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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
40/80

勝敗は曖昧の味

「お、起きた?」



 瞼を開くと、うっすらと光が目に差し込んでくた。どうやら室内に移されたようで、今こうして寝っ転がっている場所もベットの上みたいだ。目は開けているが、意識はまだ覚醒しきってていないようで、視界と思考がボンヤリしている。すぐ隣から聞こえてきた、オドオドしているこの声はミーシャのもの、というのは辛うじてわかった。おそらくミーシャが得意な魔法は水で、多少の治癒魔法が使えるか何かでここに居るのだろう。


 五分か、或いは十分かは定かはないが、しばらくの間ボーッとしていると段々意識が覚醒してきた。そして、少しずつ少しずつ理解していく状況。



「俺は負けたのか…」



 まず最初に理解したのが、そのことだった。俺の全力のパンチを腹筋で受け止めた場面、殴られただけでアッサリ腕が折られて地面に叩きつけられ宙を舞う場面、連打を防ごうと魔法を使うも普通にぶっ飛ばされた場面。それらの場面が次々とフラッシュバックしてくる。



(入学したばっかで格の違いを見せつけられるって、何か高校を思い出すな。ハッ、世界は変わっても、世の中はどこまでも現実の味ってことか)



 そんな感じに感傷に浸っていると、隣が妙にうるさいことに気付いた。目を向けてみると、ミーシャがなんかジェスチャーをしていた。手を上下にワタワタさせていることに意味があるとは思えないが、何かを俺に伝えようとしているらしい。よく聞いてみると、小さい声で何かを呟いていた。



「え、えっと、ハ、ハイラ君は負けたけど勝ったとゆうか、か、賭けは無くなったとゆうか…」


「…ミーシャ、言ってる意味が分からない。一回深呼吸して整理してからもう一回話してくれないか?」


「スーハー、スーハー」


「……………どうだ、落ち着いたか?」


「う、うん、ありがとう。えっとね、ハ、ハイラ君がクロエ会長に殴られて気絶した後にね、ク、クロエ会長もハイラ君の魔法に当たって気絶したの。そ、それでさっきクロエ会長は起きて帰ったんだけど、か、帰るときに『賭けは無しだ』って言って帰ったみたいで…」



 つまりこうゆうことか。クロエ会長は俺を殴って気絶させるも、俺の魔法に被弾して気絶。俺より早く起きると、賭けを無しに、実質引き分けにして帰った、と。

 ホッ、とした反面やはり悔しい。手加減されて引き分けだったのだ。こっちも全ての手を見せていたわけではないが、少なくとも全力でやっていた。もし、お互い全ての力を出し切って戦ったとしても、今の俺ではきっと勝てないだろう。



「…いつか絶対勝ってやる」

最近忙しくなってきて書くのがめんどくさくなっている今日この頃

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