第27話:手の大きさ
雨の日の昼休み。外で遊べない男子たちが、教室の後ろで「手の大きさ比べ」をして盛り上がっていた。
蓮も友達と手を合わせて「お前の方がデカいな」などと話していると、いつの間にか真白さんが後ろに立っていた。
「男子って、本当に子供っぽいことで盛り上がるよね」
「うるさいな。男にとって手の大きさは強さの証拠なんだよ」
「ふーん。じゃあさ、宮本くん。私とも比べてみる?」
真白さんは自分の右手を、蓮の目の前に差し出した。
「え、お前と? ……まあ、いいけど」
蓮は少し緊張しながら、真白さんの手のひらに、自分の手のひらをそっと重ね合わせた。
ピタリ、と2人の手が合わさる。
「……あ」
真白さんの手は、驚くほど小さくて、指が細くて、そして柔らかかった。蓮の手の方が一回り以上大きい。
「宮本くんの手、やっぱりおっきいね」
「あ、ああ。まあ、男子だからな……」
「ねえ、宮本くん。このまま指を絡ませたら……恋人繋ぎになっちゃうね?」
「なっっ!!!!」
真白さんが悪戯っぽく指をピクピクと動かした瞬間、蓮は弾かれたように手を引っ込めた。
「な、何言ってんだよ! 冗談でもそんなこと言うな!」
「あはは、顔真っ赤。宮本くん、手が大きいのに、心臓はノミみたいに小さいんだね」
真白さんは自分の手を握り締め、嬉しそうに席へと戻っていった。蓮は熱くなった自分の右手をポケットに突っ込み、彼女の柔らかい感触を必死にかき消そうとしていた。




