表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

アレンジパン制作コンテスト


冬がやって来た。

雪。地面に落ちてはス〜ッッと消える。

なんだか、…寂しい。

あの日以来、母との会話は切れ、目も合わせてくれない。無理矢理話をしようとすれば、

「じゃあ、なんて言えばいいの!?さっきからあれこれ言ってくるけど、それじゃ、なんて言えばあかりは納得する!?自分ばっかり辛い思いをしてるなんて思うんじゃないの!!」



……ギャクギレ。


「はぁ…。」


「それでは、各自ちゃんとプリントを見ておくように。」


ハッ。もう授業終わったんだ。『ケーキミックス適合パンの作り方』?…やっべ。聞いてなかったし。まあ、後で優花に聞いておきますか。

ところでプリントには、『アレンジパン制作コンテスト』

と、書いてあった。




数日後。


「あかりおめでとう。」

「おめでとう。」

「おめでとう!!」



おめでとう、おめでとうと言われたからって、

「ありがとう。」

とは言えない。

それが身に覚えのないことなら、尚更だ。


「あの…何のこと?」

「んも〜!!とぼけちゃって〜〜(笑)」


私は優花に背中をバンバン叩かれ、漫画の如く目が飛び出そうになった。


「…とぼけてないんだけど。」

「え〜ッッ!?この前先生からプリントもらって説明うけたじゃーん。…あ。もしかして、寝てた?」


うーん…。どうだろ。


私は記憶をさかのぼってみたが、どこまで行っても、見つからなかった。ていうことは、寝てたか、考え事。まいっか。



「あかり?おーい。あかり?ダメだ。ついに逝っちゃったか。」

逝?


「もー。何のことよう。もったいぶらずに早くいって〜!!」

わざとぶりっコしてみた。


「キーモーイー!あかりが、アレンジパン制作コンテストの出場者に選ばれたってこと!名誉なことだよぉ!何せ、学校から3人しか出ないんだから。」

「…へぇ。」

「へぇって…。嬉しくないの!?コンテストで優勝したら、ガッコの顔だよぉ!んーと、あとの2人は三年の川柳先輩と、

あの光ちゃんだよ。緊張感ないのかよ。…あ!わかった!妹とバトル目前だから、血脇肉踊るってやつッスかぁ!?」



「!?」

ひ…光も出るの!?




そのとき私は底知れぬ不安を感じたのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