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第37話:プリントのすれ違い
「このプリント、後ろの席に回して」
一番前の席から配られたプリントの束。蓮は自分の分を取り、後ろ……ではなく、隣の席の真白さんに渡そうとした。今の席は隣同士だ。
「はい、真白さん」
「ありがとう、宮本くん」
真白さんがプリントを受け取ろうとした瞬間、蓮はちょっといたずら心が芽生え、プリントをすっと引っ込めた。
「あ、ほーら、あげない」
「あ、ずるい」
真白さんは眉をひそめたが、すぐにふふっと笑った。そして、差し出されたプリントではなく、それを握っている蓮の親指を、自分の指先できゅっとつまんだ。
「あ……」
「捕まえた。プリントくれないなら、宮本くんの指、ずっと離さない」
真白さんの指先は小さくて柔らかい。クラスメイトたちの目が気になり、蓮は一瞬でパニックになった。
「わ、分かった! あげるから離せって!」
「ふふ、私の勝ち」
真白さんはプリントを受け取ると、何事もなかったかのようにノートに向き直った。蓮は赤くなった親指を握り締め、心臓のバクバクを抑えるのに必死だった。




