんが言っていた内容だが、これだけでは闇ギルドとの接点が見当たらない。


「問題なのは、ゼリウス伯爵の本懐が分からないことだね。最終目的が分かれば、もう少し深読みすることも出来るんだけど」


 溜め息混じりにそう頷いたのは、リーゼさん。

 それもそうだ、不審な男の招き入れはともかく、奴隷の購入や、資料の買い占めなんかは、最終目的から逆算すれば足取りを掴めるかもしれないんだ。

 すると、エトナが挙手した。


「わたしが【鑑定】すれば、それも判明するとは思います。ですけど……とても用心深い男でしょうし、簡単に姿を見せるとは思えません」


 エトナの【鑑定】スキルなら、それも一発で判明するんだろうが、姿の見えない相手までは読み取れない。怪盗ハートクイーンから【鑑定】した情報から逆算しても、決定的な証拠までは読み取れなかったようだし。


 すると今度はアイリスが手を挙げる。


「私がフリーダ姉様に口添えしてもらって、騎士団に強制捜査をさせてもらうのはどうでしょう?」


 白か黒かは後回しにして、疑わしいのでとりあえず調べてもらう、と言うのがアイリスの意見なんだろうが、横から口を挟ませてもらおう。


「どうだろうな、騎士団が介入して解決するような事なら、フリーダさんならとっくにそうしているだろう。袖通しで黙認されているとも思えないし、伯爵邸を捜査しても、"白“だったのかもしれないぞ」


 奴隷の購入履歴や書類なんかは上手く揉み消して、聖女伝説の資料自体は持っていても怪しくはない、不審な男のことは単なる客人だと何だと言ってのけているんだろう。

 俺がそう意見を挙げると、アイリスは「それは……」と口ごもる。


「ふむ、正攻法での攻略は厳しいようだな。何か搦め手が欲しいところだが……」


 何か良い手は無いものか、と唸るアンドリューさん。

 頭を悩ませる俺達。


「あー……あたしじゃ、頭使う方じゃ役に立たないっての……」


 シャルルからすれば、「なんかよく分かんないけど怪しい伯爵が闇ギルドと繋がって戦争を起こそうとしている」としか思っていないんだろうが、俺だって無い知恵搾って考えてるんだから、少しは一緒に考えてくれよ。


「夜にオ屋敷にコッソリ忍び込む、トカは難シイでショウか?」


 搦め手と言うか隠密行動案を挙げてくれるシャオメイ。

 悪くは無いんだろうが、騎士団の捜査すら躱すような相手だ、伯爵邸に忍び込んだところで何も得られない可能性も高いし、そもそもリスクが大きすぎる。


 やはりゼリウス伯爵の攻略は一旦諦めて、闇ギルドの方を何とかする方が先か……?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ううむ、これはなかなか難しい。 とりあえず忍び込むのはいいとして……中から何か騒ぎを起こせばもう一度家宅捜索させる事はできるか、とか個人的に思いますがさてさて。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