2話 雑談
2話 雑談
「さてと、まぁそんなかしこまらずに」
千春を花壇の上に座らせる
「どうせ本部でおんなじこと何度も何度も聞かれるんだから雑談しよ。」
「マスコミのせいで私の顔が全国に…」
だからさっきからキョロキョロしては顔を手で隠していたのかと思いつつ口を開く
「安心せい、マスゴミのヘリは半径5キロ飛行不可にしたし、規制線も二重に貼ってあるからここを撮るのは不可能だよ。」
基本的に私たちの装備などが外に出るとまずいので私たちが出動する時は飛行不可にするし撮影もほぼ不可能、報道規制をガチガチに引く。
「そうですか…ならよかったんですけど」
「さてと、雑談雑談〜」
同い年なので会話がしやすい
「趣味何かある?」
「強いて言うなら絵描きですかね…」
「絵描けるの!私も結構書くよ」
「何描きます?」
「オリキャラ描いてるよ〜見せたいけど私用スマホ置いて来ちゃった」
そう言って笑う
「え〜千春何描いてる〜?」
「ファンアートとかですかね…」
「へぇ…いいね。模写苦手だから羨ましい」
模写が苦手のオリキャラ得意という人間なので、ファンアートなどは全く描いたことがない
「そっかぁ……え?高校いつから行ってない?」
今は10月後半、いつから行ってないかは気になる
「…夏休み終わってからなのでちょうど3ヶ月くらいですかね」
夏休み明けから行けなくなるのはよくあるパターンだ。しかし夏休み中に母親が終焉の会にハマり、学校に行くことを許されなかったら…そう、これは雑談に見せかけた事情聴取なのだ
「なるほどね…ちなみになんで行ってなかったかとか聞いてもいい?」
聞いてみる
「……ちょっと今はまだ」
「そっか、わかったありがとう、話せそうな時に話してね」
どうせこの辺は0部隊の脳筋どもが聞き出すのだ。いずれわかる
「千春は友達とかいないの?頼れる人とか、その人は頼れなかったの?」
「母がカルトハマってからいじめられたんですよ私、無視だったりとか」
「…ごめん辛いこと思い出させちゃったね」
想像以上にえげつなかった
「それでも、1人だけ普通に接してくれた子がいたんです」
やばいやらかしたと思った。
「頼ればよかったんですかね?」
涙目でこちらを見つめてくる
「頼ればよかったかどうかはわかんないけど、その子は大切にしてあげて、あと泣きたいなら泣いていいよ」
「うわぁ、サイテー」
渚さんがメガネをかけながらいじってくる
「女の子泣かせるとかサイテー」
「それ男子に言うやつですよね、終わったんですか、現場検証」
「終わったよ〜帰るよ〜」
「わかりました〜ほら行くよ」
泣いてる千春を立たせて歩かせる
「大丈夫、怖くない」
そう言って背中を押す。
「…千春が?」
「うん、千春ちゃんが昨日終焉の会が起こした事件の犯人だった」
ちなみにあそこにいた人は千春以外全員射殺された。
「…そうですか、今千春は?」
彼女は浜田雫先ほど千春が言っていた祐逸普通に接してくれた人だ
「寝てる」
「えぇ…」
昨日あのあと千春を収容エリアの部屋を案内してから布団と着替えを渡したら2秒で寝た
「制服のまま?」
その後、千春に教えてもらった雫の連絡先から彼女に連絡をとり、学校帰りに連れて来た。明日は休みということで当直なので夜中は3人でパーリナイする予定だ。ペアは仁さんで許可ありなのでお菓子を用意してある
「制服のまま」
昨日来ていた制服のままガッツリ寝ていた。
今日は先生の会議らしく午前授業だったのもあり帰って来てもまだ寝ていた
「会えるんですか?」
「会えるよ〜てかそのつもりで来たでしょ」
「それは…はい」
千春と仲が良かったと言うことで、差し入れとかあれば持っておいでと言ったら見事お菓子と服を持ってきた
「じゃぁ、叩き起こしますかぁ」
ハエ叩きを取り出す
「一応言っとくけど誓約書書かせてね」
「あ忘れてた。ここで見た内容、話した内容を外部に漏らした場合、故意、故意じゃない問わず。聞いた人も全員逮捕、内容によっては国家転覆罪で死刑になる場合があるから気をつけてね〜あぁあと撮影、録音は禁止ね」
「死刑…怖」
「まぁ言うなってことね。サインしてね。あちなみにここ入った時点でサインしないと出れないよ」
「えぇ…」
「千春ちゃぁん、おーきーてー」
布団叩きでパシパシ叩く
「千春起きろ」
雫も参戦し、布団を引っ張る
「いやだ…寝る」
「ポテチ幸せバター味持ってきたよ」
「はい起きます…あっ…」
