対オルトロスは裏方の味
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毎度のことながら更新遅くてホントすいません
「死ぬうぅぅぅぅぅぅ!?」
「ぶもおぉぉぉぉぉぉ!!」
「おらあぁぁぁぁぁぁ!!」
死を直感し情けない声をあげていると、思わぬ助けが入ってくれた。牛のおっちゃんとファングだ。牛のおっちゃんがオルトロスの右足を弾きつつ刺さっている水の槍を押し込み、ファングが右側面に強烈なハイキック(ほぼ飛び蹴り)をお見舞いすると、オルトロスの体がくの字に折れた。おかげで火の軌道が逸れ、結果的に手の甲が焼けるだけで済んだ。
「すすすすすすいません、たたたたたたたすかりました」
「さっき助けてもらったからお互い様ブモ。とりあえず足の震え止めた方が良いブモ」
助けてもらったのはいいが、肝心の俺は死に直面した影響で膝が大笑いしている。意気揚々と手伝ったはいいが、まったく役に立たず助けられる始末だ。何とも情けない。
「邪魔すんなっつったろうがよぉ」
当然、そんなことをすれば不満を持たれる。ファングはオルトロスから目を離さない状態で冷たく言い放った。いや、冷たいとも言えない。その発言には感情がなく、微塵の関心も見られない。まさに無関心の状態だ。
「これがお前の目的かぁ?自分で足を引っ張ってオレ様たちが魔獣に無様に殺されんのを見てえんだろぉ?」
「そんなつもりじゃ──────────」
「お前にそのつもりがあるとかないとか関係ねぇ。オレ様は邪魔をするなと言って、お前は邪魔をしたんだよぉ。僕なりに頑張ったんですぅ、とでも言いてえのかぁ?そんなもの、糞の役にも立ちゃしねえんだよぉ」
これ以上お前とは会話をする価値もない、とでも言うようにファングはオルトロスへと向かっていった。
もちろん、俺は彼らの邪魔をするつもりなど毛ほどもない。しかし、結果的に邪魔をしてしまった。自分たちを妨げてきた人間にそんなことをされたらムカつくし、わざと邪魔をしたと勘ぐっても仕方のないことなのだろう。
「ファングはたまに凄く不機嫌になることがないこともないブモ。貴族様は気にしないで、休んでいてくれブモ」
そう言って、牛のおっちゃんも苦戦している戦いへと走っていく。先程の発言は俺を慰める為に言ったのではない。俺の機嫌を損ねて自分に飛び火するのが嫌だったのと、これ以上邪魔をして欲しくなかったから、フォローをしたのだ。
やはり俺は、信用されていない。
「そもそも、囮役が増えれば戦況が元に戻るって、俺がチーターのお姉さんの代わりになれるって発想がそもそもおかしかった。コンビネーションがうまい獣人たちの中に、連携が取れない奴が入ったってうまくいくわけないじゃないか…」
信用がない。連携も取れない。加勢しても足手まといになるだけ。なら俺はどうすればいいのだろうか。答えは簡単だ。牛のおっちゃんの気持ちを汲み取って休めばいい。そうすれば、ファングの反感も買うことはないだろう。そもそもファング達は手を貸してほしくないのだから、例え俺が手を貸さないことが原因で死んでしまっても何とも思わないだろう。
「だからって、何もしなくていいのか…?」
そうは言っても、状況は劣勢。このままいけば確実に全滅するだろう。チーターのお姉さんに絶対に倒すと意気込んでしまった手前、何としてでもオルトロスを倒したい。何より、獣人が全滅する姿を指をくわえて見ているだけなんて絶対に嫌だ。
では、どうするか。そもそもファング達も死にたいわけではないはずだから、手は貸りたいはずだ。だが連携が取れなかったり足手まといになる中途半端な奴の手を貸りるつもりはない。しかし、俺のように最近知り合った奴は実際に手を貸りてみなければ使えるかどうかなんて分からない。つまりは、結果的に助けられば良いのだ。逆に過程が良くても助けられなければゴミだ。欲しいのは目に見える足手まといより、裏方での補助。となると、俺が現在できる手助けは、目に見えない所からのサポート。
「囮役より難しそうだな…」
囮役もできなかったのに、出来るのだろうか。サポートということは、ファングたちが欲しいと思っている手助けを正確にこなさなければならない。まだ出会って間もない人の希望を汲み取って、サポートすることは出来るのだろうか。不安は多々あるが、やらなければならない。
絶対に誰一人欠かさず、オルトロスを倒して見せる。
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