人面魚と人魚の旅は続く②
本編の203号室の人外さん
『35・あの子を捜して国外に』に出てきた
妖精のレシオンが出てきます
語尾に『〜』が付く鯉、鯉子
普通の話し方をする鯉、鯉未
丁寧な話し方の人魚さん
太陽が真上に登る頃、ハワイ、ホノルルに着いた彼女達はその海の透明度に驚いた。しかも、季節的に秋から冬に変わる時なのにも関わらず海の温度は他の海よりも温かい。
「綺麗ですね」
遠くの方に見えるビーチでは人間達は海に入っておらず、ただ単に犬の散歩をしている人やいちゃこらするカップルがクラゲの様にうようよといた。
「本当に綺麗〜」
彼女達は海面から顔を出してぷかぷか浮いているとビーチの方で小さな何かの軍団が宙で蜂のように飛んでいるのを見た。目の良い人魚が、その軍団を良く見てみると、なんと妖精だった。
「あそこに妖精がいますね」
「ええっ!本当に!」
「リアル妖精見てみたいわ〜」
好奇心で人目につかないようにビーチに近づき、彼女達はそっと妖精に声を掛けた。すると最初、妖精は見知らぬ顔に驚いて引いたが、人魚の顔を見るなり近寄って来た。
「失礼な妖精ね」
「人面魚も顔次第なのね〜」
「地獄の沙汰も金次第」
「あらっ鯉未、上手いこと言うじゃない〜」
なんと言うやり取りをしていると一体の妖精が彼女達に近寄る。
「オレはレシオン!お前達は?」
「鯉子です」
「鯉未です」
「人魚です」
順番に名乗る彼女達にレシオンと名乗った妖精はどこから来たのかを質問した。もちろんここはしっかり者の鯉未が旅をしていることと日本から来たと言うことを答えた。
「オレも日本から来たカッパって言う奴になら会ったことあるぞ」
「カッパ?なんでまたこんなところに」
カッパが何の妖怪か知らない人魚は鯉子にカッパの事を聞く。鯉子の説明は、体が緑色で気持ち悪く、ヌメヌメとした肌の蛙と人間を合成したような妖怪。そして、キュウリと人間の臓物が好きだと人魚に伝えた。
「お、おぞましい」
だが、レシオンが言ったのは鯉子のような気持ち悪いカッパではなく、命の恩人を捜しに来た見た目がバカっぽそうなカッパだと伝えると曖昧な答えをした鯉子を向く。
「ごめんね〜」
その目は怖がらせるなと言っているようだ。
「今頃、あいつは命の恩人に会えたのかな」
レシオンの一言は誰に聞かれることもなくその場に落ちる。すると、ここで鯉子と鯉未は何かをひらめいた様でお互いに顔を見合わせて一つの提案をした。
「だったら日本に行けばいいじゃないの〜」
「そうねぇ」
「確かに、直接確認した方が」
他の妖精達は彼女達の案に乗るかと思われたがレシオンはやんわりと断った。なぜなら…
「少しの不安はあるけどオレ、絶対にあいつが命の恩人と会えるって信じてるんだ。いや、そんな気がする」
自信満々に言うレシオンに鯉未はこれが漢同士の硬い友情なのかと昔いた高校の池で、とある生徒が言っていたのを思い出した。
「で、お前ら旅してるんだろ。オレらはハワイしか詳しくねぇけど良かったら案内するぜ」
「「「良いのですか!」」」
気さくなレシオンのご厚意に感謝しつつ彼女達はたくさんの妖精達に囲まれながら透明な海を泳ぎ、とある場所へと向かった。すると、妖精達の1匹が彼女達に話しかける。
「ねぇ、貴方たち釣り上げられたことある?」
「まだ、ないわ〜」
「その前に漁船が来たら人魚さんが教えてくれるし、食べるのは基本、海藻ばかりで間違っても釣り餌は食べたことないわね」
鯉未と鯉子から本当に人魚さんには感謝だわと褒められた人魚は照れているのか陶磁器の様な白い頬をほんのりと赤く染めてはにかむ。
「じゃぁ!人魚」
今度は別の妖精が人魚に聞く。
「人魚の肉を食べると不老不死になるのか⁉︎」
「なりませんよ」
さっきの頬を赤く染めた可愛らしい姿はどこへやら。真顔でしかも即答、しかも人魚の体の周りから薄っすらとどす黒いオーラ的な物が見える。この時、鯉子と鯉未と妖精達は人魚の肉についての話題は禁句であると本能的に悟った。
前のお話を少し書き直ししました




