↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
29/80

後日談は上々の味

 この騒動から一ヶ月ほど経った頃に、本当に父上が帰ってきた。もちろん、平然な顔をしながらだ。しかも帰ってきて早々、また領民から物資を巻き上げようとしていたらしい。ここまでくると怒りを通り越して笑ってしまった。一体この男はどんな教育を受けてきたのだろうか。

 それと、父上の貴族権と母上の準貴族権が入れ替わったと知った時の父上の顔にも盛大に笑わせてもらった。まさにハトが豆鉄砲をくらったような顔だ。状況が呑み込めてくると徐々に呆け顔から怒り顔に変わっていったが、爺やがナイフをチラつかせると大人しくなった。なんと情けない男だろうか。

 

 母上に実権を奪われたために、今父上はニートのような感じだ。やることがないためかメイドさん達にちょっかいを出しているが、まったく相手にされていない。まあ、使用人も父上が居なくなってから一新して、能力とやる気重視で雇ったから真面目な人が増えたのもあるし、以前は金を払ってメイドさん達に手を出していたようだから、金が手元にない今では誰も相手にしてくれないのは当然の結果だ。

 家ではそんな感じなので、父上は毎日部屋に籠ってふて腐れながら生きている。これを期に丸くなってくれると嬉しいが、あの性格だしそうはならないだろう。


 俺はと言うと、この騒動が終わっても学園には戻らなかった。もうすでに学び終えていることを、初等部にいる期間一杯まで使って行うことをすでに知っていたから、どうしても行く気になれなかったのだ。中等部にはエスカレーター式で上がれるが、一応試験はあるらしく試験の日だけは行ったが、その日以外は家で過ごしていた。これじゃニートになる前とあんまり変わらないな、と思ってしまったこともあったが、これは引きこもりとは違うだろう。違うと信じたい。

 ちなみに試験の結果は、上位五十位以内の優秀者枠の中に俺の名前があった。


 母上も頑張っている。権利が入れ替わったばかりの頃は何もわからず四苦八苦していたようだが、爺やの手助けもあって今は何とか形になってきていた。

 

 母上が領主になってからは領地も安定してきた。父上のせいで枯渇していた領民の懐具合も今は潤いつつあるし、治安も良くなってきている。母上は領主としての知識は無かったが才能はあったらしく、税は領民も納得する値段と俺たちが生活するのに困らない値段を見事に両立させ、作物が不作や豊作になるときの見極めなんかも絶妙だ。母上のおかげで没落から下流貴族にランクアップも出来た。これならあと数年もすれば、どこに出しても恥ずかしくない領主になることだろう。そうなったら俺も母上から知識を授けてもらうことにしよう。


 そんな感じ二年が過ぎ、俺の幼少期は幕を閉じた。

次からは第2章となります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。