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世の中はどこまでも現実の味  作者: 鬼
1章 幼少期=理想
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光陰は矢の味

 あの後、念のため一日特訓を休んだが、そのあとは同じことを繰り返す日々がほとんどだった。


 朝を起きてからは走り込み。走り込みが終わって朝食を食べた後は、昼食まで爺やとナイフを使っての特訓だ。俺には才能があったらしく、戦闘スタイルがトリッキータイプとなった。爺やからの教えがほとんどなかったので、ほぼ我流となってしまったが、戦闘全体についてのアドバイスはあったので、おかげで自分一人で特訓するよりかは遙かに楽だった。午前の特訓が終わり、昼食を食べ終えてからは、爺やの予定が空いていれば午後も特訓。空いていなければ魔法の特訓をしていた。火と雷の特訓ははかどったのだが、それ以外の進行はイマイチで、ようやく初歩の魔法が一式使えるようになったところだ。

 魔法の特訓は楽しかったが、やはり俺も人間である以上飽きはあるらしく、平均して一ヶ月に一回くらいの頻度で町に出掛けることもあった。最初は興味本位で行っていたのだが、行けば行くほど酷い現状を思い知り、屑父上の政策をちょくちょく改竄してたのは今でも記憶に残っている。

 だが俺も、経済・経営についての知識はほとんどない。大学で学んでおけばよかった、と後悔しているが後の祭りだ。なので現状、俺は大きく動けなかった。日本にいた頃の知識を使ってお金を工面することも出来たが、それはしなかった。何故なら、俺が工面したお金は一度、屑父上の手元に届けられてしまうからだ。頭の中が欲望で一杯の奴の手元にお金がくれば、そのお金がどうなるかなど、子どもにも分かること。結局俺に出来ることは、応急処置ぐらいだが、それも焼け石に水。


 そこでもう一つ、俺には目標が出来た。いつかきっとこの地も母親と一緒に救ってみせる、と。目標は増えていく一方だが、何もすることが無かったニート時代よりかは遙かにマシだ。


 爺やとの午後の特訓、又は魔法の特訓、或いは町の調査などを終えて夕食を食べた後は、完全な自由時間だ。なので俺は、母上とのコミュニケーションを積極的にとるようにしていた。俺はなるべく子どもに見えるように心がけていたので、子供向けに作られたおとぎ話や伝説を聞かせてもらったり、屋敷の焼け野原という名の広場で遊んだりだったので、少しばかり退屈だったが、それでも充実した時間だった。

 それと、爺やともよく話すようになった。特訓の内容を見て俺を大人扱いしてくれたのか、爺やは結構為になる話をしてくれたので、そういう意味でも有意義な時間だった。回し蹴りを受けた直後は平謝りをしたり、特訓で過剰な手加減をしたりと、俺にかなり気を使っていたようだが、今ではすっかり仲良しだ。


 そんな忙しくも楽しい時間も終わりを告げようとしていた。


 回し蹴りをくらってから三年が経とうとしている。時が経つのがこんなに早いとは思わなかった。


 俺は学校に通うことになったのだ。その学校は王都にあるので、屋敷からの通いは出来ず、所謂寮生活になる。この楽しい生活が終わってしまうのは寂しいが、学びたいと思っている経済・経営について何か分かることがあるかもしれないので行くことにしたのだ。と言っても学校に行かない貴族というのは大抵、位の高い上流貴族で、家庭教師を何人も雇って屋敷で授業をするらしい。そんな大金が没落しかけている貴族の下にあるはずもなく、どっちにしても俺は学校に行くことにはなっていたのだ。


 日本で言う小学校では学ぶ機会はないと思うが、中学、高校と行けばもしかしたら学べるかもしれない。そうしたらすぐに母上と領民を救ってみせる。そう意気込みながら、俺は学校に行く日を待っていた。

誤って長時間かけて書いた文を消してしまった時のやってしまった感がヤバいです。心がバッキバキです

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