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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第18話:夕暮れの自転車

部活の居残りで遅くなった夕方。蓮が自転車を押して校門を出ると、少し先で自転車のチェーンが外れて困っている真白さんの姿があった。

「あれ、真白さん? どうしたの?」

「あ、宮本くん。チェーンが外れちゃって……。直そうとしたんだけど、手が真っ黒になっちゃった」

真白さんが見せてきた両手は、機械油で黒く汚れていた。

「しょうがないな、貸してみ。俺、こういうの得意だから」

蓮は自転車を止め、真白さんの自転車の前にしゃがみ込んだ。慣れた手つきでチェーンを引っ張り、ギアに噛み合わせる。カチャリ、と音がして、チェーンは元通りになった。

「よし、直ったぞ!」

「すごい、宮本くん! かっこいいね」

「へへ、これくらい普通だよ」

褒められて照れる蓮だったが、ふと自分の手を見ると、真白さんと同じように油で真っ黒になっていた。

「あーあ、宮本くんの手も真っ黒。お揃いだね」

「あ、本当だ。洗う場所、学校の水道まで戻るか?」

「ううん、もう閉まってるよ。あ、そうだ。いいもの持ってる」

真白さんはカバンから、可愛らしい柄のウェットティッシュを取り出した。

そして、「手、出して」と言い、蓮の手をそっと自分の手で包み込んだ。

「え、あ、自分で拭くよ!」

「ダメ。宮本くん、手が大きいから、自分で拭くと汚れが広がるよ。私が拭いてあげる」

真白さんは丁寧に、蓮の指先の一本一本をウェットティッシュで拭き取っていく。

彼女の指先が触れるたび、蓮の体は硬直した。夕方の涼しい風が吹いているはずなのに、顔がどんどん熱くなっていく。

「宮本くんの手、ゴツゴツしてて、やっぱり男の子だね。……あ、今、動揺した?」

「動揺してない! 早く拭けよ!」

「ふふ、もう綺麗になったよ」

真白さんは手を離すと、自分の手も素早く拭き、自転車に跨った。

「直してくれてありがとう、宮本くん。じゃあ、気をつけて帰ってね」

夕日に向かって自転車を走らせる真白さんの背中を見送りながら、蓮は拭いてもらったばかりの自分の手のひらをじっと見つめ、まだそこに残っているような優しい感触を、いつまでも消せずにいた。

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