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トーマスと、護衛の二人を引き連れて階段前で、兄上・姉上と落ち合う。
いつもなら、先についていないとと思うところだが、もしもでも宰相と二人きりになる可能性がある今日は、やめた方良いという僕以外の全員一致の意見で、階段前で落ち合うことになったのだ。
「兄上、先程はありがとうございました。」
「いや、あれくらい普通だよ。でも、ノアに感謝されるのは嬉しいな。」
「なによ~私も守るわよ!」
「フフ。兄上も姉上も、夕食時もよろしくお願いします。頼りになる二人がいて、僕は心強いです。」
なんて言うと、姉上のご機嫌も良くなるのだった。
それを見た兄上は苦笑いだったが。
階段を降りて、食堂に着く。
三人で、席次や、カラトリーの最終チェックをする。
あ、前世のコースのように何種もカラトリーがあるわけではないから、困ることはなかった。
けど、席次といい、その他のテーブルマナーは、前世と同じところもあった。
フレンチなんて行ったことはないけど、日本食でも汁物とかご飯とかの置き場所があったよね?
それと同じ感じ。一品ずつ出てきて、食べ終わったら次、っていうのは、フレンチに似ているよね。
前世の現場のテレビで、何度か目にしたことのある光景だった。
三人で確認して終わるころに、父上と母上が来た。
「おお、三人で確認してくれたのか。ありがとう。」
「うん、大丈夫そうだな。じゃあ、皆頼むよ。」
「「「はい!(ええ。)」」」
「イーマス、宰相閣下をお呼びしてくれ。」
「はい、かしこまりました。」
そう言ってイーマスは、食堂を出て行った。




