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見届け人  作者: もやし
13/18

60日目

誤字脱字が沢山見つかっていますが、あとでまとめて修正します。

申し訳ありません。

両親の葬儀を終え、公一は3日ぶりに遺骨と共に自宅に帰ってきた。

乱雑に散らかっていた新聞などをまとめて放り込み、テーブルの上を簡単に片づけ遺骨を置く。


ソファーに座り込み、タバコに火をつける、涙が出るかと思ったが、どこか心が麻痺してしまったかのように感情が動かない。


「小さくなったなぁ・・・」


遺骨を眺めポツリとつぶやく。自分を信じてくれなかったという失望感もあるが、両親を放置していた自分の行動への後悔が強い。


4本目のタバコに火をつけた時、テーブルの上に置いていた携帯端末に着信を示すライトが点灯した。


一通のメール。差出人はアン。内容はたった一行。


― PCを起動しファイルを開いてください―


重たげに体を起こし、公一は自室のPCを起動させた。

デスクトップに見慣れない、アイコンが表示され右上に赤い○に囲まれた数字が表示されていた。


「そういえば、ゲートアプリを転送するっていっていたな・・・」


勝手にインストールされている点は気になるが、相手がアンだそういう事も出来るのだろうと納得する。


アプリを起動すると、上部に接続と書かれたボタン、下部にはログウィンドウが表示された。


接続ボタンは赤く表示され、クリックできない状態になっていたが、下部のログウィンドウには、バラバラの時間帯にいくつかファイルが送信されていた。


「1日1回しか外部に接続できない訳じゃないのか・・・」


どうやらアンは断続的に外部と接続可能な時間があるらしかった。


古いファイルから順に展開していく。

送信されたファイルは全て画像ファイルで全部で10枚。


「これは・・・ESEP細胞?」


画像には電子顕微鏡で撮影したと思われる細胞片が写っていた。

右下の時間表示を見ると同じ細胞を観察したもののようだ。


「いや・・・似ているが違う・・・なんだこれは、細胞が再生しているのか」


公一が発見したESEP細胞は、いったん固定化された細胞を再度、分化前の万能細胞に戻すというものだが、画像データは同じ万能細胞のようだが破損したものが元に戻っていることが示されていた。


「すごい発見だな。論文発表されていた記憶はないがどういうことだ?」


アンが何故、こんなデータを送って来たのか、どこで入手したのか気になりはしたが、画像が真実だとすれば、自分の研究に勝るとも劣らない大発見になる。


研究者としての性が出た公一は、時間が経つのも忘れて部屋にある文献などを引きながら様々な考察や推論をおこなっていた。


ポーン


軽い電子音がPCから流れ、画面を見るとアプリの接続サインが青く光っていた。


公一は急いで接続ボタンをクリックし、アンを呼び出す。


「これは一体なんなんだ!」


『申し訳ありません。今回の接続可能時間は5分です。2時間後に再接続が可能です。』


公一の質問を遮るようにアンの音声が流れる。


『ファイルを急ぎ送信しますのでご確認下さい。』


その言葉と同時に受信中の表示があらわれる。アンとの接続は切れたようで赤に変わっていた。


受信ファイルは多く、公一は5分間で受信終了するのか不安になったが、受信が完了したものから開いていく。


同じような画像データが多かったが、英語で書かれた報告書のようなものもあった。公一は画像は後回しにし、報告書に目を通す。



「・・・REVIVE?生き返る細胞ということか。臨床実験?極秘・・・」


報告書を読み進めていくうちに、公一の手は震え出した。


「ありえない。こんな事が許されるはずがない!」


報告書に書かれた、実験内容を読むうちにいいようのない怒りの声を上げる公一だったが、目は一瞬たりともモニターに映る報告書から逸らされる事はなかった。





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