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一話 交渉

1話 交渉


「またですか…」

放課後スマホの電源をつけてニュースアプリを立ち上げていたら渚さんから電話がかかってきた。

『また…今月3回目、過去最多』

米露中軍事衝突後、国内の過激派宗教“終焉の会”が急速発達、1万人規模のテロ組織として国内外で散発的にテロを起こしている

「今日は?」

学校から本部は近いので状況把握しつつそちらに向かう

『銀行強盗、資金集めじゃないかな?』

電話口からガサガサ聞こえる

「とりあえず向かいますね〜」

そう言って電話を切る


着替えるのがめんどくさいので、ジャケットを脱いでネクタイを外してその上から防弾ベストを被り、腰にファーストラインを巻いてホルスターに拳銃を差し込む

「準備は?」

「出来ました」

マガジンケースをそのまま持ち出す

「ブリーフィングは車内で」

ちなみに、武器庫やら車庫やらは全て地下にあり、習志野駐屯地につながっているので、特殊作戦群との合同作戦でわざわざ合流する必要もない

「行くよ」

「了解」

全員揃って車に乗り込む

「銀行に四人で押し入ったようだ。交渉権はうちの部隊にある」

仁さんがそう言いながらタブレットを見せる

「作戦は?」

結城恒一ユウキコウイチが質問を飛ばす

「20:00までに交渉決裂した場合は突入する」

現在16:00、テストや提出物がない日なので別に何時でもいいやと思いつつ口を開く

「敵状況は?」

「4名とも拳銃所持、投降している場合を除き射殺許可をする」

「要は交渉決裂したら全員ぶっ殺せと言うことだな?」

ここで第0部隊一の脳筋三嶋大我ミシマタイガが頭のおかしい要約をする

「んまぁ…あってはいる」

そう言いながら仁が苦笑いを浮かべる

「着いたぞ」

全員が一斉に降りる


テントが銀行の周りに張ってあり、前線本部と呼ばれる場所に向かう。

ちなみに重いと言う理由でほぼ全員ヘルメットを被っていない

「突入班は第一部隊で、君達は交渉だ」

電話交渉かな?と思いつつ話を聞く

「現場に交渉人放り込め」

指揮者がとんでもないことを抜かした

「危険じゃないですか?」

「作戦に危険はつきもの、電話での交渉はすでに失敗している…それに君たちならそれくらい出来るだろ?」

出来る出来ないで行ったら出来るだろう

「やってやるよ!」

仁さんがそう言ってこちらを見る…あぁ終わったと思いつつ口を開く

「私ですか?」

「あぁ、放り込む」

おそらくこの中で一番頭の回転が速いであろう私が抜擢される

「…わかりましたよ。その代わり、今日の夕ご飯奢ってくださいね」

そう言って防弾ベストを脱ぎ、代わりにicpoテロ対策部隊と書かれたジャケットに袖を通す。

顔は元々布マスクで隠しているので問題ない

ちなみに正式名称は「テロ特別対処部隊」である

「行ってきまーす」

そう言って銀行に向かう


「私はインターポールテロ対策部隊日本支部の者です!敵意はないお話がしたいから出てきて欲しい」

スカートで来たことを若干後悔する。動きずらい

1人男性が出てくる

「何が目的だ」

両手を上げながら口を開く

「我々は争いを望んでいるわけではない。大人しく投降してくれたらお互い命の奪い合いをする必要はない」

これで成立するやつはそもそもテロを起こさない

「お願いします。どうか投降してください」

そう言って手を差し伸べる

「投降してくれた場合は拷問などは一切行いません、なのでどうか」

「うるせぇ!お前に何がわかる!黒澤さんの何が!」

銃を向けられたので一度下がる

「目的はなんですか?」

下がりつつ遮蔽物の影に隠れる

「最終警告だ!投降しろ」口調を変えて警告しながらホルスターから拳銃を抜く。

「だまれ!」

拳銃を男性が発砲する

「交渉決裂、突入」

これ以上は無理と判断したので突入と言うカードを切る

「動くな!」

