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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第7話:プリント配り

「じゃあ、このプリント、後ろに配ってくれ」

先生に頼まれ、蓮は列の一番前としてプリントの束を受け取った。

自分の分を1枚取り、後ろの席……つまり真白さんに渡すために振り返る。

「はい、真白さん」

「ありがとう、宮本くん」

真白さんはプリントを受け取ろうと手を伸ばした。しかし、蓮はふと思いついた。

(いつもからかわれてばかりだし、たまには俺からちょっと意地悪してみるか?)

蓮は真白さんが指先を伸ばした瞬間、プリントをすっと上に持ち上げて避けた。

「あ、ほーら、届かない」

ちょっとした悪戯のつもりだった。真白さんが「あ、ずるい!」と悔しがる顔が見たかったのだ。

だが、真白さんは全く動じなかった。それどころか、妖しく目を細めて笑った。

「へえ、宮本くん。私にプリント、渡したくないんだ?」

「いや、ちょっとしたお遊びだよ。ほら、あげる……」

蓮がプリントを戻そうとしたその時、真白さんは差し出されたプリントではなく、それを握っている蓮の手首を、下からきゅっと掴んだ。

「えっ……!?」

「捕まえた」

真白さんの指先は驚くほど冷たくて心地よく、蓮の手首にピタリと吸い付いた。

「な、何すんだよ、放せって!」

「嫌だよ。宮本くんが意地悪するからでしょ? このまま先生に言っちゃおうかな。宮本くんがプリントを渡してくれません、って」

「おい! それは困るって!」

前を見ると、先生は黒板に文字を書き始めている。クラスメイトたちも自分の作業に夢中だ。

今、この瞬間、蓮の手首は真白さんにしっかりと握られたままだ。

「ねえ、宮本くん。放してほしい?」

「当たり前だろ! 恥ずかしいし、誰かに見られたら……」

「じゃあ、私の目を見て『真白さん、大好きです』って言ったら放してあげる」

「言えるか、そんなこと!」

蓮は顔を真っ赤にして抵抗するが、手首を掴む真白さんの力は案外強く、何よりドキドキして力がうまく入らない。

「言わないんだ? じゃあ、授業が始まるまでこのままだね」

真白さんは首を少し傾げ、楽しそうに蓮の目を覗き込んでくる。

その距離の近さに耐えかねて、蓮はついにギブアップした。

「わ、わかった! ごめん! 俺が悪かったから、放してください!」

「……ちぇ、普通に謝っちゃうんだ」

真白さんは少しつまらなそうに唇を尖らせ、蓮の手首をパッと放した。そして、蓮の手からプリントをするりと抜き取る。

「はい、ありがと。宮本くん」

プリントを受け取った真白さんは、何事もなかったかのように前を向いた。

蓮は自分の席に向き直り、赤くなった手首をさすりながら、自分の心臓のバクバクという音を必死に抑え込もうとしていた。


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