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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第8話:日直の仕事

その日の日直は、蓮と真白さんのペアだった。

放課後、クラスメイトたちが全員帰った静かな教室で、2人は黒板消しを持って黒板の掃除をしていた。

「ふぅ、今日の授業、板書が多くて大変だったな」

蓮がチョークの粉を吸わないように顔を背けながら黒板を消していると、隣で同じように黒板を消していた真白さんが、突然手を止めた。

「ねえ、宮本くん。ちょっとこっち向いて」

「ん? なに……うおっ!?」

振り返った瞬間、蓮の鼻の頭に、冷たくて白いものがぽんと触れた。

真白さんの人差し指だった。彼女の指先には、白いチョークの粉がついている。

「あはは! 宮本くん、鼻の頭が真っ白。トナカイみたい」

「な、何すんだよ! 汚いだろ!」

蓮は慌てて袖で鼻をこすった。

「ひどいな、せっかく可愛くしてあげたのに」

「どこが可愛いんだよ! 悪戯ばっかりしやがって……」

悔しくなった蓮は、手元にあったチョークの端切れを拾い上げた。

「よし、お返しだ!」

蓮は真白さんの頬にチョークを塗ってやろうと、手を伸ばした。真白さんは逃げるかと思いきや、その場に立ち止まり、目を閉じて顔を少し前に突き出してきた。

「いいよ、お返しして。どこにつける? ほっぺ? それとも……口紅みたいにする?」

(うっ……!!!!)

目を閉じ、少しだけ唇を尖らせた真白さんの顔が、すぐ目の前にある。

長いまつ毛がかすかに震えている。夕方の教室の、オレンジ色の光が彼女の横顔を照らしていて、言葉を失うほど綺麗だった。

蓮の手が、空中でピタリと止まる。チョークを持った指先が、緊張でガタガタと震え始めた。

(だ、ダメだ、これ以上近づいたら、なんか大変なことになる……!)

「……も、もういいよ! 掃除終わらせるぞ!」

蓮はチョークを黒板の溝に放り投げ、大急ぎで黒板消しを動かし始めた。

真白さんはゆっくりと目を開けると、少しだけ残念そうな、でもどこか愛おしそうな目で蓮の背中を見つめた。

「宮本くんって、本当にヘタレだね」

「うるさい! 掃除に集中しろ!」

背中越しでも、真白さんがクスクスと笑っているのが分かった。

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