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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
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国王は獣の味

 部屋の全てが白に統一された清潔感のある大部屋、所謂王室。天井にはシャンデリアが吊るされており、床には赤い絨毯じゅうたんが敷かれている。絨毯は見るからに高そうで、土足で踏むのを躊躇させるほどだ。そんな豪華すぎる部屋に、俺と母上は佇んでいた。


 母上が呼び出しされたときは屋敷中大騒ぎになった。もちろん悪い意味でだ。その日のうちに対策会議が開かれたが、バックれるだのお金をさらに積んで見逃してもらうだのロクな意見が出なかったので、結局最低限の処置として俺が同行して出てきたわけだ。ちなみに、王都からの命令を無視すると見事に犯罪者になれる。



「それで、お前らはどうやって金を得た?」



 同行してきたはいいがこの場を切り抜ける手立ては整っていない。なので即席でも考えようとしたところでこの王室の主、この国を統べる王である『ガダル・レオンハルト』国王がいきなり本題を切り出してきた。


 俺が想像していた国王と、このレオンハルト国王は大きく異なっていた。初めて目にした上の立場に立つ人間が父上だったせいか、この国の国王はいかにも卑しそうで丸々太った豚のような人間を想像していた。事実父上からの賄賂も受け取っていたし、罪を帳消しにするための条件を金にしたところからも、結構金にうるさいことは確かだったはずだ。だが目の前で王座に座っているこの男からはそういった醜悪さがまったく見受けられない。

 レオンハルト国王の容姿は、身長はおそらく二メートル近くあるであろう高身長。来ているものも鎧なようなものを着ており、鋼で包まれている胴体から伸びている二の腕はこの上なく鍛えられている。兵士に混ざっていても何ら違和感はない。顔を見てもその力強さが伝わってくる。何より目に付くのが歯が見えるときに一層目立っている犬歯。この犬歯がこの人物を獰猛どうもうに見せている。絶対この人はオールバック以外は似合わないだろう。


 そして、この人物と対峙するときに強く思うのが威圧感の強さ。見られているだけで襲われんじゃないか、と思うほどに空気を固くしている。普通にしていても白いのに母上の顔色が、心なしか青い。あと、この人を見て俺は初めてカリスマ性、というのを理解できたような気がした。


 この人は温室育ちの貴族たちとはまるで違う。この人を一言で表すならならば俺は間違いなく、こう断言する。


 獣、と。それも中途半端なモノではなく、それこそライオンのようだ、と。

イケメン国王のおなーりー

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