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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
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交流会は波乱の味

 ラッツから話を聞いたところ、国王似のあの女の人は王様の二番目の娘、第二王女らしい。名前は『クロエ・レオンハルト』、この学園では生徒会長と言う役職に就いているようだ。何で知っているのか聞いたら、入学式で挨拶をしていたらしい。おかげで入学式の時にボーっとしていたのがばれてしまった。四人の視線がちょっぴり冷たくなったような気がしたが、きっと気のせいだろう。


 本来、王族の子女は優秀な家庭教師を何人も雇って城で教育をするため、普通ならば学園に通うことはない。しかしこのクロエ会長は、本人の強い希望により学園通いとなっている。第二王女というさほど重要ではない立ち位置も後押ししているみたいだ。


 そんな話をラッツから聞きつつ、パーティーで用意された貴族でも普段食べられないような高級料理を胃に流し込んでいると、前の壇上に、今まさに話の中心人物が立っていた。ここでも挨拶をするらしい。



「新入生の諸君、ファリス王都魔法学園にようこそ。私は高等部で生徒会長をやらせてもらっている『クロエ・レオンハルト』だ。この場で私の名前と顔を覚えてくれると嬉しい。さて、君たちはそれぞれ夢や目標を持って、この学園に入学してきたことだろう。この学園は非常に優秀だ。設備はもちろんのこと、頼れる先輩や優秀な指導者、効率の良いカリキュラム。この良い環境をどう使うかは君たち次第だ。努力をすれば、入学してきた時に持っていた夢や目標より大きな実績を残すことも可能である。是非、この学園に来たからには目一杯努力して、夢を掴んでほしい。この学園では、君たち一人一人が主人公だ!この国の為に精進せよ!私の挨拶は以上だ」



 クロエ会長が一礼をしてから、壇上を後にする。

 それと同時に、感嘆の声が漏れ、次第に感嘆は拍手に変わっていき、全ての感嘆が拍手に替わった時、会場は大きな拍手の嵐に包まれた。

 カリスマ性はしっかりと父親から遺伝されているらしい。このカリスマ性が評価され、中等部二年の時に生徒会長に推薦され、見事当選。圧倒的な人気でそのまま三年時にも会長になり、高等部にまでその人気っぷりが伝わったらしく、異例の高等部入学と同時に生徒会長になる、という快挙を成し遂げた。つまり、あの中等部入学式での挨拶が、クロエ会長の高等部での初仕事になるわけだ。



「やっぱりクロエさんはすげーな!なんかこう、オーラをまとってるっつうかさ!初等部まで名前が知れ渡るくらいだし、あの人は何か持ってるよ!」


「そーだねー。雲の上の人って感じだし、あーゆーのを天才ってゆーんだろーなー。ボクもあんな人になってみたいよ。あと、ラッツうるっさい」



 ラッツやユリウスの言うとおり、クロエ会長は俺たちとは一味違う存在だ。さっきの挨拶では顔と名前を覚えて欲しいって言ってたけど、この学園に居る人なら誰でも知っていることだろう(俺は除く)。

 そんな有名人にお近づきになれるとは思えないので、ラッツとユリウスの話は右から左に流して、食事を再開した。さっさと食べてお暇することにしよう。


 牛肉のステーキに舌鼓を打っていると、ふっ、とステーキに影が差した。誰か身長が高い人が俺の近くに来たらしい。ダグラスかなー、と思って顔を上げると、そこに有ったのは赤い二つの山だった。さらにその上を見ると、クロエ会長がこっちを見下ろしていた。


 どうやらこの交流会は、ただで俺を帰す気はないらしい。

ここまで見てくださっている、読者の皆様ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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