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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
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睡眠少女は空腹の味

 あのネクロマンサーとの戦いから一か月が過ぎた。

 Eランクからのスタートとなった俺たちのチームは、討伐の依頼を中心に着々と依頼をこなしている。今のところは失敗もなく、良い調子で進んでいると言っていいだろう。


 そんな感じでテンポ良く進んできたため、五人で話し合い、今日は一日休みとなった。別名ではサボりとも言う。何故かといえば、ユリウスとダグラスがどこかに行きたいらしい。約半分の人数がいなくなっては依頼を達成するのも難しそうだし、何より順調に依頼をこなせているため、少しぐらい休んでもいいのではないか、という意見が上がったためにこうなった。


 なので、今俺はフリーだ。ユリウスとダグラスはさっさとどこかに行ってしまったし、ラッツとミーシャもいつの間にかいなくなっていた。俺は特に予定とかもないのでこれからどうするか悩んでしまったが、調べたいこともあったので今日は図書館で時間を潰すことにした。


 王都大図書館。この世界に存在する本の七割を所持しているという、世界屈指の大図書館。そこで調べようとしているのは、ネクロマンサーについて。常識的には、この世界では五つの属性の魔法しか使えないはずなのだが、この図書館ならば何かわかるかもしれない。と思っていたのだが。



「いっくら探しても死体を操る魔法なんてないな…。土の人形の方は出来なくもないけど、特にメリットがあるわけでもないし、何でアイツ土人形使ってたんだ?」



 午前の時間を丸々使って、色々な本を漁ってみたが特に何かが分かったわけでもなく、時間を無駄にしただけだった。土人形については多少分かったが、使うマナの量や動かす方法が面倒なのでメリットが少なく、寧ろデメリットの方が多い。

 ネクロマンサーの事を調べに来たのに、謎が増えてしまった。


 とりあえず昼飯時で腹が減ったので、昼飯を食いに行くことにした。この図書館には食堂もあり、安くて味も悪くないのでこの食堂目的で図書館に来る人も多いのだ。

 そしてその人気っぷりに恥じることなく、食堂は満員みたいだった。ガヤガヤと賑やかな声を聞きながら、空いてる席がないか探していると、妙な人を見つけた。


 壁側の席で、二つの椅子をベットのように使って寝っ転がっている。仰向けだが、手で顔を覆っているので顔は見えないが、着ているのが制服なのと、ネクタイが青いことから、学園の一年生だということが分かる。髪は黒く、肩まであり、体の線も細いので多分女の子だろう。



「すいません、そこの席空いてますか?」



 テーブルには何も置かれてないし、二つ使っている椅子を一つ貸してもらおうと思って声をかけてみたが、返事がない。ただの屍のようだ。そんなお決まりのやり取りを頭の中で思い浮かべながら、女の子の状態を確認する。

 規則正しく動いている控えめな胸、定期的に呼吸している艶やかな唇。どうやらこの子は寝ているみたいだ。流石にこんなところで寝るのはどうかと思ったが、寝ているのを起こすのは申し訳ないので、静かにその場を後に─────しようとしたら、ぐぅ~、とお腹が鳴る音が可愛らしく聞こえてきた。


 俺はため息をつくと、定食を二つ買いにカウンターに向かっていくのだった。

誤字・脱字がありましたら教えてくれるとありがたいです

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