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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
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選択は命懸けの味

「もう一度聞くぞ。お前たちはどうやって金を得た?」



 俺も母上も何も言わなかったためか、レオンハルト国王は同じ質問をしてきた。このまま沈黙するのは得策とは言えないだろう。この世界には黙秘権なんてものはないし、部屋の端に控えている兵士たちが殺気立ってきた。このまま黙ってたら首を跳ね飛ばされそうだ。



「屋敷に有った骨董品などを売って金を得ました。父上は高い価値を持つものを自室に蓄えていましたので」


「金貨百枚稼げるだけの財産があれば金を強奪しなくてもまだやっていけただろう。その収入はほんの一部のはずだ。金を得るために他に何を売った?」



 あっさり嘘を見破られた。しかもどうやって金を得たのかも検討をつけられたっぽい。これだから頭の良い奴は嫌いだ。

 俺がどうやって切り抜けるか考えている最中、レオンハルト国王は母上に質問をぶつけてきた。



「お前の息子ばかり話そうとしているあたり、今回の事の中心はソイツだろう。自身の行いを俺の前で話すことはツラいだろうし、親であるお前の口から話してやったほうがいいんじゃないか?」



 一つの嘘から次々と真実を見つけられている。服が冷や汗で湿って気持ち悪い。今、俺が口を開いても、想像できるのは次々と隙を突かれて結局本当の事を話す結末。脳はすでに諦めているのか、徐々に思考が低下していのが実感できた。

 ここで母上が、レオンハルト国王の問いに答えた。これが俺にとっての最後の頼み綱だ。



「はい、その通りです。今回の事は息子がやりました。ですが、私の口からそのことが出てくることはないでしょう。・・・親である私は、何一つできませんでした。ハイラは頑張って、小さい頭を一生懸命使って、そして金貨百枚という大金を手にすることに成功しました。それも、夫のように汚い手段ではなく、まっとうな手段で、です。私を救おうと一人で頑張ってくれたんです。ハイラは私の自慢の、愛しい息子です。その息子の判断なら私はどんな結果になろうと文句は言いません。ですので、全ての判断はハイラに任せることにしたんです。みっともない親ですが、見届けることぐらいはしてやりたいんです。私の言いたいことは以上です」


「…そうか。では再度問うぞ、ハイラ・アースタック。これが最後の質問だ。お前は、どうやって金を得た」


(母上。良いか悪いかと聞かれて『普通』と答えるのが日本人です。つまりは言い切ることの責任から逃げたくて中途半端な答えを出すんです。そんな人種に責任を任せるのは悪手ですよ。ほら、兵士の方々が腰に提げている剣を握り始めたじゃないですか。今すぐ逃げ出したい気分ですよ。・・・ですが、母上はみっともなくはないですよ。立派な親です。あなたを救って、それを証明して見せましょう)



 これで選択を間違えれば、間違いなく首が宙に舞うことだろう。だが不思議と、冷や汗は止まっていた。

今回はちょっと長めです

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