第二王女は父親似の味
辺りを見渡せば、金、金、金。上を見ればキラキラと光り輝くシャンデリアがあり、壁を見れば金ぴかにも関わらず、自分が一切の曇りなく映し出されている。窓から見える夜空と微妙にマッチしてるのがちょっとイラつく。よく見てみると、大理石の壁に金箔が張ってあるだけなのだが、どちらにしても莫大な金を使っていることに変わりはない。床は、大理石の床の上に赤絨毯が敷いてある。はっきり言って歩きたくない。この建物を建てた人は一体何を思ってこのなものを建てたのだろうか。きっと父上みたいな奴だろうけど。
何故こんな金の塊みたいな建物に居るかというと、事の発端は担任が消えた頃にまで遡る。
担任がいなくなった後、羊皮紙を確認してみると、そこには交流会についてのことが大雑把に書いてあった。貴族が多い学園なだけあって、行われるのは交流会という名のパーティーのようだ。書いてあったことはパーティーの流れと、会場について。
このパーティー、基本的には皆参加するようだが、参加を辞退する人も居る。代表的なのは平民の方々。実質はパーティーなので、貴族の人達はドレスやタキシードなど、この世界ではお高い服でこのパーティーに参加するのだ。なので、お金があまりない平民の方々はいつも通りの服装で行くしかないわけだが、いじめが大きな問題になっているこの学園で、パーティーに普通の服装で行けばどうなるかは火を見るより明らかだ。なので、このパーティーには平民はまず参加しない。平民以外で不参加の人は、大体がメンドクサイだの、人ごみが嫌い、という貴族だ。
俺も人ごみが嫌いなのでサボろうとしたが、ラッツとユリウスに無理矢理連れてこられた。
結果、俺は高そうな服を着て、こんな目に悪い場所に来てしまっている。でも羊皮紙には、場所は日本で言うコンサートホールのような所と書いてあったから、物静かな所なのかなー、と思っていたらこの有り様だ。日本での常識はここでは通用しないのだろう。
飯をさっさと食って、早くこの建物から脱出したいのだが、今は女子待ちの状態だ。ラッツとダグラスは既に先に来ていて、かれこれ三十分ほど待っているが一向に現れない。この世界でも女の子の身支度の時間は長いようだ。
ちなみに、ダグラスがこういうスーツみたいな服を着ていると、まるでヤの付く自由業の人みたいでちょっと怖い。半径十メートル以内に女子が入ってこないところを見ると、怖いと思っているのは俺だけではないようだ。
そこからさらに十分ほどして、ようやくミーシャとユリウスが到着した。ラッツは待たされたことに文句を言おうと、口を開いて、そのまま停止してしまった。おそらくミーシャかユリウスのどちらかに見惚れてしまっているのだろう。
ミーシャは露出の少ない、清楚で品のある青いドレスを身にまとっていた。髪は変わらずのストレートロングで、それがまた清楚さを際立たせている。
ユリウスはミーシャとは正反対の少々挑発的なドレスを身にまとっている。体はまだ発達途中なので、そこまで色気が出ているわけではないが、動きやすそうなドレスなのでユリウスにとても合っていた。
惚けているラッツに気付いたのか、ユリウスがニヤニヤしている。
「おやおや~ラッツ君、どうしちゃったのかな~?もしかして興奮しちゃってる?いやー、お子様にはこの姿はまだ早かったかな~」
「っ!?ふ、ふんっ!あの人の姿を見てもそんなことが言えんのか!?というか、どっちかって言うとお前の体型の方が子ども──────────いってぇ!?」
売り文句に買い文句。ニヤニヤしながら挑発していたユリウスに対抗するように、ラッツも挑発したが、ユリウスの強烈なローキックにより敢え無く撃沈。なんとも情けない図だ。
そんなやり取りを尻目に、俺はラッツの言っていた『あの人』と言うのを探していた。ラッツの指さしていた方向を集中的に見ていると、ある人物で目が留まった。
その人は確かにグラマーで、大人っぽかったが、俺が注目したのはそんなところじゃない。
その人はある人物に似ていた。あの、獣に似た偉大なる王、レオンハルト国王に。
いつでも感想・評価・レビューお待ちしてます




