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闇の帝国    作者: 大和 武
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第208話。余りにも突然の出来事で、銀次に悪魔が取り付いた。

「技師長殿、確か以前のお話しですが、後十日も経てば、軍の兵士を全員を岸壁に集合させてくれと申されましたが、ですが、あの日からもう十日、いや、十五日も経っておりますが。」


「あっ、そうでした、これは大変な失礼を致しまして、誠に申し訳御座いません。


 実は、私が大変な勘違いを致しておりまして、出港の時に連絡を入れるので、その日から十日過ぎ前後には到着する予定なのだと、其れがあの日から、もう次から次へと問題が発生しましてね、其れをお伝えする事が出来なかったのです。」


「左様でしたか、実は、私も余りにも突然なお話しでしたので、これは何かの間違いでは無いだろうかと思っておりましたのでね。」


 いゃ~さすがだ、橘司令官にすれば、技師長の話しには、何故だか余りにも出来過ぎだと思っていたと言う。


「それとは別の話しですが、技師長殿は私に何か話しが有ったのでは有りませんか。」


「はい、左様でして、司令官殿にお伺いしたいのですが、此処に着く前にですが、大きく右に曲がる所が有ったと思うのですが、覚えておられますでしょうか。」


「ええ、其れならば、勿論でして、これは物凄いところだなぁ~、とは思ってはおりましたが、其れが何か。」


「左様ですか、其れならば、私も大助かりでして、場所は遂この先ですので、歩きながら説明させて頂きます。」


 と、技師長と橘司令官の二人は、線路上を歩き、技師長は説明を始めると。


「えっ、技師長殿が今申されましたお話しならば、次からは今まで以上にも大量の枕木や線路が届くとは思うのですよ、ですが、仮に今から昼夜の関係無く作業を行なったとしてもですよ、とてもでは有りませんが、最初の資材を積み込んだ貨物車を引込線で待機させる事などは不可能で有ると考えますが。」


 橘司令官にすれば、今からどんな方法を使ったとしても、機関車を含めた五両で編成された貨物車を、其れも、十数編成もの貨物車の為の待機線を完成させる事などは、どんなに考えても不可能だと言うので有る。


「橘司令官殿、大変申し訳御座いませんでした、私の説明不足でして、実はですねぇ~、以前ですが、我々のところにも大勢の作業員がおりまして、で、其の時、今回と同じ様に私が説明したのですが、其の後、作業員が次々と辞めて行きましてね、まぁ~その為にとでも言いましょうか、工事を中断する事になったのです。」


「その様な経緯が有ったのですか、ですが、先程も申しましたが。」


「いいえ、司令官殿は何も心配される事も無いのです。と、申しますのは、今回の工事再開で一番喜んで要るのは、地元の人達でしてね、地元の人達は正直言って、兵隊さんにはどんなに感謝しても、感謝しきれないって、其れに町中では其れはもう大変な騒ぎでしてね、駅長さんも喜んでおられましてね、これでまた町が賑やかになるってね、まぁ~その様な訳ですので、余り急がなくても宜しいかと思うのです。」


「えっ、正か、でも。」


 橘司令官にすれば、大勢の兵隊が線路敷設工事に入ると言う事だけで、何故に町中が大騒ぎになるのかもさっぱり理解出来ないので有る。


「其れで、司令官殿、先程の工事の件ですが。」


「其れは勿論やらせて頂きますが。」


「左様ですか、これで、私も一安心で御座いますよ、工事に必要な工具や道具類などは全部有りますので、じゃ~一度戻りまして、皆に報告したいと思います。」


「其れで、技師長殿は何人くらいが必要だと思われますか。」


「其れに付きましたは、彼らに直接聞きましてからでも良いと思います。」


「左様ですか、じゃ~今からでも戻りましょうか。」


 と、技師長と橘司令官の二人は、工事現場へと戻って行く。


「ガラ、ガラ。」 と、引き戸が開くと、其処へ、昌吾郎が突然飛び込んで来た。


「源三郎様が大至急にと伺いましたので。」


「やられましたね。」 と、言うが、源三郎は笑いをこらえて要る。


「いいえ、私も鈴木様の表情を見れば、大よその見当は付きますので。」


「やはりですよ、総司令、やはり私の想像した通りでしたよ、私は本藤閣下が素案を考えられ、作戦成功の為に、新たな部隊の編成をすれば、私はこの部隊には是非とも必要な人物で有ると、今、改めて確信したので御座います。」


