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第36話:シャーペンの芯
「あ、芯切れた」
授業中、蓮のシャーペンの芯がなくなった。筆箱を開けるが、替え芯のケースは空っぽだった。
「真白さん、悪い。シャーペンの芯、1本くれない?」
「いいよ。はい」
真白さんは自分のケースから、1本の黒い芯を取り出して蓮の机に置いた。
「サンキュー」と蓮がそれを使おうとすると、真白さんがノートに文字を書いて見せてきた。
『その芯、私の『好き』が詰まってるから、いつもより濃く書けるよ』
(また始まった……!)
蓮は動揺を隠すために、わざと冷たく返した。
「そんなわけないだろ。普通のBの芯じゃん」
「本当だよ? 試しに、私の名前、書いてみて」
真白さんは自分のノートの余白を指差した。
蓮は顔を真っ赤にしながら、「書くわけないだろ!」と自分のノートにガリガリと数式を書き殴った。
その文字が、緊張の手汗のせいで、いつもより本当に濃く力強くなってしまっていることに、真白さんはすぐに気づいてニヤニヤしていた。




