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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
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権利は夫婦円満の味

 貴族権と準貴族権と言うのは、言ってしまえば夫婦でどちらの方が立場が上か、というのを明確にする制度である。一時期、夫婦で意見が割れ、お互いに好き勝手に政策を決めてしまい領地が一時的に混乱状態に。それに呆れた領民が次々と他国に移住してしまう、という事件が起きたのでこんな制度が出来てしまったようだ。

 この制度が出来た当初はこの権利を巡っての争いが絶えなかったそうだが、今では夫が貴族権、妻が準貴族権というのが一般的になっている。それに合わせてアースタック家も権利を取り決めたそうだ。というのも、この制度が出来てから学校なんかでも男が政策などを学んで、女が補助全般を学ぶ、という教育方針になったのでこんな感じになったらしい。

 とは言っても、この権利は結婚する際に家の大きさなんかでも決められているみたいなので、あくまで一般的にはだが。


 とりあえず無事に俺の願いは聞き届けられ、父上と母上の持っている貴族権と準貴族権が入れ替わった。あの父上のことだ、今回の事が不問になったと聞きつけたら平気な顔をして戻ってくることだろう。まあ、帰ってきても前のように好き勝手は出来ないし、少しは大人しくなることだろう。

 それにしても国王の言葉は偉大だった。普通は夫婦二人の了承を得たうえで役所に行き、そこで色々手続きを踏んでから入れ替わりが成立するのだが、入れ替えろ、の一言で面倒な手続きがおしまいになるって羨ましすぎる。夏休みの宿題とかその力使って無しにしたい。


 まあそんなことはどうでもいいが、こうして俺の初親孝行は成功に終わった。慣れないことをして疲れたのか少し眠い。この後は屋敷に帰るだけだし、ゆくっりすることにしよう。





          * * * * *





「頭は回るが、実戦経験が少ないな。視線だけであんなになっちゃこの先不安だぞ」


「国王様の視線に子どもが耐えられるはずがありません。周りを見渡しただけで済んだのですから十分に評価すべきです」


「ま、どちらにせよこの国の人材不足は深刻だ。アースタック家の当主みてーなやつが急増してるからなー。少しでも優秀だと思ったら一応囲っとけ」


「了解いたしました、国王様」

 

視線の正体は国王様でしたー。強面の人には見られただけでも怖いです…

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