「やはりでしたか、私は今回、本藤さんが考えられた作戦に工藤さんを引き抜かれ、更にですよ、工藤さんは作戦を成功させる為にはどんな事が有っても昌吾郎さんが必要だと申され、その為に私は両腕を引き千切られた様な気分になりましたよ。」


 源三郎は如何に工藤や昌吾郎が重要な人物で有るかを認識して降り、そして、今回の一件で改めて理解したのかも知れないので有る。


「いいえ、飛んでも有りませんよ、私は源三郎様が考えておられる様な人間では有りませんので。」


「まぁ~まぁ~、昌吾郎さんがその様に申されずとも、で、実は昌吾郎さんをお呼び致しましたのは、本藤さんが素案を考えられましたね、で、その部隊の司令官に工藤さんに就任して頂く事になりましてね、其れで、今度は工藤さんが昌吾郎さんには片腕になって頂きたいと申されたのです。」


「えっ、ちょっとお待ち下さい、工藤閣下が私をですか、ですが、私の様な者を其処まで、いいえ、其れは余りにも私を買い被り過ぎでは御座いませんか。」


「いいえ、飛んでも有りませんよ、私はねぇ~、先程のお話しで、やはり、この人物ならば必ずやり遂げて頂けるものと、改めて確信したのです。」


 工藤は、昌吾郎と言う人物に付いては、日頃より源三郎より詳しく聞いては要るが、其れよりも、鈴木の表情で何か大変な事態になって要ると感じ、其れが昌吾郎と言う人物を自らの片腕にする事で、本藤の考えた作戦は成功すると思ったので有る。


「昌吾郎殿、今から詳しく説明致しますので、聞いて頂きたいのです。」


 其の後、工藤はゆっくりと、そして、本藤から聞いた新しい部隊に関する内容を詳しく説明した。


「少しお伺いしたいのですが、今、申されました二千人と言う兵隊さんですが、正かとは思いますが、我が連合国から選び抜かれるのでは無いとは思いますが、では一体何処から連れて来られるおつもりなのでしょうか。」


「私もそれ程にも馬鹿では有りませんのでしてね、勿論、我が連合国からはひとりたりとも来て頂く事は有りません。


 其れに付きましては総司令にお伺いしたいのですが、以前だとは思いますが、蝦夷地に向かわれた部隊の兵隊さんですが、今後の計画は有るのでしょうか。」


「いいえ、私の計画の中では、あのまま蝦夷地に残って頂きまして、ロシア軍の上陸を阻止して頂ければと考えておりますが、工藤さんは若しやとは思いますが。」


「其れならば、あの中から二千人程を選んでも何の問題も無いと言う事になりますが、其れでも宜しいのでしょうか。」


「ええ、其れは別に宜しいのですが、ちょっとお待ち下さいね、確か、佐野さんと掛川さんのお二人ですが、共にお互いの部隊には一千人づつの兵隊さんが居られるかと思いますが。」


 工藤も正か、自分と一緒にこの連合国にやって来た仲間は、あれからはもう長い年月が経っており、今更、その者達を新しい部隊に参加させる事などは全く考えておらず、更に仲間の多くが、今では農村や漁村と、更に城下では夫婦となっており、勿論、その殆どが子供にも恵まれて要る。


「閣下は若しやとは思いますが、二千人くらいと聞かれた時、最初にこの大隊を思い浮かべられたのでは有りませんか。」


「いゃ~参りましたねぇ~、其処まで見抜いておられるとは、総司令、やはり昌吾郎殿を今回の作戦に参加して頂かなければ、我が連合国もですが、日本国の民は数百年、いいえ、我らは半永久的にロシアと言う巨大帝国国家の植民地となり、地獄の生活に晒されるのです。


