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第41話:三色ボールペン
授業中、真白さんが「あ、インクが出ない」と呟いた。
彼女の持っている黒いボールペンのインクが切れてしまったようだ。
「宮本くん、赤ペン貸してくれない?」
「赤? 黒じゃなくていいのか?」
「うん、大事なところを囲みたいから。赤がいいの」
蓮は筆箱から、お気に入りの三色ボールペンを差し出した。
真白さんはそれを受け取り、ノートの文字を綺麗に赤で囲んでいく。
「はい、ありがとう、宮本くん」
返ってきたボールペンを見ると、真白さんはインクを「青」に切り替えて戻していた。
「おい、真白さん。これ青になってるぞ。俺、いつも黒で使ってるのに」
「いいじゃん、青。青ってね、心理学的に『落ち着く色』なんだって」
「へえ、そうなのか」
「うん。だから、宮本くんが私のことでドキドキして頭が真っ白になったら、その青いペンを見て落ち着いてね」
真白さんはウインクをして前を向いた。
蓮はボールペンのカチカチという音を黒に戻しながら、彼女の言う通り、すでにドキドキし始めている自分の心臓を落ち着かせるために、深呼吸をするのだった。




