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第34話:秋の足音
10月に入り、窓から入る風が少しずつ冷たくなってきた。
授業中、蓮が腕をさすっていると、真白さんがトントンと腕を叩いてきた。
「宮本くん、寒いの?」
「ん、まあ、ちょっと肌寒いな。上着持ってくれば良かったよ」
「じゃあ、私のカーディガン、半分貸してあげよっか?」
真白さんは自分の肩に羽織っている紺色のカーディガンの端を、少し広げてみせた。
「ば、バカ! 2人で1つのカーディガン着るやつがあるか! 変だろ!」
「えー、暖かくていいと思うんだけどな。じゃあ、これなら変じゃない?」
真白さんは、自分のポケットから、使い捨てのカイロを取り出した。すでに開封されていて、ほんのりと温かい。
「はい、これ使いなよ」
「え、いいのか? 真白さんは寒くないの?」
「私は宮本くんの赤くなった顔を見てるだけで、十分あったかいから大丈夫」
「からかうな」と言いながら受け取ったカイロは、真白さんの手の温もりがそのまま残っているようで、蓮の手だけでなく、胸の奥までじんわりと温かくなるのだった。




