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それぞれ席の前に立ち、イーマスと宰相の到着を待つ。
_コンコン_
ノックの後、「宰相閣下ご到着です」と、イーマスの声が聞こえる。
そして、従者によってドアが開けられた。
頭を下げ、礼をしながら待つ。
宰相が席の前に案内され、声をかけられるのを待つ。
「ありがとう。楽にしてくれて構わない。」
との声がけを受け、僕たちは顔を上げる。
ちなみに、父上を母上は、頭を下げていないよ。
宰相と辺境伯の立場は、同等だからだ。その婦人(妻)も、またしかり。
「まずは、この度の急な訪問にご対応いただき、ありがとうございます。」
と、父上を見て、それから僕ら家族を見渡し、頭を下げた。
「いえ、騎士たちも宰相閣下に激励され、モチベーションも上がったでしょう。」
「そう思っていただけると、幸いです。」
「どうぞ、お座り下さい。冷める前にいただきましょう。」
「ありがとうございます。では、失礼します。」
そう言って腰かけた宰相を見て、父上が目で座るよう僕たちにも合図をくれたので、座る。
おお、息ぴったり!全員一緒に着席☆
「神に感謝を。すべてに感謝を。」
これは前世で言う、”いただきます”だ。
父上が手を付け、宰相が手を付けたので、僕たちも食べ始めた。
「おお!これは。美味しいですな。」
「フフフ。お口に合ったようで、良かったですわ。」
よかった。これは、僕が料理人に指示して作ってもらったものなのだ。
だって、この世界の料理美味しくなかったんだもん。
出汁とかの概念も無しの、塩味オンリーだし、砂糖をめっちゃくちゃ使った甘すぎなお菓子とか・・・
食って大事だよ。衣食住の衣と、住はとても良いのに、食だけ最悪だったんだ。
だからすこーし、アドバイスしただけ、なんだけど。
我が家の料理人からは、神様のように崇められちゃっている僕。
なんて考えていることを、顔には出さず、もくもくと食べる。
「ところで、ご次男のノア様は、この間洗礼式を迎えられたのですよね。おめでとうございます。」
キ、キター!!
結構すぐに本題に入ったな・・・




