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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第20話:背中の温もり

夜の住宅街を、蓮の自転車が静かに進んでいく。

後ろに乗っている真白さんは、静かに蓮の背中に頭を預けていた。

「宮本くん……」

「ん? どうした?」

「ありがと。宮本くんが来てくれなかったら、私、どうなってたか……」

「気にすんなって。隣の席の友達なんだから、助けるのは当然だろ」

蓮は前を向いたまま答えた。

「友達」という言葉を使ったが、今の蓮の心臓は、恐怖の余韻とは違う理由で激しく波打っていた。背中に伝わる真白さんの体温と、かすかな呼吸の振動が、ダイレクトに伝わってくるからだ。

「宮本くんの背中、おっきいね」

「え? そうか? 普通だろ」

「ううん。すっごく頼りになる。……さっきの宮本くん、本当に、本当にかっこよかったよ」

真白さんの声は、いつも蓮をからかうときのような軽さは一切なく、心からの本音が溢れていた。

普段なら「からかってるんだろ」と言い返せるのに、今の真白さんのトーンには、それが一切通用しない。

「……そ、そうか。ありがと」

蓮は顔が燃えるように熱くなるのを隠すため、がむしゃらにペダルを漕いだ。

やがて、真白さんの家の前に到着した。玄関の明かりが見え、真白さんはゆっくりと自転車から降りた。彼女の顔には、いつもの落ち着きが少しだけ戻っていた。

「送ってくれてありがとう、宮本くん。……じゃあ、またね」

「おう、気をつけてな。家に入ったら、ちゃんと鍵閉めろよ」

「うん」

真白さんは門扉をくぐり、玄関を開ける直前、もう一度振り返った。

「宮本くん」

「何?」

「私、宮本くんに助けてもらえて、本当に良かった。……おやすみなさい」

真白さんは少し照れくさそうに微笑むと、家の中に入っていった。

残された蓮は、夜風に吹かれながら、自分の背中に残る彼女の温もりをいつまでも感じていた。この日を境に、2人の距離感は、からかいの中にも少しだけ「特別な空気」が混ざるようになっていく。


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