裏口から第1部隊、正面から0部隊が入ってくる

「メインフロア制圧」

「金庫行く」

うちの部隊は金庫に行くことになった

「ほらっ」

拳銃をホルスターに入れると同時に大我が20式を投げてくる

「落としたらどうすんですか…銃口歪んだら責任取れるんですか?」

そう言いながらチャージングハンドルを引く

階段を降りる

「インターポールだ!」

「動くな!」

そう言って金庫を開けるために管理人の頭に銃口を突きつけてパスワードを開けようとしている少女に銃を向ける…下手したら中学生でもおかしくないほど幼かった

「人質を解放して!」

よくドラマで見る頭に拳銃を突きつけるシーンがあるがリアルで見たのは初めてだと思いつつ思考を回転させる

「人質を解放しなさい!」

ライフルから拳銃にチェンジして近づく

『交渉行ける?』

無線から仁さんの声が聞こえる。

片手を上げて応答する

「2人で話そう、武器を下ろしなさい」

仁さんたちが下がるのを確認しつつ銃口を若干下す。

「私は殺し合いがしたいわけじゃない、人質を解放してくれたらあなたを殺す必要はない」

そう言って徐々に近づく

「だから話し合おう、人質を解放してから」

「……わかった」

少女はそう言い放つと人質から手を離した

「こっちへ、早く」

人質を逃しつつ近づく、背中から撃たれたりする可能性もあるがそこはチームにカバーさせるので無視する…危機管理能力が皆無とよく言われるが本当にその通りだと思った。

「名前は?いま何歳?」

心開かせるためにまずは雑談から始める。

「千春…小鳥遊千春タカナシチハル、15歳」

若いなぁ…この年齢でテロリストとは…と思いつつ話を広げる

「高校生?」

「うん…でも行ってない」

「そっか、私は大学生だよ」

身元特定を防ぐために基本的に大学生と名乗っている

「千春はなぜこんなことに?」

銃口がうまい具合に下がって来ている

「…お母さんが変な宗教にハマって、私も無理やり入れられて、儀式に必要な宝石が貸金庫にあるから奪ってこいって命令されて…」

このパターンだろうなと思っていたがやはりそうだった。本人は悪くないのに親のせいで変なことに巻き込まれたパターン

「そっか、辛かったね」

寄り添いつつ拳銃を叩き落とす準備をする。残り2メートルちょい、格闘ならおそらく私が上だ。

「親から逃げれなかったの?」

「教団の寮に入れられたので脱走は不可能でした。脱走未遂で酷い目に遭った話も聞いたので…」

「そっか…うち来れば身の安全は保証出来るけど…」

逮捕した場合警察に引き渡すかCTRU(テロ特別対処部隊)本部地下にある収容エリアで管理するか選ぶことができる。

「…嫌です。どうせ拷問されて不要になったらゴミ箱ポイの生活です。」

「それはない、保証する。少なくとも教団の生活と同水準、もしくはそれ以上の水準の生活ができることを保証する」

ちなみにウチのチームは拷問も一部認められているが、菜月さんが嫌いなので菜月さんの地雷を踏まない限りやることはない…たまに仁さんが隠れてやってるが…

「毎日お風呂に入れるなら…」

マジでどんな環境だったんだよと思いつつ拳銃のスライドを掴む

「大丈夫、日本の世間一般水準の生活はできる」

「だからお願い、これを離して」

拳銃の銃口を逸らしつつお願いしてみる。

「……わかった。」

力が抜けて拳銃から手が離れる

「ありがとう」

ファーストラインの左腰についているダンプポーチに拳銃を入れ、その隣にある手錠を取り出す

「とりあえず、逮捕するね」

手錠を両手にかける

「仁さん逮捕できた〜」

「じゃぁ現場検証するから外に出しといて〜あぁ後事情聴取やっといて〜」

お久しぶりです。

書くのが楽しくこのサイトを開くのがめんどくさく、描き溜めだけ溜まっていきます。

面白いっすね

それでは、次回 二話 雑談

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