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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
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自己紹介は閉口の味

「クロエカイチョーに認めてもらえるなんて、ハイラってもしかして凄い奴だったりするの?」


「てか俺にクロエさん紹介してくれよ!」



 結局、教室に着いてもパンダ気分が抜けることはなかった。教室に入るなり、ユリウスとラッツが寄ってきて、今はこうして尋問されているからだ。それに教室の中にも何人か中流、上流貴族がいたので視線が止むこともない。教室には入れる人数が限られている、という点が唯一の救いだ。


 ユリウスとラッツの追及をのらりくらりとかわしつつ、ミーシャ、ダグラスと話していると、いきなりマグ先生が入ってきた。その直後にチャイムが鳴り響く。入学式の日に見たときは適当なイメージがあったのからか、このクラスの連中は、チャイムが鳴ってもしばらくは来ないだろう、と高を括っていたようで、自席から離れている人数が結構な人数見受けられた。だが、そのことをマグ先生が注意することはなかった。



「はい、皆さんおはようございます。入学式の日に会ったので、自己紹介は特にしません。一時間目はクラス内で自己紹介をし合う時間になってますので、一人ずつ前に出てきて自己紹介をしてください。それが終わったら自由にしてもらって構いません。それでは、私は研究室にいるので」



 言うだけ言って、とても先生には見えないぼさぼさな頭を掻きながら、マグ先生は教室を出て行ってしまった。教室に入ってから出るまでの時間は十秒ジャスト。相変わらず適当な先生だった。これは予想だが、適当なマグ先生がチャイムとほぼ同時に来た理由は、一時間目が先生がいなくてもいい授業だったからではないだろうか。さっさと言うこと言って自分の時間を作るために、早く教室に来たのではないだろうか。もちろんこれは予想だが、そこまで的外れではない気がする。


 マグ先生がいなくなってからしばらくは入学式の日同様、軽い混乱状態に陥っていたが、一度体験したことだったためか立ち直りは早く、三分ほどしてからクラスメイトたちの自己紹介が始まった。


 自己紹介自体は悪くない。少なくとも一年は共に授業を受けるのだから、お互いのことを知っておいて損はないだろう。この自己紹介で、趣味や好きなものが同じと知った人同士が友達になることも少なくない。そう、自己紹介は決して悪いものじゃないはずだ。



「なんでクロエ会長に話しかけてもらえたの!?」

「クロエ会長と互角に戦えたって本当?」

「クロエさんを紹介してくれ!」



 だが、自己紹介が悪くないのだとしたら、一体何が悪いのだろうか。


 自己紹介は最初のほうは順調だった。簡潔に分かりやすく迅速に行われていたし、質問なんかも一、二個と、テンポよく進んでいたのだ。俺の前までは。

 俺が自己紹介をしようと前に出ると、話し声が一斉に止み食い入るように注目された。そのことにビビりながらも自己紹介を終えると、待っていたのは質問の嵐だった。もちろん内容はクロエ会長との関わりについて。正直、四十人近い人数が同時に質問しているため、俺が答える隙が無い。つまり、誰の質問にも答えられていないのだが、皆質問するのに必死で気付いていない。まあだが、このクラスには俺のことを悪く思っている奴はいなさそうだったので、そのことにはホッとすることができた。

 とりあえず、最初に答える質問は、ラッツの『クロエ会長を紹介してくれるかどうか』という質問になりそうだ。俺はその質問に対して、全力の蹴りで答えてやることにしよう。

深刻なネタ不足

このあとの展開はどうしようか…

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