学園はぼっちの味
王都に着いてから数日で魔法学園の入学式があった。一つ分かった事は、校長の話しはどの世界でも共通でとてつもなく長いということだ。だが、どんなに話しが長くても誰も一言も喋らなかったのには驚いた。日本では中学、高校と成長しても、集会なんかではお喋りが多くて怒鳴られる、なんて光景は日常茶飯事だった。そういう意味では教育がよく行き渡っていると言えるだろう。
しかし、やはり集団というのは問題が起こりやすい。この学校も例外ではなく、問題は多々あった。
一つ目は個人的な事なのだが、まず目に悪い。入学式は体育館的な所でやったのだが周りは貴族ばかりだったので、まー豪華な服やら装飾品やらがキラキラとよく光っていた。あれは絶対目が悪くなるだろ。
二つ目は、この学校は王都に在るだけあってかなり有名な学校らしく、一学年に平均で千人近い子どもが集まる超マンモス校なのだが、日本で考えると小学校に当たるこの初等部には平民が全くいない。その理由がイジメだ。礼儀が成っていても、精神がまだ幼いこの頃に貴族と平民を一緒に勉強させると必ずイジメが起きてしまうそうで、結構前に平民はこの学校の初等部には入学できなくなってしまったそうだ。高等部には平民は普通に居るのだが、やはりそこでもイジメは大きな課題となってしまっているらしい。以前イジメの経験がある俺からしたらシャレにならない話だ。学校ではなるべく目立たないようにするとしよう。
三つ目は、今はまだあまり関係ないのだが、高等部では毎年少ないとは言い難い人数が訓練中に死んでしまうらしい。高等部になると訓練として魔物退治に行くのだが、その訓練で運悪く死去してしまう人が後を絶たないようだ。
これ以外にも細々とした問題はあるのだが、大きな問題としてはこのくらいだ。もしかしたら最初の一つは要らなかったかもしれないが、この三つに特に気を使ってこれから過ごしていくとしよう。
入学式が終わると早速寮に案内された。この学園内には様々な施設があり、飲食店にファッション専門店、武器屋、防具屋、娯楽施設もあり、云わばこの学園は一つの町なのだ。ちなみにこの学園は王都に属する学園だが、王都内にあるわけではなく、王都の近くにある。そうなってしまった理由は簡単で、単に王都に入りきらなかったからだ。だがこうすることで、色々な面でメリットが出来たのも事実だ。
まず、セキュリティーが安全になった。学園に来るためにはある手順を踏まなくてはならないのだ。王都内にある転移所という所に行きあるものを提示する、というのが手順だが、これがを破るのがかなり難しい。入学式前に役所で学生証を貰ったのだが、これを転移所に提示しなければならないのだ。この学生証を偽装するのが、かなり困難でここ数十年、学園に侵入出来た者は皆無らしい。
それともう一つメリットがある。それは社会勉強をさせやすい、ということだ。この学園で、所謂アルバイトをする学生がいるのだが、学園内にある施設はすべて学園で定めた労働基準をすべて満たしているので、給料が良いから、と言って不道徳なアルバイトをする人も居ないので学園側も安心してやらせることが出来るのだ。
そんなすばらしい学園を早くも堪能しようと周りにいる子どもたちは皆、誰かと談笑しながら寮に向かっているが、俺は一人だった。
べ、別に寂しくなんかないしぃー。それに友達なんてこれから百人くらい出来るしぃー。今はタイミングが悪かっただけだしぃー。ちょっと人と話すのが苦手なのを克服すればソッコーだしぃー。
そんな悲しいことを頭で考えながら、俺は寂しく寮へと向かうのだった。
学校ってコミュ障にはツラいですよね