 ですが、昌吾郎殿に参加して頂きまして、今の様に見抜いて頂ければ、必ずや作戦は成功するものと確信致します。」


「如何でしょうか、昌吾郎さんも直ぐに答えを出すのも大変でしょうから、数日間でも考えて頂きまして、其の後にでも返事を頂ければ宜しいかと考えております。」


 源三郎は数日間の猶予を与え、其の後にでも答えを出して欲しいと言うのだが、目の前に居る工藤は、昌吾郎の事だ、直ぐに答えを出すで有ろうと考えて要る。


「其れと、今ひとつお伺いしたいのですが、総司令に本藤閣下、そして、工藤閣下、この三人の賢者が、僅か二千の兵隊さんを連れ、ロシアの軍勢に襲い掛かると言う様な無謀な策を考えておられるとは思いませんが、何か特別な人達でも居られるのでしょうか。」


 さすがに、昌吾郎は全てを見抜いて要る。


「いゃ~さすがですねぇ~、私はもう何も申し上げる事は有りませんよ、昌吾郎さんの申されます通りでしてね、先程の二千人とは別に特殊部隊として二百人程が必要なんですがね、まぁ~、はっきりと申しまして、その人達の人選が一番の問題なのです。」


 源三郎はもう降参しましたよと言う様にも聞こえる言葉を発して要る。


「特殊部隊と申されますと、やはり、ロシア軍の基地と申しましょうか、駐屯地とでも言うのですか、其処に侵入し破壊活動を行うのですか。」


「まぁ~、その方も行いますが、私の考えですが、基地の破壊は勿論ですが、基地におります兵士の全員を抹殺しなければ、何の意味も無いと考えて要るのです。」


「と、言う事は全滅させるのですか。」


「ええ、正しくその通りでしてね、兵士の全員を殺さなければ、又も陸軍の編成が出来るのです。」


 工藤は、ロシア軍の基地を破壊する事も大事だが、兵士も全員を殺す事が最大の任務だと考えて要る。


「ではその為には、二百人程の特殊部隊をも必要だ、だが一番の問題は人選で有ると、総司令も工藤閣下も考えておられるのですね。」


「ええ、正しくその通りでしてね、二千の部隊を編成するよりも、特殊部隊の編成の方が大変で有ると、考えておられるようですが、何故にそれ程までにも問題なので御座いましょうか、若しやとは思いますが、何か特別な任務を考えておられるのでは有りませんか。」


「う~ん、これは参りましたねぇ~、やはり昌吾郎殿だけは別格だと言う事ですねぇ~、確かに昌吾郎殿が申されます通りでして、最初に申しました二千の兵ですが、これは普通の部隊編成だとは申しましても、射撃訓練に関しましては、特選隊の方々に厳しく、更に特別訓練して頂く所存でしてね、まぁ~簡単に言えば忍者組織の様だと考えて頂いても宜しいかと思います。」


「成程、忍者部隊ですなぁ~、まぁ~、二千だとして、一千人が伊賀の衆で、今一つが。」


「では、甲賀衆と言う事にでもなりますかねぇ~。」


 工藤は、これでやっと一歩前進したと思うのだが。


「では先程申されました二百の特殊部隊と申されますのは。」


「実はですねぇ~、私の考えですが、この二百人の特殊部隊と言うのが、最も大事な部隊でして。」


「えっ、大事な部隊と申されますと。」


「先程の二千の部隊とこの二百の特殊部隊と、更に特戦隊とを合わせた部隊が、今回の部隊編成でしてね、伊賀と甲賀の衆、そして、特殊部隊と、更に特戦隊とで大陸のロシア軍の基地を攻撃、其れも忍者の如く秘かに近付き、そして、敵軍を壊滅する、これが本藤閣下が考えられました作戦の概要で御座います。」


