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第9章6節: 研究再開と巨大な問い
盛大な(そして私にとっては少々疲れる)宴の翌日、私はようやく自分の小屋に戻り、研究を再開することができた。辺境伯の館で得た情報、特に「食の災厄」に関する古文書の記述は、私の知的好奇心を強く刺激していた。
私は持ち帰った資料や、新たにボルガンを通じて取り寄せた書物を紐解きながら、この世界の歴史と、料理文化が失われた謎について、さらに深く考察を進めようとした。
マナと食の関係、古代文明の技術レベル、災厄の具体的な内容とその後の影響……。考えれば考えるほど、疑問は増えていく。断片的な情報をつなぎ合わせ、仮説を立ててはみるものの、決定的な証拠は何一つない。
同時に、前世から持ち越した根源的な問い――意識、宇宙、生命――についても、思索を巡らせる。この世界の法則(魔法を含む)は、それらの問いに新たな視点を与えてくれるかもしれない。だが、問題があまりにも巨大すぎる。どこから手をつければいいのか、思考が拡散し、うまくまとまらない。
「……いかんな。少し煮詰まっている」
長時間、書物と睨めっこしていたせいか、頭が重く、思考が空回りしているのを感じる。こういう時は、気分転換が必要だ。