千春と雫の目が合う
「…しずくぅ」
「千春、ごめんね。なんもできなくて」
「いいんだよ…謝らなくて」
千春がそう言う。
「じゃ2人とも、おやつ開けてもらって、事情聴取兼雑談会しよ〜」
「…雫いるとやりずらいです」
「私は不必要と…へぇ…私はいらないんだ…」
「わかった。わかった。ヒスらないで、居ていいから」
「ありがと〜千春大好き〜」
雫が千春に抱きつく
「さてと、何から聞こう。生い立ち?」
「軽く自己紹介からじゃない?」
ちなみに私は身元を明かせない都合上、2人の前ではマスクをつける事にしている。
「わたしはパスで、私の身元は国家レベルの機密情報だから」
「やばい人と会話してるよね私たち」
「ね〜じゃぁ私から、千春の幼馴染で高校一年生、趣味は読者とゲーム」
「名前は?」
一番大事なところが抜けていた
「あ…名前は浜田雫、一応女子だよ」
「よろしくね〜」
「私は小鳥遊千春、犯罪者です」
「世間はこれを、自虐という」
雫がニヤッと千春を見つめる
「…うるさい」
千春がそっぽを向いてしまう
「趣味は?」
「もうなにも言わない」
「わかったから、ごめんて」
雫が千春を宥める…あーゆー幼馴染羨ましいなぁと思いつつ、2人のじゃれ合いを見つめる
「来てくれたから許す」
千春が折れて許しの言葉を述べた
「ありがとう!」
雫が千春の背中に乗る
「重い重い…やめて」
その時スマホが着信を知らせる音を出す。仕事用携帯なのでもう何故かは知っている。
「もしもし…」
『緊急事態発生、ブリーフィングルームに来い』
「ごめん、私抜けなきゃだから…身体検査したもんね」
「はい、金属探知機にかけられました」
「今持ってるのはお菓子だけ?」
「はい」
「じゃぁ2人ともここに居て、鍵かけるから」
「わかりましたぁ…家帰れますか?」
「雫は帰れる。なんか用事思い出したらここの電話機使って電話して、多分常に暇な5部隊がいるから」
情報収集部隊なので基本的に1人は必ずいる。
「で、状況は?」
「第五部隊潜入班から京城本線で刃物を使った小規模な無差別殺傷を行うという情報が入った。日時は不明だが今週中だそうだ」
「通勤通学の時間を狙いますかね…」
「わからない…お前pw持ってたっけ?」
※…pw プライベートウェポン、任務以外で護身用に携帯する拳銃などの小火器のこと
「持ってますよ。」
襲われた時すぐ出せるかと聞かれたらNOだ。
「どうします?」
「鉄道警察隊とctruに共有した。一応全車両2人体制は引けている」
「なるほど…どうするんですか?」
「要点をまとめてほしい、人が多く、密集しやすく狙いやすい」
「無理言いますねぇ…今からなら退勤ラッシュに間に合わせれますけど…」
そう言って鉄道の地図を出す
「私だったら無差別に刺すなら人が多い退勤ラッシュで尚且つ駅から駅の間の距離が長い駅を狙います」
駅から駅間の距離をネットで検索して移していく
「何故?」
「退勤ラッシュなら人は多いので沢山殺せますし、駅の間が長かったら長いほど、逃げ道ができるまでの時間が減らせます」
AIに算出させた距離と記憶時間を頼りに所要時間とこの間で自分なら何人殺せるからをマップに記入していく
「例えば平日の真昼間にわざわざやっても殺せるのはせいぜい数人です。でも、もしも退勤ラッシュでやれば同じ所用時間でも刺し放題殺し放題です」
記入が終わった
「成田湯川〜空港第2ビルが約12分、土曜日の夕方なら到着客は少ないだろうけどそれでも到着ラッシュのこの間は人が多いはず、警戒部隊をなるべく多めにお願いします。」
パソコンで電車のダイヤ表を出す
「印旛日本医大〜成田湯川も警戒数増設お願いします」
「根拠は?」
「40分に1本しか電車がないので、一本一本の人数が多いです。」
「わかった。それだけか?」
「まだ色々な情報合算すれば出てくるかもしれないですけどとりあえず今はそれだけです」
そう言って立ち上がる
「成田湯川駅から空港第2ビルまでの電車乗ります」
「了解」
そんなこんなでホームに入り空港第2ビル行きの電車に乗る。運用座れたので周りを観察しつつ携帯を出す。
(こちら菜月、問題なし)
メッセージを送り、スマホを閉じる。
ぐるっと見回す。あえて人が多く乗りそうな真ん中の車両を選んだため人が多い。椅子が空いててよかったと思う。
明らかに挙動不審な人が目に映った。
ちょうど乗ってきたお婆さんに席を譲り、挙動不審の男性の近くへ行く