「成程ねぇ~、そう言う事だったのですか、其れで、私に一体何をせよと申されるのですか、正か特殊部隊の訓練でもやれと申されるのでは有りませんよねぇ~。」


「いいえ、飛んでも有りませんよ、正か昌吾郎殿に訓練などをお願いする事などとは、全く考えてはおりませんでしてね、実はですねぇ~、総司令と私と一緒に大陸にご同行願いたいのです。」


「ほ~大陸へですか、やはり向こう側で何か問題でも有るのですか。」


「左様でしてね、じゃ~今から詳しく説明しますのでね。」


 工藤は、何故に今回の一件で昌吾郎が必要かを説明した。


「承知致しました。私の様な者が、一体どれ程お役に立てるのか分かりませんが、精一杯させて頂きますので、宜しくお願い致します。」


「いいえ、実は、私も、昌吾郎さんの人を見る目には大変感心しておりましてね、其れで、今回、工藤さんからお話しをお伺いした時は、まぁ~、正直申しまして、私自身としましては物凄く痛いと、いいえ、其れよりも、連合国を含め、日本国の為だと考えたのです。」


「ですが、大陸へ向かえるのは、今直ぐでは有りませんので、まぁ~、其れまではゆるりとして頂いても宜しいですからね。」


 今までの源三郎ならば、連合国の領民が最優先事項だと考えていた、だがもう今となっては、連合国だけの、いや、今は大日本帝国の領民の為にと考える様になったので有る。


「親ぶ~ん、大変だ、ロシア軍が、親分は。」


「おい、おい、一体どうしたんだよ、そんなにも慌てて、何か起きたのか。」


「親分、大変なんですよ、ロシア軍の兵隊が。」


「何だと、其れは本当か。」


「ええ、勿論、あれだったら、七十、いや八十人以上はおりますよ。」


 突然、現れたロシア軍の兵隊、其れも七十から八十人以上だと言う、だが何故今頃現れたのだろうか、だが其れにしても余りにも少ない。


「そうか、わかった、お前達は引っ込んでろ、小次郎は何処だ。」


「はい、此処に。」


「わしの太刀を持って来るんだ。」


「では、私も参ります。」


「相手は。」


「はい、勿論、承知しております、では直ぐに。」


「ねぇ~親分、一体どうしたんですか、何時もと全然。」


 子分達は銀次の表情が何時もと違い、まるで鬼の様な形相に、いいや、銀次に悪魔が取り付いたんだと驚いて要る。


「お前は皆に知らせ、此処には来るなと言え、小次郎は此処で止めるんだ。」


「はい、承知致しました。」


「では行くぞ。」


 銀次は太刀を腰の帯を通し、ゆるりとロシア軍の兵隊がやって来ると言う方へと向かって行く。


「一体、何が起きたのですか。」


「あっ、参謀長殿、実は、さっきなんですが、ロシア軍の兵隊がやって来たんです。」


「えっ、で、一体、誰が向かったのですか。」


「はい、其れが銀次親分がひとりで行かれたんですよ。」


「なんですと、では他は。」


「はい、その向こうに一家の若い者が待ち構えてまして。」


「大変だ。」 と、言った参謀長は、軍艦が停泊中の岸壁へと走って行った。


「隊長、向こうから、変な男が向かって来ます。」


「わかっておる。」


 だが銀次は尚もゆっくりと歩いて行く。


「役八十人程か、少し厳しいが、まぁ~何とかなるだろう。」 と、銀次は独り言を言う、だが銀次ひとりでロシア陸軍の兵士八十人を相手にするとでも言うか、更に銀次は鉄砲では無く、太刀を一振りだけで有る。


