戦闘スタイルは奇想天外の味
とりあえず分かった事は、特攻タイプは可でも不可でもなく、つまりは普通だった。組み合ってる途中に特攻タイプに大切なことを実戦しながら学んだので分かりやすかったのだが、使いこなせるかどうかは別だった。特に攻撃を受ける時の対応がどうしても直らない。反射的に防いでしまうのだ。
次にカウンタータイプを試してみたのだが、攻撃を思わず防いでしまう俺に死角はなく、見事に不適合。攻撃はある程度見切れるのだが、やはり行う行動は反撃ではなく防御。こればっかりはどうしようもなかった。
残るは三つの中で最も難しそうなトリッキータイプ。このままでは得意というわけでもない特攻タイプ一直線だ。爺やがそのタイプなので手間がかからなそうで良いのだが、筋トレが大変そうだ。爺やが言っていたが、テクニックがダメならパワーでゴリ押しするしかないらしく、このままではゴリマッチョ券も一緒に付いて来てしまう。ゴリマッチョになるのはできれば遠慮したい。
どちらにしろやってみなければ結果は分からないので、実戦することにした。とりあえずトリッキータイプのコツを聞くことにする。特攻タイプもカウンタータイプもコツだけは理解できたので、もしかしたら今回はうまくいくのではないか、と淡い期待なんかを持っていたりしていたのだが。
「申し訳ありませんが、トリッキータイプについてはお話しできることはありません。先入観があると、それが一つの『型』になってしまうのでトリッキーとは言えなくなります。私からのアドバイスは『自由に戦え』。これだけです」
ゴリマッチョが確定してしまった。サヨナラ、細い腕。
そんなことを考えながら構える。こうなったら自棄だ。爺やも自由に戦え、と言っていたし好きにやらせてもらうとしよう。
今回は自由、ということで結構距離が離れた状態だ。特攻タイプやカウンタータイプと違い相手に密着しなくていいので、単純な選択肢の量は、先ほどの二つとは比べ物にならない。そのことを頭に入れると、手を叩く音が聞こえた。戦闘開始だ。
俺は一直線に爺やの方へと駆ける。投擲ナイフがない今、遠距離では何もできない。魔法を使えば別だが、使う気はない。
距離はあるといってもたかが知れている。爺やの攻撃範囲内に入るのに五秒もかからなかった。もちろん、そのままアッサリと懐に入れてくれるはずもなく、爺やはナイフを俺に向かって振り下ろす。手加減はされているがそれでも十分に速い。だが俺も黙って食らってやる義理はない。俺は急ブレーキをかけ、足を土と一緒に蹴り上げた。土は吸い込まれるように爺やの顔へと向かう。そして運よく目に入ったようで、ナイフの軌道が単純になったところで横っ飛びで回避。耳元で『フォン!』、と風切り音が聞こえ、ナイフと共に髪の毛が数本『切れた』。それでも走る。まだ爺やの視界は塞がっているのを確認し、爺やの股下をスライディングで通り抜け後ろへ。すれ違い様に足首に一撃入れた。
直後、後ろで鈍い音が鳴ったので確認すると、爺やの足が地面に少しめり込んでいた。どうやら俺が屈んで足元に一撃を入れたと思ったようで、踏み潰しをしたようだ。だが手ごたえが無かったせいか、戸惑っているのが分かる。
後ろを取ったのは良いがこの体では羽交い絞めも出来ないので、後ろを取っても出来ることは少ない。実戦ならどこでも刺せば良いのだが、今はそれでは一矢報いることはできない。そこで真っ先に考えたのが武器を叩き落とすことだ。そう思いついたと同時に、体は動いていた。踏み潰しの体制を取ったせいで、両腕は降ろされている。俺は爺やの手首に渾身の一撃を叩きこんだ。流石に不意打ちは効いたのか、爺やの持っていたナイフは遠くへと飛んでいく。
やった!、と喜びを噛み締める──────────暇はなかった。瞬間、爺やの足が襲いかかってきたからだ。思いのほか強くて思わずなのか、反射的に撃ってしまったのかは分からない。爺やの蹴りは全力だった。今までの生ぬるい攻撃ではない、本物の刃物が迫ってくるような圧迫感がある、鋭く速い回し蹴り。直撃したら無事では済まないだろう。
頭の中ではアラームが鳴り響き、体が危険だと訴えかけている。生存本能が働いたのか、俺は勝手にガードの姿勢を取っていた。お世辞にも太いとは言えないが、そこそこ耐久力に自信のあった太ももの横に蹴りが当たるように調節する。そんな生命の危機に陥っているにも関わらず、俺はいまだに勝ちたいと思っていたようだ。蹴りを食らう直前、俺は自分のナイフを、爺やの心臓目掛けて投げていた。
直後に俺を襲ったのは衝撃。前に死ぬ直前に食らったトラックとの衝突の際に俺を襲った衝撃と何ら遜色ない。俺の体は軽々と飛び、十数メートル吹き飛ばされた。物凄い勢いで爺やが遠ざかっていく景色を最後に、俺の意識は闇に包まれた。
戦闘の描写が難しすぎ!誰かアドバイスください…