目がキョロキョロしており、カバン等は持っていない、30代前半、平均程度の身長、スニーカーにパーカー、左脇が少し膨れている。ナイフや小型拳銃が入るサイズだろう
今回、ズボンと素肌の間に拳銃を隠すインサイドホルスターを付けているが、混雑している車内でぶっ放すのは不可能、念のため持ってきた特殊警棒主軸の戦闘になるだろう
『電車発車しますご注意ください』
発車ベルが鳴り電車が発射する。
『本日は京城電鉄をご利用いただき誠にありがとうございます。次は空港第2ビルです。』
電車がある程度加速した。もしこいつが動くならもうそろそろだろう。
「おらぁ!死ねぇ!」
後ろの方で悲鳴と叫び声が聞こえてくる。
そっちだったかぁ…と思いつつ腰から警棒を抜く
「武器を捨てろ!」
突如腰あたりに痛みが走る…さっき警戒してた男性もグルだったようで、私を最初に刺したようだ
「動くな!武器を捨てろ!」
周りは避難開始しており、車内の人数が少なくなっているが、それでも銃を使うにはまだまだ危険が伴う。
インターポールの機動部隊が電車内で発砲、流れ弾が乗客に命中かなどというニュースが流れようもんならctruの解体は確定する
「武器を捨てろ!警告だ!」
腰のあたりに血が滲んでいるのがわかる。
運良く軌道が逸れたようで、切り傷ができたようなので動けるが、傷は深い、2:1でただでさえ不利な状況なのだ。勝ち目が無くなった。
「武器を捨てろ!」
一応私たちは各自の判断で発砲が可能となっている。車内にいる数名を犠牲に脅威の排除は可能だ。
パーカーを上げてインサイドホルスターからg29を取り出す。
「動くな!武器を捨てろ!」
緊急停車は押されていない、おそらく情報共有も出来ていない、同じ電車に鉄道警察隊が何人乗ってる?乗ってたとして拳銃は携帯している?私服警官なら持っていない可能性だってある。発砲は?警棒で応戦?そもそもこの電車に乗っているのか?
そんな思考を巡らせつつ2人に拳銃を向ける
「これを見ろ!爆弾だ!5数えるうちに銃を捨てないと電車ごとドカンだ!」
カバン一杯に爆弾を全て突っ込めば、電車一台に穴を開けることが可能だ。
「わかった!捨てるから爆破しないでくれ」
銃を投げ捨てて両手を上げる
「車掌に停車しないように言ってこい、あぁ、もう言ってあるか」
おそらく車掌がいる車両でも同じようなことが起こっているのだろう。
「動くなよ!そのまま!じっとしてろ!」
上に来ていたパーカーを脱いで止血しつつ切り抜け方を考える。
2:1で負傷、武装はナイフと爆弾、リモコン式でおそらく車掌がいる車両のやつがリモコンを持っている
「何が目的なんだ?」
「聖戦なんだよこれは!国への宣戦布告なんだ!ここから空港を占拠するんだ!」
この先は成田空港第二ターミナルへ直結する空港第2ビル、外国人観光客を殺害して国際問題に発展させるのが狙いだろう。
おそらく車掌も現状報告が不可能な状態、駅に着いたらやり放題やるだろう
「撃つぞ!」
威嚇射撃で周りに伝えるか?いやどちらにしろ緊急停止はできない
「下がれ!」
ポケットの中の無線機のノズルを回す。頼む、送信モードになっててくれ
「何が聖戦だ!空港第2ビルで何をする気だ?その爆弾でも爆破する気か?残念だがその前に私がお前らを殺す」
タァンと誰もいない窓に威嚇射撃をする
「怪我人がなんか言ってやんの、お前ごときに俺ら終焉の会は止められねぇ!」
カバンからMac10を取り出す。
小型で発射レートがとんでもなく速い
「お前はここで死ね!」
その時車両の扉が思い切り開き、黒くて長細い物が宙を舞う
「大丈夫ですか!動くな!鉄道警察だ!」
おそらく同乗していたでだろう私服の鉄道警察隊が2人ニューナンブを構えて入ってくる
「車掌車におそらく4名!緊急停車ボタンを押しても無駄だと思います」
車掌を見張る人間と爆弾の運搬、ライフルなどを人数分運搬するなら4名が妥当だと判断した。
「了解、武器を捨てろ!」
1人は先ほど投げられた警棒が頭にクリーンヒットしたようで気絶している。
「クソが!」
扉を開けて逃げようとする背中に2発拳銃を打ち込む
「させねぇよ、成田空港第二ターミナルに避難指示および第1部隊3班の出動を要請します」
0部隊のみ非公開部隊なので、大衆の前では1部隊3班となっている
『了解、以後コールサインdとし、1部隊3班は直ちに成田空港第二ターミナルへ集合せよ』