「おい、お前は一体何者で、何処から来たんだ。」


「何だと、人にものを聞く時には、自らが先に名乗るのが礼儀ってもんだ、そんな事も知らんとは、まぁ~やっぱりロシア人の教育程度は低いなぁ~。」


「わしは大ロシア帝国陸軍のベルチェンコ中尉で有る。」


 と、ロシア陸軍の指揮官だと思われる人物は名乗ったが。


「そうか、わしはなぁ~、大日本帝国では一番悪名高いやくざ者で、銀龍一家の銀次と言う大親分で有る。


 今から、お前達赤鬼野郎を成敗する為に、遥々日本国からやって来たんだ、さぁ~何処からでもいいから掛かって来い。」


「お前は一体何を言ってるんだ、わしには全く理解が出来ない、其れよりも用件はなんだ、はっきりと言うんだ。」


「ええ、全然分からないのか、じゃ~はっきりと言ってやる、わしなぁ~、お前達全員を殺しに来たんだ、どうだ、わかったのか、大馬鹿者野郎どもが。」


 と、言いながらも、銀次は少しづつ、だが確実にロシア陸軍の兵士の殆ど目前までやって来た、その一瞬、銀次は太刀を抜いたとほぼ同時に、ロシア陸軍のベルチェンコ中尉の喉に銀次の太刀のつっ先が突き刺さったと思うと、直ぐ抜き、目前の兵士十数人の喉を切り裂き、そのまま、後ろに居た兵士十数人も同じく、喉を切り裂く、何と言う早業で有ろうか、銀次は銀龍一家と言うやくざ組織の親分で有り、その様なやくざの親分が、あっと言う間に数十人のロシア陸軍の兵士の喉を突き、切り殺したので有る。


 ロシア陸軍の兵士達は目の前に突然現れたやくざの親分ひとりの早業とでも言うのか、奇襲とでも言うのか、更に運が悪いとでも言うのか、何故だかわからないが、彼らの持つ銃には一発の弾丸も入っておらず、其れを忘れて要るのか、誰もがもう必死で引き金を引く、だが何度やっても彼らの銃から弾丸は発射される事は無い。


 兵士達は銀次の持つ太刀に喉を突かれ、そして、切り裂かれ、兵士達は声も出せず次々と倒れ、そして、息が絶えて行く、だが其れでも銀次の太刀は止まる事を知らず、ロシア陸軍の兵士の死体だけが増えて行くので有る。


 だが、中には一体何を考えて要るのだろうか、銀次の太刀の攻撃からやっと逃れたにも関わらず、何故だか小次郎が待ち構えて要るところへと向かう兵士が数人居る。


「奴らめ、父上の攻撃に恐れをなした赤鬼野郎がこちらに向かって来る、よし、今度は私の出番だ、奴らに日本人の恐ろしさを思い知らせてやる。」


 と、言った小次郎は脇差を抜き、そして、構えると。


「もう、この先にお主達を行かせる訳には参らぬ、この場で三途の川を渡れるのだから、誠に有難く思え、さぁ~覚悟する事だな。」


 だが果たして、ロシア陸軍の兵士達に小次郎の言った言葉が通じるのかは怪しいものだ、だが、もうその様な状況下でロシア兵には何も考える事など出来ないのか、何も考えずに突っ込んで来ると、もう小次郎の目前まで来た、と、その一瞬、小次郎の脇差のつっさきがロシア軍兵士の喉に突き刺さり、兵士は声を発する事も無く、鮮血を噴きながらその場に倒れ、だが其れはあっという間の出来事で、ロシア兵にすれば、何故に死んだのかも分からずのままで有ろう。


 銀次と小次郎の二人だけで、ロシア陸軍の兵士を次々と倒して要る様子を、子分達もだが、大将を含め、多くの船員達も唖然として見て要る。


 だが、銀次と小次郎の動きは、やくざ者の動きでは無く、あの二人は一体何者だと考え始めたのも当然で有り。


 やがて、其処へ騒ぎを聞き付けた、本藤が数十人の海兵を伴い、駆け付けたのだが、本藤もだが、海兵の全員がその現場を見た途端、あっけに取られ、一体何が起きたのかも分からない状況で有る。


 そして、銀次と小次郎の二人は一体何者で有ろうか、だがロシア陸軍の兵士のほぼ全員が倒れて要るのだが。


「小次郎、その者は殺すで無い、聞きたい事が有る。」


「はい、承知致しました。」


 と、聞いた小次郎は両手を広げ、行く手を塞ぎ、脇差が兵士の横腹を思いっきり打つと、兵士は呻き声を挙げ、その場に倒れ、そして、やっと終わった。



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