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第38話:図書室の居残り
放課後。蓮は図書室の片隅で、居残り課題のプリントと格闘していた。
静まり返った館内。鉛筆の音だけが響く中、向かい側の席に、すっと誰かが座った。
顔を上げると、真白さんだった。彼女は一冊の小説を開き、読み始める。
「真白さん、何でここに?」
「宮本くんが寂しそうだったから。居残り、付き合ってあげる」
「寂しくないし。というか、邪魔しないでくれよな、集中したいんだから」
蓮はぶっきらぼうに言って、プリントに目を戻した。
しばらく静かな時間が流れる。ふと、視線を感じて顔を上げると、真白さんが本の隙間から、じっと蓮のことを見つめていた。
目が合うと、真白さんは本で顔を隠し、ページをパタパタと動かした。
「……何だよ、真白さん」
「ん? 宮本くんが頑張ってる顔、かっこいいなーって思って」
さらりと言われた言葉に、蓮の思考は完全に停止した。
「なっ……!」と声を出しそうになり、慌てて口を塞ぐ。ここは図書室だ。真白さんは本に顔を隠したまま、いたずらっぽく目を細めて笑っていた。




