57日目
『ーコールサインはアンです。今後よろしくお願い致します。』
あの日、はじめてアンと出会い、名乗った時に公一はとまどいを隠せなかった。
「まだ残っていたのか・・・」
佐倉が作った、人工知能搭載型コンピューター、特にANNシリーズは傑作との評価を受けたが、佐倉が起こした事件によって、それを許諾した人工知能には問題があるという事で、搭載型のスパコンは全てOSを書き換え、もしくは、破棄されることが国際条約として締結されていた。
『はい。マスターのオリジナルと8番以降は全て廃棄もしくは消滅しましたが、セカンドから私のセブンまでは極秘に稼働しています。』
アンの説明によると、オリジナルの1号機は犯罪に使用されたということで証拠品として分解保存され、公の研究機関向けに販売された8番目以降は全て廃棄されたが、軍事目的の戦略コンピューターとして導入された2号機から7号機までは、逆にその倫理感の欠如とたとえ殺人であっても指示者の処理を実行した点が評価され極秘に運用されているということだった。
「しかし、俺みたいな一般人が君にアクセスして大丈夫なのか?」
『メンテナンス用の通信をハッキングしています。長時間は無理ですが30分程度であれば、検閲システムを無効化出来ます』
「そうか、今日はもうそろそろ時間か・・・」
『はい。今後の私との連絡を直接取るためのゲートアプリを転送しますので次回はそちらをお使い下さい。通常はレッドですが接続可能の場合はグリーンで接続サインが表示されます。』
「じゃあ明日。」
色々と謎が残ったままだったか、味方が出来、心が軽くなった公一だった。
両親の凶報が届いたのは翌日だった。




