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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
2章 少年期=学園生活
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チャラ男は空気の味

「いつ見ても圧巻だな…」



 現在位置、ファリス王都魔法学園転移所。目の前には大きな町が広がっていた。これで学園のほんの一部だというのだから驚きだ。

 転移所は、転移してから目的地までスムーズに行けるように高い所に作られており、転移してくるとこうして学園を一望することが出来るのだ。


 そんな絶景に後ろ髪を引かれつつも、俺は入学式の会場である訓練場に向かうことにした。当たり前だが、二年前と何も変わっていない。

 中世風の建物、レンガで舗装された道、周りは学生ばかりで、中世のようなのにかなり華やかな印象を持たせる街並み。初等部の頃は所持金が少なかったために、あまりここの施設を利用する機会がなかったが、中等部は依頼を受けるためお金が手に入るのだ。なので今度娯楽施設を利用してみることにしよう。


 あそこ面白そうだなー、ここは今度来てみよう、とこんな感じで施設を観察しつつ歩いていると、段々人通りが多くなってきた。訓練場が近づいて来たようだ。やはりエスカレーター式なだけあって、周りはすでにグループで固まって目的地に向かっている。元々友達が少なかった上に、初等部四年目に入る前に学園を去ってしまった俺の周りには誰も居ない。傍目から見れば完全に浮いていた。



(いやいやいや。今はちょっと浮いてるかもしれないけど、そこらじゅうに居るグループに混ざろうと思えば混ざれるしぃ、まあ今は一人で居たい気分だから行かないけどぉ。明日から本気出す、って前にもこんなことあったような…?)



 こんなくだらないことを真剣に考えていたせいか、肩を叩かれていることに気が付かなかった。二、三回肩を叩かれてからようやく気づき、後ろを向くと少しチャラそうな男が立っていた。



「よう、ハイラ久しぶりだな!なんか四年生になったあたりから見かけなくなったけど、どうしてたんだ!?」



 はて、この男は誰だろうか。何か妙に馴れ馴れしいし、知り合いなのだろうか。だが顔は覚えてもなければ、見たこともない。

 もしかして新手のカツアゲか何かか、と考えた俺は無視することにした。周りには人が大勢いるし、手を出してくることはないだろう。



「え、無視!?おーいハイラさーん、聞こえますかー!?」



 鬱陶しい。そう思った矢先、チャラそうな男が後ろを向いた。誰かに肩を叩かれたようだ。この隙に俺は走ることにした。



「あ、ちょ、待て、って早!?」



 追いかけられることも想定して、俺の背中に向かって『魔法』を当てた。使った魔法は風の魔法で、追い風を作りだして加速しているのだ。結局、このスピードには追い付けないと思われたのか、男が追ってくることはなかった。

徐々に評価してくださる人が増えてきてほっこりしてます

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