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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第5話:テスト勉強

中間テストを3日後に控えた日の放課後。

蓮と真白さんは、図書室の片隅の席で並んで勉強をしていた。

「うーん……全然わからない……」

数学のワークを前に、蓮は完全に頭を抱えていた。数式の羅列が、まるで宇宙の呪文のように見える。

「どこがわからないの? 教えてあげようか」

真白さんは、自分のワークをすでに終わらせたらしく、余裕の表情でペンを回している。

「この、確率の問題。サイコロを2回投げて、出た目の和が5になる確率、とかいうやつ」

「あ、それね。簡単だよ。まず、全部の出方は何通り?」

「ええと、6×6で、36通り?」

「正解。じゃあ、足して5になる組み合わせは?」

真白さんが優しく解説してくれる。その教え方はとても分かりやすく、蓮の頭の中の霧が少しずつ晴れていった。

「あ、なるほど! 4通りだから、4/36で、答えは1/9か!」

「そう、大正解。宮本くん、やればできるじゃん」

真白さんは嬉しそうに微笑み、蓮の頭をポンポンと叩いた。

「子供扱いするなよ……」

蓮は照れ隠しにぶっきらぼうに言ったが、心の中では真白さんの頭の良さと優しさに、少し見とれていた。

「じゃあ、次の問題。これが解けたら、宮本くんのご褒美に、私の秘密を1つ教えてあげる」

「秘密?」

「うん。宮本くんがずっと気になってるかもしれないこと」

真白さんは、次の応用問題に赤ペンで印をつけた。

「よし、受けて立つ!」

俄然やる気が出た蓮は、必死にシャーペンを動かした。計算ミスをしないよう、慎重に、何度も確かめる。

5分後。

「できた! 答えは、2/9だ!」

「どれどれ……」

真白さんは蓮のノートを覗き込み、赤ペンで大きな花丸を描いた。

「すごい、大正解! じゃあ、約束通り、私の秘密を教えてあげるね」

真白さんは、机の上に両肘をつき、小さな声をさらにひそめた。図書室の静寂の中で、真白さんの声が蓮の耳に直接届く。

「あのね……私、今回のテストで、宮本くんが私より合計点数が高かったら……宮本くんの『好きな人』になってあげてもいいよ」

「ぶっ……!!!!」

蓮は危うく大声を出すところだった。必死に喉を鳴らして声を抑える。

「な、な、何言ってるんだよ! 意味がわからないだろ!」

「だって、宮本くん、私のこと好きでしょ?」

「ち、違うわ!」

「じゃあ、テスト頑張ってね。負けないから」

真白さんは綺麗にウインクをしてみせると、また自分の勉強に戻ってしまった。

蓮はノートに視線を落としたが、もはや数式は1文字も頭に入ってこなかった。ただ、花丸の赤色が、自分の顔と同じくらい熱く燃えているように見えるだけだった。


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