↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
32/80

友達は中学デビューの味

 拷問のように長い入学式が終わった。この暖かい季節に加えて、永遠にも感じる校長の話はまさに子守唄。この二重の罠に耐え切れず、寝てしまう生徒が続出──────────はしなかった。周りを見渡す限りでは、俺以外に眠そうな生徒は一人もいなかった。初等部同様、お喋りもせずに黙って聞いている。一体どんな教育をしたらこんな風になるのだろうか。


 入学式が終わると、以前と同じように寮に案内された。今回は、一人部屋だった初等部とは違うために寮が変わる。寮は二人部屋になり、他の生徒と共同生活をしながら暮らすようだ。変わる理由は、連携の重要性を学ぶためとかなんとか言っていたが、あまり効果があるとは思えない。まあ面白そうではあるので別にいいのだが。


 俺はいつも通りぼっちのまま寮に向かっていると、誰かに肩を叩かれた。嫌な予感がしつつも後ろを向くと、やはり朝のチャラ男がそこに立っていた。この男はよっぽど暇なのだろうか。それとも俺はコイツに目を付けられてしまったのだろうか。



「おい、ハイラ!なんで朝は逃げたんだ!?」



 また風を使って逃げようかなー、と思いつつ歩いていると、チャラ男の周りに、小さな女の子にやたら背が高くてガタイの良い男、スポーツ少女という言葉がしっくりくる女子が一緒に居るのに気が付いた。

 チャラ男以外の三人どこかで見たことあるなー、と思っていたが、初等部の時によく話していた四人組の内の三人に似ているのだ。というか、本人だろう。


 小さい女の子の名前はミーシャ・ハイローズ。この女の子の特徴と言えば何と言ってもこの低身長。百三十もないのではなかろうか。髪型が、初等部の頃は目を覆うくらい髪が長かったのだが、今では目が出るくらいまで短くなっている。そのせいか、雰囲気が違っていて一目では知り合いだとは気付けなかった。

 背の高い男の名前はダグラス・ヴォルビー。腕が一回り大きくなったところ以外は、この男の外見に変わりはなかった。相変わらずの怖い顔に高い背とガタイのせいで、威圧されているようにしか感じない。普段、ダグラスの周り半径三メートル内に女子が入ってくることはまずない。用があってもあまりお近づきにはなりたくないのか、逃げる体制で接しられている姿を見ると泣けてくる。とりあえずツンツンヘアーを下ろせば少しはマシになるのではないか、と俺は思う。

 最後のスポーツ少女は、外見が初等部とは正反対だ。おそらく内面も正反対になっていることだろう。この少女の名前はユリウス・ファクター。家庭の事情で初等部の時は男装、男の子としての振る舞いを心がけていたようだが、今ではしっかり女の子になっている。スカートから見える健康的な太ももが眩しい。

 本当ならここにあと一人いたはずなのだが、今日は休みなのだろうか。あの茶髪の色合いが結構好きで、久しぶりに見たかったのだが。


 そういえばチャラ男の髪の毛も茶髪だ。



「…お前もしかしてラッツ?」


「ほらー、やっぱりボクの言った通りじゃん。こんな変わったらフツー分かんないよ」


「いやいや、それで良いんだって!何のためのイメチェンだと思ってんだよ!」



 上から俺、ユリウス、そして四人組の最後の一人、ラッツ・スカータッドの順だ。


 初等部の頃のラッツは大人しそうな男の子で、少し暗めの茶髪だったのだが、今ではすっかり性格も髪の毛も明るくなっている。

 これは、あれか。高校デビューならぬ中学デビューか。

高校デビューを失敗すると漏れなくぼっちの称号も付いてきます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。